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「脱原発」意見、9割超 エネ計画のパブリックコメント
http://www.asahi.com/articles/ASG5L0FYJG5KULFA00K.html
2014年5月25日05時21分 朝日新聞
エネルギー基本計画に対する意見にみる原発への賛否
安倍内閣が4月に閣議決定したエネルギー基本計画をつくる際、国民に意見を募った「パブリックコメント」で、脱原発を求める意見が9割を超えていた可能性があることがわかった。朝日新聞が経済産業省に情報公開を求め、開示された分について原発への賛否を集計した。経産省は、そうした意見をほとんど反映しないまま、基本計画で原発を「重要なベースロード電源」と位置づけた。
経産省が昨年12月6日に示した基本計画の原案に対し、対象の1カ月間にメールやファクスなどで約1万9千件の意見が集まった。経産省は2月に代表的な意見を発表したが、原発への賛否は集計しなかった。
朝日新聞はすべての意見の公開を求め、経産省は、個人情報保護のために名前を消す作業が終わった2109件分のメール(2301ページ)を開示した。受け付け順で開示したとしており、残りの開示の可否は9月までに決めるという。
内容は、再稼働反対や原発の廃炉を求める「脱原発」が2008件で95・2%、「原発の維持・推進」は33件で1・6%、賛否の判断が難しい「その他」が68件で3・2%だった。
脱原発の理由では「原発事故が収束していない」「使用済み核燃料の処分場がない」との声が多かった。原案が民意に背いているとの批判もあった。
一方、原発の維持・推進を求める声は、運転コストの安さなどを理由にした。
民主党政権は2012年に「30年代に原発稼働ゼロ」の方針を決めた。だが、安倍政権はこれを白紙に戻し、今回の基本計画で原発を再稼働させる方針を明確にした。原発への賛否を集計しなかったことについて、茂木敏充経産相は2月の国会で「数ではなく内容に着目して整理を行った」と説明している。(編集委員・小森敦司)
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〈パブリックコメント〉 行政機関が政令などを定める際に広く一般から意見を募る仕組み。ウェブサイトなどで原案を公開し、電子メールやファクスで意見を集める。2005年に改正された行政手続法は「意見を十分に考慮しなければならない」と定めている。
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