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ZDCII8JrJYさんへの回答と補足説明
http://www.asyura2.com/14/senkyo166/msg/752.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 6 月 14 日 03:57:07: Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 60年以上前から行使している集団的自衛権:議論されているテーマは“集団的自衛権”ではなく「他衛権」や「米軍下請けの範囲」 投稿者 あっしら 日時 2014 年 6 月 13 日 19:08:47)


ZDCII8JrJYさん、コメントありがとうございます。
少し長い文章なので、レスポンスの形式で投稿させていただきました。

質問1)
「これは一般的に国連に加盟した国ならどの国にも認められることを記述しているだけでは?」

回答1)
日本がUN(国連)に加盟したのは1956年ですから、旧日米安全保障条約を締結した1951年の時点ではUNに未加盟です。
そのため、日本が旧日米安全保障条約を締結できる権原として、国連憲章よりも先にサンフランシスコ講和(平和)条約を示しています。

集団的自衛権は国際法的にどこの国も認められている権利とされていますが、問題は個々の国の法体系で、日本の場合、前文の冒頭にも書かれている「日本国は、武装を解除されている」とされる日本国憲法が存在することです。

個別的自衛権の行使さえ禁止されている日本の法的現状との整合性をつけるため、平和条約や国連憲章の規定を援用したと思われます。

いずれにしろ、日本が集団的自衛権を行使しているかどうかという問題ですから、「“これらの権利の行使として”、日本国は、その防衛のための暫定措置として、日本国に対する武力攻撃を阻止するため日本国内及びその附近にアメリカ合衆国がその軍隊を維持することを希望する」という文言を根拠に、日本は旧日米安全保障条約の締結によってすでに集団的自衛権を行使しているということができます。

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質問2)
「第四条を読めば敗戦により旧日本軍が解体され固有の自衛権がなかった日本が自衛隊の発足で個別的自衛権の行使が可能になったので新安保条約に移行したものと考えられます」

回答2)
質問ではありませんが、確認のため設定させていただいた項目です。

60年に締結された新日米安全保障条約は、自衛隊の存在や日本の個別的自衛権を意識して改定されたものとは言えます。

問題は、日本の法律や条約を規制する日本国憲法が、旧日米安全保障条約を締結した時点と新日米安保条約を締結した時点とで変わっていないことです。

新安保は、日本と米国の現実的利益(日本は自衛隊や個別的自衛権の行使を“米国に承認”、米国は日本の米軍基地防衛に自衛隊が協力)を実現するために、法論理をないがしろにして改定したものということができます。

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質問3)
「新安保の5条を見れば有事の際には日本→個別的、米国→集団的、自衛権をミックスして共同で防衛に当たるつもりであろうことは理解できる」

回答3)
これも、質問ではありませんが、確認のため設定させていただいた項目です。

現行の日米安全保障条約の第5条前半は、「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する」となっています。

日本自身がいずれかの国から先制的攻撃を受けたときにも適用される内容ですが、日本の領土に米国の軍事基地があるという異様で特殊な状況を前提とした規定と言うことができます。

日本がいずれかの国から先制的攻撃を受けたというケースでは、日本が先行して攻撃阻止に動く(外交も含む)としても、米国も日本に協力して攻撃の阻止に動く(日本にとって集団的自衛権の行使)と解釈することができます。

だからといって、米国が軍事力を行使すると決まっているわけではありません。日本を攻撃してきた国と交渉して攻撃を阻止しようとする可能性もあります。
とにかく、「共通の危険に対処するように行動することを宣言する」となっていますから、米国は攻撃の阻止に向けて何らかのアクションを起こすはずです。

ただし、日本がどこかの国に先制攻撃を仕掛けたとき(米国がそれを許すことはないが)は、在日米軍基地が危険にさらされる事態にならない限り、米国は何も行動しない可能性があります。

問題は、日本領土に存在する米軍基地が攻撃されたケースです。
たとえば、米国が日本と直接の関係がないまま日本周辺のある国(A)に攻撃を仕掛けた(アフガニスタン侵攻のように米国なりの理屈で自衛権の発動と宣言されるはず)ことで、A国が日本にある米軍基地に反撃を行ってきたとします。

米国にとっては場所が日本国内でも自国の軍事基地が攻撃されたわけですから、自衛権発動の延長線上として応戦するでしょう。新安保の第5条は、このようなとき、日本が米軍に協力して攻撃を阻止する行動を起こすことを期待しています。

ただし、第5条の規定は、「自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動」というものですから、日本自身が侵略を受けたケースも含めて、日本が自衛隊などの軍事的組織を動員して戦闘を行う義務があるわけではありません。
物資の提供や輸送さらには外交交渉など、憲法を含む法的制約のなかで日本ができることを行えばいいのです。

日本政府は、新日米安保条約の第5条について、在日米軍基地に対する攻撃も含めて、日本の攻撃阻止活動は個別的自衛権の行使にあたると解釈しています。

しかし、「いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動する」という第5条の規定は、集団的自衛権の行使と言う他ありません。

日米安全保障条約は、日米がお互いに集団的自衛権の権利を認め合っているというものではなく、集団的自衛権行使として締結されたものです。
防衛的軍事条約を締結すること自体が、集団的自衛権の行使なのです。

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質問4)
「51年から集団的自衛権の行使が可能だったのは日本ではなく米国だけだったのではないでしょうか?」


回答4)
 まず、集団的自衛権はそれぞれの国にとっての概念ですから、日本にとっては、日本の自衛を米国に委ねるということが集団的自衛権の行使です。
一方、米国にとっては、NATOと違って日本が米国を防衛する義務を負っていないので、集団的自衛権の行使というより、日本の集団的自衛権に寄与する(条約締結国の防衛)といったほうが的確かもしれません。これが、日米安全保障条約が“片務条約”と言われるゆえんです。

「日本国は、武装を解除されている」というのが旧日米安全保障条約の前提ですから、米国だけが行使できたのは、集団的自衛権ではなく、軍事力(交戦権)です。

日本が在日米軍基地への攻撃を含めて阻止する活動を行うことが期待されるようになった新日米安保条約をもって、日本にある米軍基地を防衛するという意味で米国にとっても集団的自衛権の行使と言えるものになったと解釈しています。

 

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