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家計調査と有効求人倍率
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52758295.html
2015年12月25日 在野のアナリスト
11月の経済指標がいくつか出てきました。一般職業紹介状況で、有効求人倍率が1.25倍と前月比0.01pt上昇しました。これは有効求職者数で、前年同月から100万人近く減り、前月からも75万人減った。一方で有効求人数は、前年同月から160万人以上増え、前月からは14万人減った。前年同月比からみると求職者が減って、求人が増えたので改善することになりますが、問題は求人が前月から減っている点です。しかも、就職率は季節調整済みで34.0と、前年同月比0.6ptしか改善していません。そこにはまだミスマッチが存在しているのでしょう。
ただし、業種別でみるとかなり臨時・季節雇用を減らしているものが目立つ。代わって常用雇用を増やす傾向がある中で、就職率が増えていないのですから、賃金が抑えられているか、労働環境が悪いのか、福利厚生がととのっていないか、要するに条件面での折り合いがついていない。もし常用雇用に年齢制限をかけているのだとしたら、それがミスマッチの原因かもしれません。
家計調査はかなり深刻です。勤労者世帯の実収入は前年同月比、名目で1.4%減、実質では1.8%減と、3ヶ月連続の悪化で、消費支出は実質で2.9%減と、こちらも3ヶ月連続の悪化。しかも、支出面では暖冬なので被服が下がっていますが、全体的に住居費の伸びが重く、これは都心部などのバブル症状で、賃貸などが影響していると思われ、相対的に消費を悪化させています。
しかも、収入面はもっと深刻で、実収入は下がっていますが、それ以上に世帯主収入は名目で2.8%減、実質で3.2%減であり、それを補っているのが配偶者の収入で、こちらは名目で5.8%、実質で5.4%の増加です。1人当たりの賃金は下がり、それを配偶者も含めて複数の収入でカバーする傾向が、より鮮明になっています。これは有効求人倍率の上昇と真逆の動きであり、ここからも労働条件と、求職者とのミスマッチが感じられる所以となっています。
生活苦を、何とか配偶者が働くことで補っている。これがもし若い夫婦であれば、それこそ子育ての時間もない、となってしまうのでしょう。つまりこの傾向は、少子高齢化を食い止めるどころか、さらに加速する流れであって、安倍政権ではそれが加速してしまっている、と言えるのです。希望出生率1.8に設定していますが、単なる有効求人倍率の数字に喜ぶ前に、実体をきちんと見ないと、対策もとれない。少なくとも、配偶者が働くために求職者数が上がったり、就職率が上がったりする現状は、決して正常な経済環境にあるとは言えません。
補正予算で「安倍ノミクス再点火」などと、日経は煽りますが、この経済指標で読み解けることに対する方向性を変えるような内容は含まれません。残念ながら、再点火どころかこの補正予算、そして来年度予算は、別のところに着火するのかもしれません。それがお尻なのか、台所の車なのか、いずれにしろ来年を明るく照らすような光にはなりそうもないのでしょうね。
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