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(回答先: 対ロ制裁、欧州企業に影:そのうえに対EU制裁:資源国家に制裁をかけても効果薄:仕掛けた富裕国の方が辛い 投稿者 あっしら 日時 2014 年 8 月 10 日 03:25:51)
「経済の勢い鈍った」 欧州中銀、金利据え置き
緩和効果見極めへ
【フランクフルト=赤川省吾】欧州中央銀行(ECB)は7日の理事会で政策金利を過去最低の年0.15%で据え置くことを決めた。6月に決めた包括的な金融緩和の効果を当面は見極める。ただウクライナを巡る欧ロの制裁合戦などで欧州景気は一段と不透明になった。上がらぬ物価、脆弱な銀行、さらに金融政策の次の一手を巡る域内での内部対立という3つの試練にECBは直面する。
「経済の勢いが鈍った」
理事会後の記者会見でドラギ総裁は欧州景気に停滞感が強まっているとの認識を表明。「下振れリスクがある」とも発言した。
ロシアとの関係悪化で逆風が吹く。「地政学リスクが世界的に高まっている」とドラギ総裁は7月の会見よりも強い表現ぶりでウクライナ情勢への懸念を示した。ドイツで鉱工業受注が伸び悩み、ユーロ圏全体で4〜6月期の成長率が減速したとの見方が広がる。
独Ifo経済研究所は2014年のロシア経済が当初予定よりも4ポイント下方修正された場合、独仏伊の成長率が最大で年0.2〜0.3ポイント沈むと試算する。欧米のロシア制裁はプーチン政権にとって痛手だが、病み上がりの欧州経済にとって無視できない重荷となる。
ドラギ総裁はなお「景気はゆるやかな回復過程にある」と判断しているが勢いが弱まり、物価が思うように上がらない。
7月の消費者物価は前年同月に比べ0.4%の上昇にとどまり、伸び率が前月より0.1ポイント縮んだ。低インフレの長期化は避けられず、6月時点で年0.7%と見込んでいた14年の物価上昇率を9月の理事会で下方修正するかが焦点となる。
「6月の緩和策は成功している」
景気が思わしくない原因は銀行の融資機能の低下にもあるとECBは見る。それゆえドラギ総裁は銀行の貸し出し促進に力点を置いた緩和策を6月に打ち出した。
望みをつなぐのが融資拡大を公約した銀行に対する大量資金供給。銀行の資金調達を9月から最長4年間にわたってECBが支えるもので、「4500億〜8500億ユーロの需要を見込んでいる」(ドラギ総裁)という。
南欧で銀行が貸し出し増に転じれば、景気も物価も上がるとECBはそろばんをはじく。思惑通りにいく保証はない。ポルトガルで大手行の経営が悪くなり、政府が支援に乗り出すなど不安はくすぶり続ける。
「米国とは異なる路線を歩む」
利上げに動く米連邦準備理事会(FRB)に対し、ECBは引き続き追加緩和を視野に入れるとドラギ総裁は宣言した。
物価も景気も想定より大幅に下振れた場合はどうするのか。まず来年初めにも資産担保証券(ABS)の購入、それでも悪化に歯止めがかからなければ大量の国債を買い取る強力な「量的緩和」が現実味を帯びる。
独仏を含むユーロ圏に参加する、すべての国の国債のほか、欧州連合(EU)の関連機関が発行するユーロ建て債券をECBが大量に買い取り、マネーを実体経済に流し込む。だが、これは残された最後の手段。緩和マネーが景気が底堅いドイツなど欧州北部の不動産や株式市場を過熱させるリスクと隣り合わせの政策ともいえる。
「(万が一の場合は発動することで理事会は)一致している」とドラギECB総裁は語ったが、実際にはバブルを警戒する欧州北部の反対を押し切り、危ない橋を渡る必要がある。
[日経新聞8月8日朝刊P.6]
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