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旧統一教会・「国葬」 岸田内閣支持 最低更新/曽我英弘・nhk
2022年09月13日 (火)
曽我 英弘 解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/473279.html
8月内閣改造・党役員人事を行った岸田首相だが、最新の内閣支持率は発足後初めて支持と不支持が並び最低を更新した。その背景と今後の行方を読み解く。
【内閣支持率】
岸田内閣を「支持する」と答えた人は8月より6ポイント下がって40%、「支持しない」は12ポイント上がって同じく40%だった。なかでも目を引くのが、「支持しない」理由として「政策に期待が持てない」や「実行力がない」が依然上位を占める一方で、これまで比較的強みとされてきた首相の「人柄」が「信頼できない」が7ポイント上がり、11%に達したことだ。
参議院選挙後、支持率が下落傾向にある現状に区切りをつけるため、岸田首相は1か月前内閣改造と党役員人事に踏み切ったが、これを「評価する」と答えた人は「大いに」「ある程度」あわせて34%にとどまり、「評価しない」は「あまり」「まったく」あわせて56%に上り政権の思惑通りにはいかない結果となった。
【旧統一教会問題 自民党の対応】
今回の世論調査は安倍元首相の「国葬」をめぐる国会質疑、そして旧統一教会との関係について自民党の点検結果が公表された直後のタイミングで行われた。後ほど説明するが今回、政府の新型コロナ対応には比較的高い評価を得たことと考えあわせると、一連の政権の対応が支持率の回復には必ずしもつながらなかったと言える。
自民党の点検結果では、教団などと接点があったのが党所属の国会議員の半数近くの179人に上る一方で、氏名の公表は121人にとどめた。祝電の送付や秘書の会合出席などについては「議員の知らない場合もある」ためと自民党は説明している。こうした自民党の対応を「十分だ」と思う人は22%、「不十分だ」と思う人は65%で、自民支持層でも「不十分」と思う人がおよそ6割弱、「無党派層」では7割余りに上り、政権には厳しいだ。
自民党は今後教団と一切関係を持たないことを徹底する方針で、岸田首相は「チェック体制を強化し、被害者救済にも努める」としている。
これに対し野党側は「自主点検の申告にすぎず信憑性に欠ける」と批判し、安倍氏が対象から外れていることについて岸田首相が「本人が亡くなった今、確認するには限界がある」としていることに反発を強めていて、今回の公表で思惑通りに幕引きとなるかどうかは不透明だ。
【安倍元首相「国葬」】
そしてもうひとつ、「国葬」の実施に否定的な意見が増え続けている点も内閣支持に大きく影響した。
安倍元首相の「国葬」を行うとした政府の決定を評価するかどうか聞いたところ、「評価する」は32%、「評価しない」は57%で、「評価しない」は8月よりさらに7ポイント増え、2か月連続で上昇している。これについて与党を支持する人たちの間でも意見が分かれ、自民支持層で「評価する」人は5割を超える一方で、公明支持層は4割弱にとどまり、「無党派層」では2割にも満たない結果だった。さらに政府の説明が「不十分だ」と思う人は72%に上った。
最も重要な論点のひとつは、「国葬」を直接定めた法律や基準がない中で、時の内閣の判断で「国葬」を行うことの是非をめぐって大きく意見が分かれている点だ。今回岸田首相は、「国葬」は内閣府が所掌する「国の儀式」であり、行政権の範囲だと説明しているのに対し、野党側は「法的根拠も基準もあいまいで、内閣だけで決めることは許されない」と批判している。また国会の関与や事前の相談なしに進めた決定のあり方や、国費つまり税金を全額投入することの妥当性、また弔意の強要かどうかをめぐっても批判や疑問も出ている。
「国葬」の実施は9月27日、2週間後に迫るが、安倍氏の政治的評価が分かれ旧統一教会との関係の波紋の大きさも考えると、世論が大きく変わる可能性はあまり高くないのではないかとみられる。それだけに「国葬」を終えた後も、費用総額が最終的にいくらになるのか、また決定過程の検証も含め議論が続きそうだ。
【新型コロナ 感染者の療養期間短縮】
新型コロナウイルスをめぐっては、感染者数が減少傾向にある中で、政府の方針に大きな動きがあった。それは感染者の自宅などでの療養期間を短縮したこと。また医療機関の負担となっていた感染者の報告も運用を見直すことにしたことだ。
このうち自宅などでの療養期間を短縮し、症状がある人はこれまでの原則10日間から7日間に、無症状の人は検査で陰性が確認されることを条件に7日間から5日間にしたことについて「評価する」は69%、「評価しない」は19%だった。
【感染者の全数把握見直し】
またすべての感染者の詳しい情報を把握することをやめ、重症化リスクが高い人に限定したことに「賛成」は51%、「反対」は30%だった。岸田首相は「ウイズコロナの新たな段階への移行を進め、社会経済活動との両立を強化していく」としているが、政府のコロナ対応を「評価する」と答えた人は「大いに」「ある程度」あわせて58%、「評価しない」は「あまり」「まったく」あわせて37%だった。
ただ油断は禁物だ。療養期間を短縮し、行動制限を緩和することは感染拡大のリスクも伴うだけに、感染者は特に療養解除後も手洗いなど日々の対策を徹底する必要があるし、重症化リスクの高い高齢者などへの接触は細心の注意が必要だ。また全数把握を見直しは9月26日から全国一律で行われるが、今後は医療機関の報告対象から外れる軽症者の相談対応やフォローアップをよりきめ細かく行い、いざという時に速やかに診察可能な医療体制が不可欠だ。
【政治の行方】
今後の政治、どう展開していくのだろうか。
内閣支持率が低下する一方で自民党の支持率自体は36.2%と参院選後も比較的堅調だ。この傾向が今後も続くのか、それとも旧統一教会との関係や「国葬」をめぐる世論の批判や疑問がさらに高まり自民党の支持にも影響が出てくるかどうか。秋以降に予算案や重要政策の決定を控え、官邸と党との力関係を図る上でも注目だ。
一方で野党側は立憲民主党が4.8%、日本維新の会が5.1%と新しい執行部に切り替えた効果は必ずしも見られなかった。政権への対決姿勢を強める立憲民主党と、是々非々の立場を堅持する日本維新の会が今後、支持の獲得に向けてどのような戦略をとり、野党内でどちらが主導権を握っていくかも政治の行方に影響を与えるものとみられる。
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