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再稼働へ向けた動きが加速しそうな高浜原発 (c)朝日新聞社
震災から5年 東電旧経営陣の追訴で新事実が明らかに?〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160106-00000000-sasahi-soci
週刊朝日 2016年1月15日号
「私の親父も避難先で衰弱して2年前に亡くなりました。これだけ震災関連死が出ているのに、誰も原発事故の責任を取らないなどあり得ません」
こう憤るのは福島県南相馬市在住の小澤洋一氏(59)。東京電力福島第一原発の事故から丸5年が経とうとするなか、忘れてはならないのが事故を起こした刑事責任の追及だ。
検察審査会は昨年7月、東電の勝俣恒久元会長や元副社長ら旧経営陣計3人に対し、2度目の「起訴相当」を議決。強制起訴が決まり、4月にも起訴が予定される。
福島原発告訴団の保田行雄弁護士は「初公判は夏ごろ」と見ている。
「現在、検察官役を務める指定弁護士が検察資料の精査や補充捜査をしています。ポイントは、東電が15メートルを超える津波を予見できたかどうか。裁判では、東電がどういう想定をしていたのか新事実が出てくるのではないでしょうか」
「指定弁護士」として東電の責任を追及するのは、東電女性社員殺害事件で再審無罪となった元被告の弁護を担当した石田省三郎氏ら“敏腕”弁護士3人。
裁判の行方は、全国の福島原発訴訟にも影響を及ぼしそうだ。国と東電を相手取った「生業を返せ、地域を返せ!」訴訟の馬奈木厳太郎(まなぎいずたろう)弁護士はこう話す。
「公判の流れが我々の民事訴訟にも影響を与える。大きな関心を持っている」
政府の原発再稼働に向けた流れは止まらず、川内原発に続いて伊方原発が春にも運転を再開。高浜原発では、福井地裁が昨年12月、別の裁判長が再稼働を差し止めた4月の仮処分決定を取り消した。さらに泊、柏崎刈羽、大飯、島根、玄海などの各原発が年内に新規制基準をパスする可能性がある。
だが、いくら政府が安全をPRしても、いったん事故を起こせば甚大な被害と放射線による健康不安を生むのが原発だ。現に、いまだに避難を続ける福島県民は10万人を超えている。昨年9月に避難指示を解いた楢葉町へ戻った住民は、人口の約5%に過ぎない。
小澤氏が言う。
「政府が『復興』ばかり強調しても、住民はしらけムード。同じことを繰り返さないためにも事故の責任を取らせないといけない」
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