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男女別定員がなければ女子691人、男子95人が合格していたはず…都立高入試、来年から不公平是正へ /東京新聞
2021年9月24日 21時13分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/132852
東京都立高校の男女別定員廃止の方針が示された都教育委員会定例会
東京都立高校の男女別定員制について、都教育委員会は24日の定例会で、来春の入試以降、段階的に廃止していく方針を明らかにした。今春の入試を男女別定員制なしで実施した場合、女子691人、男子95人が合格するはずだったとする試算も公表した。男女別定員制を巡っては、同じ高校の入試なのに女子の方が合格最低点が高い傾向にあり、不公平だと指摘されていた。(奥野斐)
◆全国で東京都だけ
都道府県立の全日制普通科の高校で、男女別定員があるのは東京都だけ。1950年度入試から続く制度だが、男女の合格最低点に差があることから、一部の高校で98年度入試以降、定員の9割を男女別で合否判定し、1割を得点順に合格させる緩和策を導入した。本年度は110校のうち42校で実施した。
来春はこの緩和策を、全日制普通科の全校に拡大。その影響を踏まえて第2段階として男女合同の合否判定の割合を2割に広げ、第3段階では男女別定員を廃止する。第2段階以降の時期は未定という。藤田裕司教育長は「受験生や中学校の進路指導への影響を考慮し、段階的・計画的に進める」と話した。また、性的少数者への配慮から願書の性別欄への記入は任意とし、調査書などで確認する。
都教委の試算によれば、本年度入試では計56校で女子の合格最低点が男子を上回った。男女別定員がなければ、女子の合格者数が最多で32人増えた高校もあったという。一方、男子の合格最低点が上回ったのは18校だった。
男女別定員制の廃止を求めて署名活動をした都立高の男性教諭(38)は「廃止の方向性と、廃止を前提にした場合のデータが示されたことは評価できる」と一定の理解を示しつつ「都教委には各校の合格最低点を公表し、不当な制度によって不合格になる生徒がいなくなるよう、一刻も早く改善してほしい」と話した。
都立高の全日制普通科の入試は多くの場合、内申点(300点満点)と筆記試験(700点満点)の合計で決まる。本紙が情報公開請求したところ、2015年度入試では、女子の合格最低点が男子を243点上回るケースもあった。
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