ymさん、コメントをありがとうございました。 >>>44 >僕が言った趣旨は、少なくとも>>30の3.と4.は基本的な用語を間違って使われているように僕には思われる。 >ので、まずあなたが正確に何を言いたいのかがわからないと、僕には答えることができない、ということでした。 すいませんが、ymさんが指摘されている「(taked4700が)基本的な用語を間違って使われている」というその箇所を具体的に書いていただけませんか。なお、コメント30の3と4を次に引用しておきます。 (*以下引用開始:) 3.そうであるなら、やはり、普通ならインフレ率、資金調達金利としてもいいのかも知れませんが、そういったものを見込んで、現状で一年間で45億円なら将来は70億円と言うように大きな数値になるのが普通ではないでしょうか。 4.デフレになる可能性もありますが、基本的に、貨幣量は増え続けているのでインフレ率でいいのだと思います。 (*以上引用終わり) >>>44を拝読する限り、あなたは>>30の3.と4.とは撤回するから、 >1.と2.だけを問題にすれば良い、ということですか? >そうであれば3.と4.は無視しますが、 1.と2.を下に引用します。 (*以下引用開始:) 1.「運転維持費は、『発電』と『費用の発生』とが同時なので、割引率によって影響を受けません」ということですが、この意味は、発電量と運転維持費は、同じ割引率を適用されるからということでしょう。つまり、2030年なら2030年の物価水準で利益(発電した電気を販売した代金)とコスト(運転維持費)が釣り合うため、割引率を考える必要がないということのはずです。 2.しかし、そもそも、原発の発電単価とは、原子力発電所の建設から維持管理、そして廃炉に至るまでのコストを発電量で割ったものであり、販売電力料金がいくらであるかとは関係がありません。 (*以上引用終わり) まず、自分の論理展開は1.と2.を前提にすれば、3.と4.が結論として当然導かれるということです。よって、「3.と4.とは撤回するから、1.と2.だけを問題にすれば良い」ということではありません。 以下、ymさんの1.と2.に分けて書かれたコメントを、>で引用し、それぞれについて、僕のコメントを*の後に書かせていただきます。 >1. >> この意味は、発電量と運転維持費は、同じ割引率を適用されるからということでしょう。 >実は違います。 >発電と運転維持費(例えば人件費)は同時に発生するので、そもそも割引率が適用されません。 *この部分は解釈の問題であるように思います。結局、多分、ymさんも自分も理解している実態は同じことのはずです。 >言っている意味は、ある時点(いつの時点でも)における発電がkWh当りp円の価値があったとして、 >その価値に相当する分を直ちに人件費として払うので、 >必ず「人件費」は「p×発電量」に等しくなります。 >(つまり発電単価の計算は必ず、p=人件費○億円÷発電量○kWhという単純な式になります) *この部分は、経済の実態として不合理と言うか間違っていませんか?「発電がkWh当りp円の価値」があったとき、「価値に相当する分を直ちに人件費として払う」ということは、現実には行われていないと思います。まあ、「発電がkWh当りp円の価値」の「価値」の意味が定義されていないので、その問題でもあるとは思いますが。しかし、少なくとも、「発電がkWh当りp円の価値」の意味が「発電された電力量の1kWh当りの営業利益」とかであるなら、その利益分がそのまま人件費として支払われてしまうということはありえません。なお、「p=人件費○億円÷発電量○kWh」という式だけを見ると、pは単に、発電1kwあたりの人件費を置停めているだけの話であり、「ある時点(いつの時点でも)における発電がkWh当りの価値」になっているようには思えません。よって、ymさんに、「発電がkWh当りp円の価値」の部分の「価値」の意味を明らかにされることをお願いします。 >今回の政府試算で採用しているOECDの評価方法では、この場合、分子と分母に同じ割引係数をかけることにより >相殺されて、割引率が影響しないようになっているのですが、 >他のどんな方法を用いたところで、割引率の想定の仕方によって運転維持費が変わってしまったとしたら、 >その方法は間違いです。 *ymさんの言われている「この場合、分子と分母に同じ割引係数をかける」の「この場合」というのがはっきりしません。文脈からすると、「発電と運転維持費」に関連しての話であると思えますが、具体的に何が「分子」で、何が「分母」なのかを、明記していただけないでしょうか。 >> 2030年なら2030年の物価水準で利益(発電した電気を販売した代金)とコスト(運転維持費)が釣り合うため、 >これは僕には意味がわかりません。 >2030年の「物価水準」で利益とコストが釣り合うのなら、全く同様に、何年の「物価水準」でも利益とコストが釣りあうはずですが。 >もしあなたの言うように収入と支出とで異なる割引率を適用する(?)としても(それはあまり適切でないように僕は思いますが)、 >それとは別の問題として、物価の変動(インフレないしデフレ)は利益であろうと、コストであろうと >全く同じように影響するはずです。 >パンを買うときだけにパンが値上がりして、売る時には値上がりしない、とかいうことは普通ありません。 確かに、自分が書いた「2030年なら2030年の物価水準で利益(発電した電気を販売した代金)とコスト(運転維持費)が釣り合うため、」は意味がはっきりしませんね。自分としては、ymさんが書かれた「運転維持費は、『発電』と『費用の発生』とが同時なので、割引率によって影響を受けません」という文章の意味をより具体的に述べたつもりだったのです。つまり、2030年時点を現在価値に直すときの割引率は「発電(した結果の利益)」と「費用」のどちらにも同じ値が適用されるから、結果的に割り引く必要がないという意味であるとymさんの「運転維持費は、『発電』と『費用の発生』とが同時なので、割引率によって影響を受けません」解釈したわけです。どうも、ymさんのコメントの様子から考えると僕の上の解釈は正しくないようですから、ymさんにその正しい解釈を再度書いていただくしかありません。 >2. >> しかし、そもそも、原発の発電単価とは、原子力発電所の建設から維持管理、そして廃炉に至るまでのコストを >> 発電量で割ったものであり、販売電力料金がいくらであるかとは関係がありません。
>もちろん、発電単価は販売電力料金がいくらであるかとは関係ありません。 >実際、そのように計算されているわけでもありません。 >> 自分としては、発電コストを考えるときに、利益を考慮に入れるのは不合理であるように思います。
>OECDの方法によって計算されるのは発電原価に相当するものなので、利益は考慮に入っていません。 >基本的にあなたが仰っている意味が、依然として僕には正確に理解できていないのですが、 あなたは今回用いられているOECD流の計算方法が、発電コストの評価には適切でない、と言いたいわけですよね? >もしそうだとしたら、具体的に、何をどうやって計算するのが正しいとお考えなのでしょうか? >きちんとした計算式に類するものを書いてみて頂けると助かるのですが。 *ここでも、結局問題になっているのはymさんの「運転維持費は、『発電』と『費用の発生』とが同時なので、割引率によって影響を受けません」という文章の意味なのです。この言葉の意味をymさんがもう一度はっきりと述べる必要があると思えます。自分(taked4700)としては、「発電」と「費用の発生」というのは非対称というか、そのまま比較できるものではないように思います。そのため、「発電された結果得られた利益」と「発電にかかった費用、つまり、運転維持費」と解釈して、「2030年なら2030年の物価水準で利益(発電した電気を販売した代金)とコスト(運転維持費)」と書いたわけですが、この意味ではない様子ですから、ぜひうもう一度ymさんに詳しい定義を述べて頂きたいと思います。 >>49 ここからはymさんのコメント49に対するご返事です。>でymさんの書かれたコメントを引用し、*で自分のコメントを記します。 >>>45 >1. >> なぜかと言えば、一般的に1年後の100円の給付は不確定であるからです。 >何度も繰り返しますが、比較的近い将来の場合には、 >将来の価値を割り引く理由は、「不確定さ」よりもむしろ、単純に、利子もしくは運用益が生じるからです。 >例えば、確実に信頼できる神様のような人が1年後に、100円くれると言ったとしましょう。 >僕がその人を完全に100%信頼しきっていたとしても、それでも僕は来年の100円よりも今の100円を選びます。 >当然ながら、銀行に預けておけば利子が余計に得られるからです。 *多少アゲアシを取るようですが、現状の金利で100円を銀行に預けても1年では利子は付きません。1円以下ですからね。そして、より重要なことは、「比較的近い将来の場合には、将来の価値を割り引く理由は、『不確定さ』よりもむしろ、単純に、利子もしくは運用益が生じるからです。」の部分ですが、この部分は、結局、既にymさんと自分では、見解は一致しているはずです。つまり、割引率は、将来の不確実さとインフレ率、金利のつき方などを考慮したものだということであるということです。なお、ymさんの「確実に信頼できる神様のような人が1年後に、100円くれると言ったとしましょう。僕がその人を完全に100%信頼しきっていたとしても、それでも僕は来年の100円よりも今の100円を選びます」という部分は、ごく当たり前のことであって、割引率に関してのことではありません。なぜなら、一年後と現在と同じ額の100円を想定しているからです。割引率の話しであれば、1年後の現在価値は現在と同額では有り得ません。 >4. >> 5年後にすぐ1000円をねん出することができないとは普通は考えませんから、 >> そのまま単にインフレ率で割り引いて、例えば年1%なら、概算950円が現在価値となります。 >依然としてあなたの言葉の使い方が僕には中々判然としないのですが、・・・ >ここでいう「1000円」は名目値で、インフレ率が1%だとすると、名目の1000円は実質では950円である、 >ということですよね。 >そしてあなたは、その実質値の950円が、そのまま現在価値と等しい(つまり割引計算は必要ない) >ということを述べられているのですか? *結局、ここでも、ymさんは何を実態的な「割引率」と考えるかがあいまいな点をついて、議論をすり替えようとされているように思えます。普通の一般市民で5年後に1000円を特に支障なく用意できないことはないというのが経済実態であるはずで、その時には単にインフレ率のみを割引率として想定し、インフレ率1%を考慮して概算現在価値を950円とするという話しです。このことは、決して、「割引計算は必要ない」と言うことではなく、ごく普通に実態を考えて現在価値を計算したものだと思います。そもそも、ymさんご自身が、コメント49で「何度も繰り返しますが、比較的近い将来の場合には、将来の価値を割り引く理由は、『不確定さ』よりもむしろ、単純に、利子もしくは運用益が生じるからです」と書かれています。 >何で割引計算をしないのでしょう? >何度も言いますが、普通は、5年後の金額を現在価値に換算する際には、物価の換算の他に >何らかの割引率を使って割り引くのですが。 *ですから、上の*で述べたように割引計算をしています。 >5. >> 第二は、積み立てる現金を用意することによって、本来出来たはずの設備投資などができなくなること。 >これは違いますね。もし資金運用よりも設備投資の方が儲かるのであれば、設備投資をすれば良いだけなので。 >そもそも積立というのは会計上の処理のことが多い気がしますが、 >まあ仮に、例えばどこかの半独立の団体に本当にお金を積み立てておくとしましょう。 >その団体は通常、その資金を運用して増やしているわけですが、 >もし何らかの設備投資が儲かるのであれば、再びその電力会社に貸し付ければ良いだけの話です。 >それをするかしないかは、それだけのリスク(が仮にあったとして)を取るかどうかという話なわけですが、 >リスクを取った方が、取らないよりも「普通ならば利益が大きい」とは言えないはずです。 >もしそう言えるのなら、その時点でリスクではなくなるので。 >> 電力会社はどこも社債を発行し、有利子負債もかなりあります。
>それはそうですが、それが今の話とどう関係してくるのですか? >あなたが想定されているのは、将来お金が必要となる場合に、 >「前もって分割してお金を借りて積み立てる」ことが必要で、しかもその積み立てたお金を腐らせておくので >利子だけがどんどん膨らむ、ということのように見えるのですが、 >実際にそんなことは普通はしません。 >5年後に1億円のお金が必要なら、5年後に1億円借りればいいわけです。が、 >それを予め、今借りておこうとしたら、9000万円だけ借りておけば良いことに違いはありません。 >もちろん、それを早めに返済できれば利子は支払わずに済むので運用益だけが上がるし、返済できなければ利子を払い続けなくてはならないのですが、 >いずれにせよ、「今の価値に換算するとそれは9000万円である」、ということには代りがありません。 >その「9000万円」を自力で調達すれば利子は払わずに済むし、借り入れれば利子を払わなくてはならないわけで、 >いずれにせよ、その調達なり借入れなりする金額は「1億円」ではなく「9000万円」ですよね、 >というのが現在価値換算というものなのであって、それ以上のことを言っているわけではありません。 *経済実態にあった話をしなければいけないということは共通理解としてあると思います。そうであれば、電力会社が何千億円以上の社債や有利子負債を抱えていることは事実であることをymさんも認められると思います。その上での話ですが、そういったとき、例えば現状で500億円かかる廃炉が30年後に発生するとして、その500億円の現在価値を見積もるとき、どう考えるかが問題です。コメント37でymさんご自身が「『割引率』は何らかの『利子率』相当と見做されることが多い」と書かれていますから、ここでは「利子率」といった経済的な側面のみを考慮に入れてみましょう。ただし、ymさんが「ものすごくリスクが高い場合やものすごく遠い将来までを考える場合には、そう単純に利子率だけで物を考えるわけには行かない」と言われていることを無視するわけではありません。廃炉費用に関しては、技術の進歩などが当然見込めるでしょうから、その分の割引が必要なことは当然です。ただ、上のやり取りでymさんが書かれていることは利子とか運用益だけなので、経済的な側面だけでどのような割引率の設定が必要なのかを考えてみましょう。 まず、ymさんの「5年後に1億円のお金が必要なら、5年後に1億円借りればいいわけです。」ということが通用するなら、割引という概念自体が必要ありません。よって、このymさんの文章は明確な勘違いです。 次に、「現状で500億円かかる廃炉が30年後に発生する」、つまり、現状で同じ規模の原発を廃炉にするとコストが500億円であり、30年後に同規模の廃炉を確実に実施することになるという意味ですが、こういった仮定の置き方自体はごく当然なものであるはずです。つまり、最初から30年後の廃炉費用を、全く基礎資料なしで想定はできないからであり、現状の廃炉費用見積もりから推測するしかないからです。 このとき、そもそも、500億円は現在価値です。よって、30年後の500億円と仮定してそれを現在価値に直すという意味がありません。必要なのは、30年後に現状で500億円かかるとされる廃炉費用がどの程度の金額になり、それを現在価値に金利などを考慮して直すという作業です。 まず、現状の500億円が30年後にどの程度の金額になるかを検討します。複利計算が面倒くさいので単利計算することにして、年1%のインフレになるとして、一年で5億円で30年で150億円です。合計650億円が30年後の廃炉費用となります。もちろん、現実の割引計算では技術の進歩なども見込む必要があるでしょうが、ここでは無視します。 次に、30年後の650億円の現在価値です。いちおう、650億円は日本の電力会社にとっても相当な金額であり、簡単に用意できる金額ではありません。そのため、通常は毎年引当金とか積立金として数億円ずつを用意して行きます。こういった積み立ては当然のことながら銀行預金であり、利子が付きます。この利子分を割り引くことは当然できるでしょう。しかしながら、実態として、電力会社は、毎年、廃炉費用積み立て分の数億円の資金がどこかからコストなしで入るわけではありません。なぜなら、既に有利子負債とか社債を数千億円以上の規模で抱え込んでしまっているからです。つまり、こういった資金を用意するためのコストを考える必要があるわけです。ここで、積立金に付く利子と資金を用意するためのコストとのバランスが問題になります。知る大切ささんも、以前から繰り返しおっしゃっているように、このような場合に、割引率を5%などと想定することが経済実態とあっているようには、自分も思えません。つまり、30年後の650億円を現在価値に直すと300億円だというようなことは、経済実態にあっているとは到底思えないのです。もちろん、ここでも、例えば、技術の進歩により、廃炉が簡単に達成できるようになるであろうから割引率を5%に設定するというような議論は可能でしょう。しかし、それにしても、どのような技術進歩が実際に可能なのかを示す必要があり、現状でそういったことがされているようには見えません。 *なお、廃炉費用を例として使ったのは、ymさんの「運転維持費は、『発電』と『費用の発生』とが同時なので、割引率によって影響を受けません」という文章の意味がはっきりしないためです。運転維持費を例として使うと混乱する可能性があるので廃炉費用を例として津輪せていただきました。 *以上です。ymさんのご返事をお待ちしています。
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