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(回答先: ミャンマー与党、党首解任 野党接近で大統領と対立、総選挙控え波乱の芽 投稿者 あっしら 日時 2015 年 8 月 14 日 18:21:34)
[Q&A]ミャンマー与党、選挙前なぜ内紛 党首のスー・チー氏接近に反発 自宅軟禁続けば国際批判強まる
ミャンマーの与党で、軍事政権の流れをくむ連邦団結発展党(USDP)は13日、シュエ・マン党首を解任した。11月に総選挙を控えるなか、USDPの内紛はなぜ起こったのか。総選挙や民主化への影響などをまとめた。
Q USDPの党内対立の背景は。
A 旧軍事政権の流れをくむUSDPは大半が元高級軍人だが、必ずしも一枚岩ではない。国軍との関係を重視し漸進的な政治改革を目指すテイン・セイン大統領と、野党勢力とも幅広く連携しようとするシュエ・マン党首との間で路線対立があったようだ。
シュエ・マン党首はアウン・サン・スー・チー氏率いる最大野党、国民民主連盟(NLD)に接近。総選挙後、NLDとの連立政権を樹立し自身が大統領を目指す姿勢も見せていた。USDPや国軍内部にはシュエ・マン氏に対する不満も強く、党内の声に押されたテイン・セイン氏が、シュエ・マン氏の排除を決断したとみられる。
Q 解任は民主化に逆行するのではないか。
A USDPは解任の理由を「下院議長などの重責を軽減するため」としているが、現地報道によればシュエ・マン氏は自宅で治安当局の監視下に置かれている。有力政治家が健康問題などを理由に解任され、自宅軟禁状態に置かれることがあった軍政時代と実態は変わらないとの批判はもっともだ。軟禁状態が続けば、国際社会からの批判が強まる可能性がある。
Q 今回の内紛は総選挙にどう影響するのか。
A 正確な予想は難しいが、USDPのなかでテイン・セイン大統領派がどれだけ求心力を維持できるかが焦点になる。一方でUSDPの選挙準備が遅れるのは確かで、NLDなどの野党に有利に働く可能性もある。
Q これまでの民主化の流れは。
A ミャンマーでは軍事政権時代の1990年と2010年にも総選挙が実施された。90年選挙はスー・チー氏率いるNLDが圧勝したが、当時の軍政は選挙結果を無視し政権移譲を拒否した。
10年の選挙は、NLDが憲法の非民主性を理由にボイコットした。この結果、USDPの政権が誕生したが、民主的な選挙の結果とは言いがたかった。その後、NLDは12年春の補欠選挙に参加し、改選議席の9割を押さえた。現在はスー・チー氏の議席を含め上下両院に42議席を持つ。
次回の選挙はNLDを含む、主要政党がすべて参加する初の総選挙になる。ミャンマーの民主化の進捗を評価する重要な試金石となる。
Q 次回の総選挙がうまくいけばミャンマーの民主化は完了するのか。
A 必ずしもそうとはいえない。ミャンマーの現行憲法は、国会議席の4分の1を国軍総司令官が指名する軍人議員に割り当てており、総司令官に非常時に国民を動員する権利を与えるなど、国軍の広範な政治関与を認めている。選挙後もこの構図は変わらない。
このためアウン・サン・スー・チー氏率いるNLDは、選挙勝利後の憲法改正を目指している。テイン・セイン大統領も国軍の政治関与を段階的に引き下げる必要性は認めており、今後の民主化の課題となりそうだ。
(ヤンゴン=松井基一)
[日経新聞8月14日朝刊P.6]
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