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被爆に対する物差しまで狂わせ、年間1ミリシーベルト以上の高線量被爆を異常と感じさせないようにする、御用学者や福島の高線量地を除いたコープ福島と、これを批判もせず、受け入れさせようと報道する特異な産経新聞
http://gansokaiketu.sakura.ne.jp/20160222-hpb-hibakunitaisuru-monosashimade-kuruwase--------ukeiresase-youto-houdousuru---sankeishinbun.htm
「上限20ミリシーベルト」に上がる懸念の声 科学的根拠を聞き入れず不安ばかりに駆られる福島の現状
平成23年3月の東京電力福島第1原発事故の影響で、福島に住むと放射線の危険にさらされるのではないか−という不安を払拭するデータがある。
生活協同組合(生協)の「コープふくしま」(福島市)の調査結果だ。コープふくしまは26年4月、福島を含む12都道県の組合員102人に依頼し、日常的な外部被曝線量を調査。放射線量の測定器を身に付けて生活してもらい、7日間の積算線量の違いを調べた。
その結果、福島では最大20・7マイクロシーベルトと全国で最も高い値が出たものの、東京=同17・6マイクロシーベルト▽広島=同17・4マイクロシーベルト▽奈良=同17・1マイクロシーベルト−と全国的にそれほど違いはなかった。
コープふくしまは、福島で食事に含まれる放射性物質濃度も調べ、内部被曝の危険性がないことを示すデータも公表した。専務理事の野中俊吉さん(56)は「子供たちに何か影響があったら、親は『避難しなかった自分たちのせいだ』と責め、不安が増す。数字でみれば、客観的に安心だということを確認できる」と強調する。
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小学校の校庭など屋外活動の年間積算放射線量に絡み、政府が上限として決めた「20ミリシーベルト」が危険だとの認識を広めた発言がある。
原発事故を受け、菅直人首相(当時)の肝煎りで内閣官房参与に任命されたが、約1カ月後に涙を流しながら辞任を表明した東京大教授(同)の小佐古敏荘さん(66)=放射線安全学=の発言だ。
「20ミリシーベルト」に反発した小佐古さんは、「特殊な例でも5ミリシーベルト」と求めたが聞き入れられず辞任した。今も政府は「年20ミリシーベルト未満なら帰還可能」とするが、地元は除染の長期的目標となる「1ミリシーベルト」を求める事態に陥っている。
昨年3月に東大教授を退官した小佐古さんは今、「あのときと考えは全く変わっていない。事故当時の政府の対応がまずく、食品摂取の制限がうまくいかなかった」と話す。
ただ、小佐古さんは事故時の放射性物質の摂取を問題視し、現状の低線量の被曝にまでは明確に踏み込んでいない。
京都医療科学大の遠藤啓吾学長(放射線医学)は「100ミリシーベルト以下の低線量被曝では、放射線による発がんのリスクは極めて小さいというのが多くの科学者の見解。実際に帰還が始まっている場所では、住民の被曝線量は年間20ミリシーベルトよりもずっと低い。帰還を検討する“スタートライン”として20ミリシーベルトは妥当だ」と説明する。
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低線量被曝のリスクについては最近、研究者も一つの結果を提示している。
放射線影響協会の放射線疫学調査センター長、笠置文善さん(66)らの研究グループは、原発など放射線業務に携わる作業員らを対象に、1990年代から約20年にわたって追跡調査を行った。
調査数は約20万4千人。うち約7万5千人は喫煙といった生活習慣との関連性も調べた。累積線量は平均25・8ミリシーベルトで、一般の被曝線量の目安となる年1ミリシーベルトのおよそ26倍となったが、累積線量と死亡率のデータは関連を示さなかった。むしろ、死亡率は喫煙など放射線以外の要因が影響を及ぼしていた。
「現状では低線量の放射線が、がんによる死亡に影響を及ぼしていると結論付けることはできない」。笠置さんはこう言い切った。
科学的根拠を聞き入れず不安ばかりに駆られる福島の現状について、コープふくしまの野中さんが一つの答えを示した。「やみくもに怖がるのではなく、自分なりの物差しで理性的に判断しなければいけない」
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天野健作、緒方優子、野田佑介が担当しました。
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