http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/752.html
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もうすぐ原発事故から5年になりますが、東電は4号機の爆発については相変わらず
かたく口を閉ざしています。
3月15日午前6時と9時に火災があったとしか発表していないし、爆発映像はもちろん、
録画機器が壊れたというふざけた理由でTV会議も公開しません。
自衛隊が上空から撮影したサーマルグラフや蒸気が原子炉から立ち上っていることなどから、
原子炉に燃料があったことは確実ですが、なぜか東電はそれをひた隠しにしています。
もし燃料が原子炉にあったのなら、素直にそう言えばよいわけで、隠す理由がありません。
お隣の3号機では、きちんと蓋が閉まった原子炉が燃料溶融・爆発を起こしているのですから、
蓋の開いた原子炉で核暴走が起きて屋根が吹き飛んでも不思議はありません。
なぜ東電は沈黙しているのでしょうか?
この問題について、物理学者の槌田敦氏は4号機では軍用プルトニウムを生成していたと
指摘しており、前回紹介しました。
「槌田敦氏が4号機原子炉で核兵器用プルトニウム生成の可能性を指摘」 (拙稿 2014/10/16)
http://www.asyura2.com/14/genpatu40/msg/681.html
先週末のゼミではさらに突っ込んだ詳細が解説されています。
[槌田ゼミ新シリーズ 第17回原発基本講座]
「20160123 UPLAN 槌田敦「沸騰水型原子炉の欠陥」−核兵器生産可能な原子炉−」
(三輪祐児・YouTube 2016/1/23)
https://www.youtube.com/watch?v=XY-WgI8jBXM
2時間弱の講演で、沸騰水型原子炉全般の問題を議論されています。
少し長いですがぜひご覧下さい。
1時間19分あたりから軍用プルトニウム生成の解説が始まります。
解説資料から、軍用プルトニウム生成に関する章を引用します。
----(引用ここから)--------
第5、軍用プルト生産炉としての沸騰水型原子炉規制
[原子力のそもそもの目的は軍事利用]
すべての原子力開発のそもそもの目的は軍用である。
加圧水型原発の原型は、潜水艦の動力用電力を得るためであった。
ボブコック&ウィルコックス社などはこれを陸上で使用し、商業利用することにした。
これがスリーマイル島(TMI)原発である。
沸騰水型原発は、GE社が軍用核物質の生産を目的として開発したたと伝えられている。
だが、得られるプルトニウム(以下プルトという。ウラニウムをウランというのと同じ)は、
プルト239、プルト240などの混合物であって、核兵器には使えない。
そこでどのようにして、原爆に使用する高純度のプルト239を生産するのかが不明であった。
GEはその方法を公開する訳がない。福一 4号機の事故がその秘密を明かにした。
[原子炉中央に置いた天然ウラン燃料]
事故の際、東電発表による4号機の使用済み燃料の数は混乱を極めた。
特に、東電はなぜか24本の使用済み燃料集合体を特別扱いしていた。
そして、この24本は、早々に引き上げ、隠してしまった。この24本は炉心燃料ではなく、
天然ウラン燃料であったと思われる。
天然ウラン燃料集合体12本を炉心中央に配置(第2図参照)して臨界状態にすると、
天然ウランの中のウラン238は中性子照射でプルト239となる。適当な照射時間の後、
この天然ウランを回収すると高純度の軍用プルトが得られる。つまり、GEは
沸騰水型原発を軍用プルトの生産炉として開発したことが東電の照射実験により
実証されたのである。制御棒を下から挿入するのは、天然ウラン燃料棒の交換を
容易にするためであった。
しかし、アメリカではすでにチェルノブィリ原発と同型の原子炉で軍用プルトを大量に
作っていて、後発のGEには割り込む隙がなかった。そこで、GEは、この原子炉に
蓋をして、沸騰水型発電用原子炉として販売することにしたものと思える。
[なぜ、日本で軍用プルトの照射実験か]
ところで、日本はなぜ沸騰水型で軍用プルトの生産を計画したのか。
それは高速中性子炉による軍用プルトの生産に失敗したからである。
常陽ももんじゅも、原子炉を満たす液体ナトリウムの中で器具を落とした。
ナトリウムという金属の液体の中では、その破損状態を確認する方法がなく、
両者共に使用不能となってしまった。
そこで、福島4号機で天然ウランに中性子を照射する実験を2回することにしたと
思われる。ちょうどそのとき、地震が発生して、この実験は失敗してしまったのである。
[Pu239の大量生産可能な設計]
炉心燃料の中央に天然ウラン集合体を配置する(第2図)。そして制御棒を抜いて
臨界にし、高密度の中性子でウラン238を照射するとプルト239が得られる。
しかし、これを長時間続けるとこのプルト239はプルト240になる。
プルト240は核爆発を妨害するので、プルト240ができない内に短時間照射して
天然ウランを回収するという訳である。
福一4号機の照射実験の場合は、蓋を明けたまま燃料交換の水位まで原子炉に水を
満たして、制御棒を少しづつ引き抜いて炉心燃料を臨界に導き、適当な時間の後に
再び制御棒を挿入して臨界を止め、中央に配置した天然ウラン集合体を交換するという
単純作業であったと思われる。
この状態では炉心の水深は20メートルと深く、中性子は水に吸収され外部にはほとんど
漏れ出さない。ガンマ線や放射能対策も通常運転程度以下である。
ところが、不運にも地震に遭遇した。当日はなんとか乗り切ったが、4日後の3月15日6時、
または9時に、制御棒が大量脱落して予定しない臨界となったと思われる。
[インドが日本から原発を買う目的]
インドの関心は核兵器生産である。当然、日本から沸騰水型を買うことになる。
これを使って、福一4号機同様の照射実験を繰り返すに違いない。次に、照射する
天然ウラン集合体の数を12体から32体に増やして、プルト239の大量生産を試みるであろう。
安倍政権は、インドに原子炉を輸出するにあたり、核実験したら協定を破棄するとしている。
しかし、この沸騰水型原子炉では、簡単な蓋をして原子炉を運転すれば、運転しながら
燃料交換ができるので照射時間を短くして、高純度の軍用プルトを生産できる。
高純度のプルト239を用いれば、核実験の必要はないことに注意しなければならない。
規制勧告(24)
沸騰水型原子炉では簡単な蓋にするだけで軍事転用が可能なので、国内では
発電以外の目的での使用を禁止する法律が作成されない限りその運転を禁止する。
海外では軍事転用が不可能となるような装置そのものを改造しない限り輸出を禁止する。
結論・規制勧告のまとめ
以上述べたように、これらの想定事故には解決策が存在する場合がある。
けれども、その解決策には莫大な費用が必要となる。しかし、採算が取れるのであれば、
原発の危険を回避するために、その解決策を実施しなければならない。
採算が取れない場合または解決策がない場合に、「危険が生じるのは仕方がない」として
これを使用し、またはこれを販売するならば、すでに述べたように、「未必の故意」の
犯罪となる。
よって、沸騰水型原発に対して、標記のように規制勧告する。すなわち、
沸騰水型の構造的欠陥を放置して使用・販売してはならない
沸騰水型は軍事転用が可能なので使用を制限し、輸出を禁止する
以上
----(引用ここまで)--------
大変、説得力のある推察です。かなり真相に近いのではないかと思います。
重力に逆らって下から挿入する沸騰水型原発の制御棒は脱落しやすく、
今まで何件も深刻な事故が起きていることを以前指摘しましたが、
槌田氏も制御棒が脱落して原子炉内で臨界が始まってしまったと推測されているようです。
4号機の謎は深く、槌田氏の推察もすべてを説明するわけではありません。
最初に3-4階で起きたと思われる爆発の原因は何か、なぜ米軍が消火活動をしたのかなど
わからない問題が多々あります。
3号機は派手に大爆発したので、どうしても注目がそちらに行きますが、
原子力の核兵器ビジネスを追及する上では4号機の爆発のほうがはるかに重要です。
こういった軍用プルトニウム内職疑惑が持ち上がっているのですから、
東電は、きちんとデータや画像を出して4号機の爆発を説明しなければなりません。
沈黙していれば、疑惑を肯定していると受け取られても仕方がないでしょう。
(関連情報)
「反原発派も触れようとしない原子力最大のタブー 槌田敦氏が追及」 (拙稿 2013/7/1)
http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/357.html
「東電よ、観念して4号機爆発の原因を公表しなさい」 (拙稿 2013/7/2)
http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/365.html
「制御棒が抜け落ちる-沸騰水型原発の致命的欠陥 4号機爆発原因はこれか?」 (拙稿 2014/2/20)
http://www.asyura2.com/14/genpatu36/msg/440.html
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