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中国の経済発展は、世界的な食糧危機&資源不足をもたらす!対立激化で不幸を生む!
http://biz-journal.jp/2015/12/post_13091.html
2015.12.29 文=渡邉哲也/経済評論家 Business Journal
2015年も年の瀬が迫ってきたが、今、世界は大きく動き出している。一言で言えば、「グローバリズムの終焉」を迎えているのだ。
もともと、第二次世界大戦後の世界は、「西側」と「東側」という、2つの政治体制・経済体制の対立構造にあった。つまり、資本主義・自由主義陣営(西側)vs.社会主義・共産主義陣営(東側)という構図である。
簡単に言えば、西側はアメリカを中心としたヨーロッパ諸国や日本、東側は当時のソビエト連邦を中心に中国や東ヨーロッパ諸国だが、この対立は1990年代初頭に崩れることになる。
中国は改革開放路線に伴い、89年に天安門事件が発生した。また同年、ベルリンの壁が壊され、東西ドイツが統一している。そして、91年のソ連崩壊によって、資本主義陣営の勝利が決定づけられたといっていいだろう。
そこから始まったのが、現在のグローバリズムの動きである。「これからは、世界はひとつのルールの下に動く」という前提で、世界経済が構築されることになったわけだ。
また80年代、アメリカではいわゆる「シカゴ学派」と呼ばれる経済学が台頭していた。これは、基本的には市場原理に任せる新自由主義を是とするもので、「民間中心の経済体が正しい」という考え方である。これにより、「金融のグローバル化」という、新しい資本主義の形態が提示されたといってもいい。
そして、アメリカを中心に、世界の投資銀行が世界中に投資を行い、アメリカの決めた投資ルールの下で世界が動いていた。
しかし、長く続いたこの体制も、07年にアメリカで発生したサブプライムローン問題や、翌08年のリーマン・ショックによって否定されたといえる。行きすぎた資本主義や自由主義は、「自由vs.自由」という対立を生じさせ、過度な競争を招く。そして、ついに限界を迎えて崩壊に至ったわけだ。
世界的な不景気を招いたリーマン・ショックなどにより、「行きすぎた自由や競争は、大きなリスクを伴う」ということが、世界中で認識されるようになった。
■統合の夢が果てつつあるヨーロッパ
また、ソ連崩壊後のヨーロッパも、大きく変化することになった。いわゆる外敵がいなくなった後、ヨーロッパはアメリカに対抗し得る経済体を構築するため、諸国が連携する方法をとった。93年にEU(欧州連合)が発足し、02年から統一通貨のユーロが流通したのには、そういった背景もある。
その時点では、「ヨーロッパは、このままひとつになるのか」とも思われた。しかし、リーマン・ショック後の10年には、ギリシャ危機に端を発するユーロ危機が訪れ、その後もヨーロッパ経済は揺れ続けていることから、統合の動きは否定されつつある。
さらに、その否定を決定づけたのが、14年に発生したロシアによるクリミア半島の編入問題である。ロシアは、資本主義および自由主義の経済体に飲み込まれていくかと思われていたが、これにより、欧米の支配に事実上の「ノー」を突きつけたわけだ。
■「みんなが豊かになれば平和になる」は間違い
よく「世界を平和にするためには、みんなを豊かにすることだ。貧しい人がいなくなれば、世界は平和になる」と言われるが、これは大きな誤解だ。客観的に世界の仕組みを考えると、この論理は絶対にありえない。
なぜなら、世界の資源の量というのは決まっており、無尽蔵にあるわけではないからだ。「世界中が豊かになる」ということは、「資源の膨大な消費を招く」ということと同義である。
例えば、食の高級化の問題を考えてみよう。世界中の人たちがみんな牛肉を食べるようになったら、どうなるのだろうか。当然ながら、牛を育てるためには、穀物が必要だ。そして、穀物をそのまま食用にするケースと比べて、鳥で6倍、豚で8倍、牛なら12倍の消費量になるといわれる。
しかし地球上の作付面積と穀物を生産するための水の量は決まっている。いずれも、大幅に拡大するというのは現実的ではないだろう。つまり、貧しい人が豊かになり、食が高級化することで、世界は資源不足・食糧危機に陥ってしまうわけだ。
笑い話に「13億5000万人の中国人がみんな日本人と同じような食生活をしたら、地球が3つ必要になる」というものがあるが、豊かになるということは、必然的にモノの奪い合いを招き、モノの奪い合いは対立の大きな要因になるのだ。
今、南シナ海では領有権問題が起きているが、その根底には、海底資源の奪い合いという目的がある。また、発展によるモノの奪い合いの構図は、資源の値段にも如実に表れている。リーマン・ショックの後、資源価格は高騰したが、これは新興国、特に中国が大規模な発展を遂げたことにより、資源を“爆食”したからにほかならない。
その証拠に、最近の中国経済の大減速に伴い、資源価格は大きく下落している。つまり、新興国が発展すれば、ある意味で既得権益者である先進国の取り分が減ることになる。そして、それは対立の大きな要因になるわけだ。南シナ海での動きを見る限り、最近はアメリカと中国の間でも、そういった問題が露呈し始めたといえる。
では、グローバリズムの終わる世界は今後どうなっていくのだろうか。次回から、各国別の状況を見ていきたい。
(文=渡邉哲也/経済評論家)
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