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やっぱり「日本」はスゴイ…じつは「外国人」が猛烈に感動している「日本のモノ」第16位〜20位/現代ビジネス
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投稿者 仁王像 日時 2023 年 12 月 12 日 07:23:41: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

やっぱり「日本」はスゴイ…じつは「外国人」が猛烈に感動している「日本のモノ」第16位〜20位/現代ビジネス
鴻上 尚史 によるストーリー • 1 時間
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E3%82%84%E3%81%A3%E3%81%B1%E3%82%8A-%E6%97%A5%E6%9C%AC-%E3%81%AF%E3%82%B9%E3%82%B4%E3%82%A4-%E3%81%98%E3%81%A4%E3%81%AF-%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA-%E3%81%8C%E7%8C%9B%E7%83%88%E3%81%AB%E6%84%9F%E5%8B%95%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%A2%E3%83%8E-%E7%AC%AC16%E4%BD%8D-20%E4%BD%8D/ar-AA1llpK6?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=1665ffc0ab124bea9a6224e0dddd8918&ei=11

NHK BSの人気番組『cool japan』の司会者として、世界を旅する演劇人として、人気脚本・演出家が世界の人々と聞いて議論した。世界の人々が日本を体験して感じた「クール!」と「クール?」と「クレイジー!」 これを知れば、日本がもっと楽しくなる!

十六位〜
一六位は「立体駐車場」です。
狭い土地をいかに有効活用するか、という日本人の必要から生まれたメカニズムです。これに感動する気持ちは分かる気がします。

一七位は、「ICカード乗車券」です。この当時、ニューヨークでは実証実験が始まり、ロンドンではまだ取り入れられていませんでした。が、続々と世界中が電車やバスに共通して使える「ICカード乗車券」を取り入れ始めています。これは、べつに日本発というわけではなく、ただ、二〇〇九年段階で、日本が世界に先駆けていたのです。

ニッカボッカはクール・ファッション!
一八位は、「ニッカボッカ」です。

そう、土木作業員や鳶職の人たちが穿くダボッとしたズボンです。これが、海外では、クールなファッションとして、評価されているのです。

冗談のようですが、本当の話です。そもそも、ニッカボッカは、座った時に膝の部分が突っ張らないように余裕のあるデザインなので、じつに動きやすくできているのです。

そして、あの特殊な形が、見たこともない海外の人からすると、おしゃれとかかっこいいとかと感じるのです。

僕がロンドンで二〇〇七年六月、自分の戯曲『トランス』をイギリス人俳優を演出して上演した時のことです。一ヵ月ほど稽古したのですが、俳優のスティーブはなんと稽古着として、ニッカボッカを持ってきました。驚いた僕は、どこでそれを手に入れて、どうしてそれを穿いているのか、訊きました。

スティーブは、一度、観光旅行で日本に行ったことがあり、その時にニッカボッカを目撃した、とても興味があったので、イギリスで日本のネット通販で探して買った、と答えました。じつに動きやすくて、かっこよくて気に入っていると自慢げな表情でした。

かくして僕は、ロンドンでニッカボッカを穿いているイギリス人俳優を演出するという、じつに不思議な体験をしました。日本人からすると、ガテン系のお兄さんを演出しているという感覚です。が、スティーブはクールなトレーニングウェアを着て、真面目に演劇の練習をしている、という様子でした。

ちなみに、「地下足袋」も海外では人気になっています。日本では、クールな地下足袋を専門に売る店もできました。外国人観光客が口コミで集まり、お土産として人気になっています。じつにカラフルな地下足袋で、もう地下足袋という言葉には納まらなくなっています。形は地下足袋ですが、花鳥風月のカラフルな絵柄がさまざまに描かれているのです。

和風のスニーカーだと思って、外国人は買っているのだと思います。日本人も、すぐにはそれが地下足袋の形をしているとは気づかないかもしれません。それぐらい、ファッショナブルなのです。

地下足袋は、耐久性があり滑らないようにゴム底を付けた足袋として発案されました。三井三池炭鉱の炭鉱夫に支持されて、全国に広がったのです。発案した人は石橋徳次郎さんと弟の石橋正二郎さん、タイヤのブリヂストンを創った人です。ゴムつながりですね。

番組では、イタリア人女性にニッカボッカを穿いてもらって、イタリアの街を歩いてもらいました。「デザインがアラビア風だね」と言われて、やはり好評でした。日本人は、どうも先入観があるので、なかなか理解できませんが、デザインとして純粋にクールなのでしょう。

一九位は「神前挙式」です。

これは日本の伝統文化を感じるのでしょう。花嫁さんの高島田の髪形も白無垢の和装も、花婿さんの紋付き袴姿も、外国人には珍しいものです。

僕は一度、明治神宮の境内で偶然、境内を進む新郎新婦を見ました。神前挙式の会場へと向かう途中だったのでしょう。二人の前を、真っ赤な和傘を高く差し上げた男性が歩いていました。その後ろを真っ白な花嫁と漆黒の花婿がゆっくりと続きました。そして、その後ろに両親が。まるで一枚の絵のようでした。

外国人観光客がさかんに写真を撮っていました。僕は演劇の演出家として、新郎新婦の前に、大きくて真っ赤な傘を掲げる演出に唸りました。そこに、ひとつの傘を置くだけで、新郎新婦のいる空間は劇的に変わるのです。真っ赤な傘ひとつが、結婚という儀式性を高め、注目を集め、結界を作り、新郎新婦を守っていると感じました。なおかつ、この結界はゆっくりと移動するのです。

色のバランスといい、形といい、見る人誰もに「人生に一度きりのことを心に刻みつける」という満点の風景でした。最高の演出です。

マンガはコーチングのいらない日本文化
二〇位は「マンガ喫茶」です。

日本のマンガやアニメが本当に世界で力を持つようになったんだなあと実感するのは、番組『cool japan』に出演する外国人の中に、アニメオタク、マンガオタクがいるようになったことです。彼ら彼女らは、仕事でもなく留学でもなく、ただ、アニメやマンガの本家である日本に来たいという情熱だけで、日本に来るのです。

彼らの多くは、日本語をアニメやマンガで学びます。学校生活も桜もこたつも、あらゆる日本の情報もマンガやアニメを通じて知るのです。

オーストラリア人女性は、オーストラリアで売っている英語版の『フルメタルアルケミスト(鋼の錬金術師)』は三〇ドルもしたから、日本から日本語版を取り寄せて読んだと言いました。そして、なんとかして読みこなしたかったから、日本語の勉強を始めたんだと。イギリス人男性は、大友克洋氏のマンガ『AKIRA』を読んで日本に来たいと思ったと真顔で語りました。

海外では、マンガは基本的に子供が読むもので、大人が読むものではないと思われています。なので、日本のマンガを隠れて読む人が多いのです。

海外のマンガファンたちには、東京都中野区にある「中野ブロードウェイ」は秋葉原と同じぐらい有名です。イタリア人女性は、「日本に来る前から当然知ってた。世界のマンガ好きには有名な場所」と語りました。

そんなマンガを好きなだけ読めるマンガ喫茶は、マンガ好き外国人からするとユートピア、天国なのです。

ちなみに、「あ、この外国人はマンガやアニメが好きで日本に来たんだなあ」と僕は、彼ら彼女らが番組に初登場する時に、雰囲気ですぐに分かります。なんというか、アニメオタク、マンガオタクの匂いがするのです。これはべつに悪口ではなく、格闘家が格闘家の匂いがするように、俳優が俳優の匂いがするように、料理人が料理人の匂いがするように、マンガ好き・アニメ好きは、世界共通の匂いがするのです。よく言えば、「優しくて、穏やか、好奇心のアンテナが張られている」匂いです。悪く言えば、「少し人間関係が苦手そうで、ナイーブ、こだわりが強そう」な匂いです。

二〇〇六年七月、番組ではフランスで行われる「ジャパンエキスポ」を取材しました。この時は第七回の開催で、参加者は三日間で約六万人でした。

始まりは一九九九年、日本に興味を持った数人のフランス人が始めたイベントで、参加者は三〇〇〇人だったそうです。それが、二〇一四年七月の第一五回には、四日間で二四万人になりました。ニュースにもなったので、知っている人もいるでしょう。

最近は、「ジャパンエキスポ」という名前ですが、韓国が参加して、多くのフランス人が韓国ブースに集まっていると報道されました。「集まったフランス人は、日本のマンガと韓国のマンガの違いを分かってない人も多い」なんて言い方で日本側は危機感を募らせました。

韓国は、韓国政府所管のコンテンツ振興院というところが旗を振っています。

今は日本政府、外務省も積極的に関わろうとしていますが、始まりが数人のフランス人だというのが、現在に続くクール・ジャパンを象徴していると思います。

番組が取材した第七回の時には、会場に外務省の役人の方がいました。ただ、「日本政府として、どう関わるか」ということに、まだためらいと方針のブレがありました。民間が始めて交流したものに、国が入っていいのかという、良い意味でも悪い意味でも慎重な遠慮があったのです。

けれど、韓国はいきなりブースを作って始めます。国の機関が先頭で旗を振ります。それが、「韓流」と「クール・ジャパン」の違いでした。

話は戻って、第七回、二〇〇六年の時点でのジャパンエキスポは、すでに充分衝撃的でした。

なにせ、数百人のフランス人がアニメ『鋼の錬金術師』のエンディング画面に合わせて、エンディングソングを日本語で大合唱しているのです(歌いやすいようにアニメ画面には、ローマ字で日本語の歌詞が表示されていました)。

一時間以上、アニメのオープニングとエンディングが次々と映されて、フランス人たちは熱狂的に歌い続けました。

コスプレも、フランス人がやりますから、キューティーハニーもプリキュアもセーラームーンも、なんというか、本物というか画面から飛び出てきたの? という人が多くいました。

「ゴスロリ(ゴシック&ロリータ)ファッション」とか「女子高生ファッション」で歩いている人たちも当然いました。この当時、フランスでは売ってなくて、インターネットで日本のサイトから買ったとフランス人は答えていました。

ちなみに、この時の人気マンガベスト3は一位『NARUTO』二位『ヒカルの碁』三位『鋼の錬金術師』でした。

「日本のマンガが大好きになった」結果、「マンガに登場する日本が大好きになった」人たちが何万人も集まっているわけです。

「囲碁スペース」も用意されていて、神妙な顔で碁を打っている人たちも、何十人といました。もちろん、『ヒカルの碁』の影響です。

このジャパンエキスポの一週間ほど前にフランスを代表する新聞『ル・モンド』が「マンガの流行は、一時的でも表層的でもなく、文化の深い部分とつながり、世界の文化を変えていくだろう。それは、パンク音楽がしたことと同じだ」という評論を出したそうです。

「どうして、そんなにマンガにはまったの?」という素朴な質問をフランス人にしていたら、一人「コーチングのいらない唯一の日本文化だから。マンガだったら、日本で師匠に学ばなくても、フランスで、自分一人で勝手に始められるから」と答えた若い女性がいました。なるほどと、目からウロコがアン・ドゥー・トロワと落ちました。

お茶もお花も空手も歌舞伎も柔道も日本文化の代表的なものは、全部、コーチングが必要不可欠で、師匠だの先輩だの先生につかないと学べません。

が、マンガは独学で始められるのです。

思わず、イギリスの演劇学校に留学した時の二年先輩の女優のことを思い出しました。彼女は、能に憧れて、日本に来て、能の師匠に弟子入りしました。学校の先輩だったので、僕も一応、ケアしようと気にしていました。師匠の名前が聞いたことがない人だったので、少し心配だったのです。

ある日、「今日、なにしたの?」と訊くと、「スタンディング・メディテーション」と答えました。それはなに? とさらに訊けば、今日は能の師匠に、公園で立ったまま、瞑想するように言われたというのです。

「どれぐらいやったの?」と訊くと、「三時間」と彼女はあっさりと答えました。

師匠はそう告げた後、いなくなったというので、彼女は一人で公園で目を閉じたまま三時間立っていたのです。イギリス人からすると、「これが日本の神秘、能の秘密」なんて思うのかもしれませんが、僕からすると「うーん、その人はやることが浮かばなかったのか、体調が悪かったのか、それともただの手抜きか」と思ってしまいます。でも、師匠に反論できないのが「弟子入りシステム」「徒弟制度」ですからね。

マンガは日本文化の代表なのに、そういうシステムから自由だと、フランス人女性は目を輝かせて言いました。

また、ゴスロリファッションの女性に「どうして、そんな格好をしているの?」と訊くと「日本に行って、原宿でゴスロリの女性をたくさん見た。日本はなんて自由な国なんだと思った。自分の着たいものを着て、街を歩いている。フランスにはそんな自由はない」と答えました。

思わず絶句して、「だって、フランスはファッションの国でしょう?」と言うと、「三〇代、四〇代以上のシックなファッションはたくさんある。だけど、私が着たいものはない!」と反論しました。

ファッションにこだわりがある国だからこそ、若い人たちの手軽で自由なおしゃれに対しては、意識的にも無意識的にも厳しい、ということでしょう。若い人たちは、それを大人たちからのプレッシャーと感じているのです。

これが、後々、フランスで「東京コレクション」を、若い女性が熱狂的に支持するようになった理由なのです。  

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