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ラオス、新指導部が発足 にじむベトナムへの配慮 親中派は退任
【ビエンチャン=京塚環】ラオス人民革命党による一党独裁が続くラオスで5年に1度の党大会が22日閉幕し、新指導部が発足した。最高指導者の党書記長にはベトナムとの親交が深いブンニャン国家副主席(78)が選出された。旧党指導部きっての親中派は退任となった。過度な中国依存に歯止めをかける思惑と、建国以来関係の深いベトナムへの配慮が透ける。
首都ビエンチャンで同日開いた閉幕式。ブンニャン氏とチュンマリ前党書記長兼国家主席(79)は笑顔で握手を交わし、交代を印象づけた。
ブンニャン氏は1975年のラオス建国を担った人民革命党の源流となった革命運動に52年から加わった。ベトナムで軍事訓練を受けたほか、建国後はベトナムに留学して社会主義思想を学ぶなど、ベトナムとの関わりが特に深い人物だ。
就任から10年が経過したチュンマリ氏は、同世代のブンニャン氏を後継に選んだ。
新体制で特徴的なのは、高齢のブンニャン氏を残すとともに、親中派として知られる序列8位のソムサワット副首相(70)が指導部から外れ退任となった点だ。
中国語を操るソムサワット氏は、1993年に外務大臣として入閣し、中国企業の投資をラオスに呼び込んだ立役者だ。直近では中国の援助により同国初の衛星打ち上げや総額約60億ドル(約7千億円)の長距離鉄道着工など大型案件を次々実行していた。
その結果、中国企業による投資は急拡大。日本貿易振興機構ビエンチャン事務所によれば2014年の外資による対ラオス投資のなかで中国の比率は3割弱とベトナムを抜き、首位に立った。
一方でラオスは歴史的にベトナムとの関係が深い。75年に米国の支援下にあった王政を廃止した現体制の建国を軍事面で支援したのはベトナムだった。
ベトナムは南シナ海問題をめぐって中国と対立する。ラオスは今年、東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国を務める。域内のバランスを取る上でもベトナムとの関係悪化を避けたかった意図が透ける。
今回の党大会で新指導部は20年までに年率7.5%の経済成長や、20年までの最貧国卒業、30年までに上位中所得国への仲間入りといった経済目標を掲げた。ブンニャン新書記長は「目標達成には人材が不可欠」と述べた。今回の人事で世代交代が進まなかったことは、ラオスの人材不足の裏返しでもある。
[日経新聞1月23日朝刊P.9]
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