http://www.asyura2.com/15/hasan103/msg/864.html
Tweet |
IFA 2015の東芝ブースでは歴代の東芝製PCが展示された
瀕死の日本PCブランド、世界から消滅の危機…東芝失墜で業界大再編最終章か
http://biz-journal.jp/2015/12/post_13074.html
2015.12.29 文=山口健太/ITジャーナリスト Business Journal
2015年も残すところわずかとなった12月、PC業界再編の動きが慌ただしい。21日には東芝がPC事業の子会社化を含む構造改革を発表、24日には富士通も子会社化の詳細を発表した。12月初頭に日本経済新聞や読売新聞が相次いで報じた「富士通・東芝・VAIO」のPC事業統合は各社が否定したものの、着々と歩を進めていることがうかがえる。
果たして16年、PC業界に大規模再編の波はやってくるのか。これまでの動きを中心に振り返ってみたい。
■PC業界で話題になってきた「ソニーの次は?」
総合家電メーカーとして知られる東芝は、PC業界において最古参の存在でもある。1985年に欧州で世界初のラップトップ型PC「T1100」を発売して以来、国内外で高い認知度を誇ってきた。その勢いは現在も続いており、「Windows 10発売後の1週間で北米で最も売れたPCは東芝製だ」と米マイクロソフトは語る。
だが、PC市場は縮小の一途をたどっている。米調査会社のIDCが12月4日に公開したデータでは、2015年第4四半期の世界PC出荷台数は前年比10%減。15年通期では10.3%減となり、頼みの綱だったWindows 10の投入も効果は薄かった。
特にコンシューマー向けPCの落ち込みは大きい。その背景にはスマートフォン(スマホ)やタブレットの普及、Windows 8の失敗、PCの性能向上による買い替えサイクルの長期化など、さまざまな要因がある。その中で14年、大きな決断を下したのがVAIO事業を売却したソニーだ。
この「VAIOショック」のあと、次に脱落するのはどのメーカーか、PC業界で話題になってきた。国内最大手のNECは、PC市場で世界最大シェアを持つレノボと組んでおり安泰だ。続く国内シェアを持つ富士通や東芝は、コンシューマー向け中心だったソニーとは異なり、国内の法人市場に強い。その基盤は盤石とみられてきた。
事態が急変したのが、15年5月の東芝による不正会計問題の発覚だ。同社はPC事業についても利益水増しを行っていたことが明らかになり、室町正志社長はPC事業の構造改革に言及。法人ユーザーから不安の声も上がり始めるなか、12月21日にはついにPC事業の子会社化を含む、構造改革プランを発表した。
■東芝のPC事業は規模縮小
東芝が新たに打ち出したPC事業の方向性は、どのようなものだろうか。最初に出てくるのが「B2B(法人向けビジネス)重視」だ。これは14年以降、東芝が打ち出してきた路線を踏襲したものであり、今後も定期的な買い替え需要が期待できる法人市場を狙った動きだ。一方、B2C(個人向けビジネス)については国内市場を主軸にするとしており、海外向けは縮小することになりそうだ。
世界のPC市場における東芝は、5本の指には入らないとはいえトップ10には入っており、日本のPCメーカーとしては最大のシェアがある。その東芝が海外向けを縮小するということは、すなわちソニーに続いてまたひとつ日本ブランドのPCが消えることを意味する。
東芝入魂の最新タブレット「dynaPad」の発表には、米マイクロソフトのWindows 10開発責任者も来日した
製品ラインアップも削減する。東芝は自社で設計する高付加価値モデルに加えて、安価な製品については台湾などODM(委託者のブランドでの製品設計・生産)企業に製品開発や生産を委託してきた。だが不正会計問題では、東芝本体が仕入れた部品をODMに販売し、後に完成品のPCとして買い戻すという「バイセル取引」による利益水増しが発覚。これに対して東芝は、ODM企業の利用自体を廃止するという。
その結果見えてくるのは、PC事業の大幅な規模縮小だ。製品ラインアップ数は現在の3分の1以下にまで削減。海外拠点は13から4拠点に縮小、人員削減はPC事業だけで3割に当たる1300人に及ぶという。計画通りなら16年4月1日には構造改革を終えたPC新会社が誕生することになるが、世界トップ10から脱落する可能性は高い。
■国内PC連合でNECレノボへの対抗なるか
東芝は構造改革プランのなかで「他社との事業再編も視野に入れる」と説明しており、以前から新聞報道などで話題になってきた富士通とのPC事業統合の可能性について、暗に示唆している。
対する富士通は、16年春を目処にPC事業の子会社化を進めており、2月1日には100%出資の子会社「富士通クライアントコンピューティング」が誕生する。富士通・東芝の両社からPC事業の切り離しが完了した暁には、これら2つのPC子会社の統合も見えてくる。実現すれば、10年に富士通が設立した東芝との合弁会社、富士通東芝モバイルコミュニケーションズ(現富士通モバイルコミュニケーションズ)の再来になりそうだ。
基本戦略は、富士通と東芝がそれぞれに強みとしている技術や市場を合体させ、重複する部分を削ぎ落とすことで、国内市場で首位を独走するNECレノボ・ジャパングループに対抗することが考えられる。IDCによる最新の国内PC出荷台数調査では、NECレノボのシェア29.4%に対し、富士通・東芝を合計すると29.5%になるからだ。
海外戦略はどうだろうか。富士通はドイツに大きな拠点があり、欧州の法人市場に強いという特徴がある。一方の東芝は北米で強く、世界シェアは富士通より高いとみられる。地域差がある富士通と東芝のブランド力を、どう整合させていくかが鍵になるだろう。
(文=山口健太/ITジャーナリスト)
ドイツのIT展示会「CeBIT」では、富士通のドイツ法人が毎年大型のブースを出展している
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民103掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。