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http://japanese.ruvr.ru/news/2014_12_04/280858396/
12月 4 , 12:19
プーチン大統領、連邦議会教書演説(内容は時間の経過に沿って発表)
クレムリンでプーチン大統領の連邦議会教書演説が開始。
12:07 ロシア憲法の定めるところによって、ロシア大統領は毎年連邦議会に対する教書演説を行い、国の状況、内政、外交政策の主たる方向性を示す。
12:09 プーチン大統領は「ロシアは同胞を守れることを証明した」と教書演説で語った。
12:13 「ロシアにとってクリミアは、エルサレムにおける『神殿の丘』と同じように、宗教儀式的かつ文明の上でも多大な意味を持つ。」
12:14 ウクライナについてプーチン大統領、「ロシアはこの兄弟民族とその主権に対し、常に敬意をもって接する。」
12:16 ウクライナについて、「武力による政権奪取とオデッサの殺人は支持することができない。」
12:18 プーチン大統領、「現在、ウクライナ南部東部で起きていることは、2月の事件を国家クーデターと解釈するロシアの見解を裏付けている。」
12:20 ウクライナ問題についてのEU協議の交渉について、「いかなる交渉もなかった。簡単に言えば、我々は遠くに追いやられただけだった。」
12:21 「ロシアはウクライナ情勢において無意識的に西側の圧力に従うことはない。」
12:22 「今は、無節操な政治屋的に振舞うのではなく、ウクライナ経済を支援せねばならない。ところが西側にはこうした支援に邁進する姿勢は今のところ見受けられない。」
12:24 「何者かのための景気の関心にあわせて国際法を調整するなどもってのほかだ。」
12:25 「欧州の一連の国にとって主権と民族の尊厳は忘れ去られた概念で贅沢品であったとしても、ロシアにはこれは絶対に必要な条件なのだ。」
12:27 「対露制裁は単なる米国の神経質な反応ではなく、クリミアの春とも関係ない。いかなる口実もロシア連邦の影響を抑止するために使われうる。」
12:29 「かつて、ロシアをユーゴスラビアの国家崩壊のシナリオに仕掛けようという試みがあった。外国からの分離主義の支援があったことは間違いない。」
12:31 「ロシアに対し、軍事的優位を獲得することは何者も出来ない。」
12:31 「ロシアは軍拡競争に引き込まれるつもりはない。だが、国防能力は保障される。」
12:32 「戦略MDを創設を続ける米国はロシアのみならず、米国自身にも脅威をもたらしている。なぜなら難攻不落の危険な幻想を生み出しているからだ。」
12:33 「ロシアは可能性を有しており、国防能力の保障のため、標準的ではないソリューションを用いることができる。」
12:40 「ロシアは欧米との関係をたたむつもりはないが、そういったなかでアフリカ、中東諸国との協力を続ける。」
「われわれの目的は、西側においても東側においても出来るだけ多くの対等なパートナーを獲得することだ。政治や経済を混同しない統一プロセスが力をつけているのは今に始まった話ではない。ロシアはこうした地域でのアピアランスを拡大していく。」
12:42 「数カ国の政府はロシアの周辺にほぼ鉄のカーテンに近いものを築こうとしている。」
12:42 「過去数十年でアジア太平洋地域がいかに邁進的な進歩を遂げているかを我々は目にしている。ロシアは太平洋地域の大国として、あらゆる方向でこの巨大なポテンシャルを利用していく。」
12:43 「我々は自分から鎖国、外国人恐怖症、疑心、敵探しの道を選ぶことはない。これはすべて弱さから生じている。だが我々は強く、自分に自信を持っているのだ。」
12:44 「ロシアは世界に、外国投資、合同プロジェクトに開かれた国になる。」
12:46 プーチン大統領は、決定や紙の上のプロジェクトを「棚上げする」癖は、今の条件下ではロシアの安全保障の脅威となると語った。
12:47 「ロシアの目前には複雑で緊張に満ちた時代が待ち受けている。だが制裁や対外からの制限は、発展を急速化させる上であまりに大きな刺激だ。」
12:48 「今年、ロシア人は『試練』を潜り抜けた。こういった試練は成熟し、団結した民族だけが、本当の意味で強い主権国家だけが引き受けられるものだ。」
12:49 「実業界と国家の関係はパートナーどうしの対等な対話の上に築かれねばならない。」
12:52 「監督、管理、治安維持を行う機関の作業において新たなアプローチの必要性を訴えたのは今回が初めてではない。だが変化は非常に緩慢にしか進んでいない。個々の違反を阻止するかわりに、道を閉ざし、法を遵守する、イニシアチブに富んだ市民に対して問題を起こし、非難を浴びせる傾向が依然として圧倒的に見られる。」
プーチン大統領はこう語った上で、実業界が「法と義務」を遵守する必要性を強調した。
12:53 プーチン大統領は、ロシアは実業活動に対する全面的なコントロールという原則は退けなければならないと語った。
12:56 ロシア連邦に返還された資本について1度きりの完全な恩赦を行う必要がある。
12:58 「司法権は資本の安全の最たる保証にならねばならない。」プーチン大統領は、ロシアは国の歴史のなかでオフショアというページを覆し、閉じなければならないと語った。
12:59 ロシアは経済成長0%のわなから脱却せねばならない。
13:01 ロシアはインフレ率を4%まで下げねばならない。
13:02 プーチン大統領はロシア中央銀行および政府に対し、協調行動をとって、ルーブルのレートへの投機行為を厳格に取り締まるよう要請した。
13:04 政権は食料品、医薬品の価格管理を行わねばならない。
13:06 「我々の国は外国の技術へのあまりにも高い依存率を引き下げねばならない。」
13:08 「健康な家庭、国民の健康、祖先から伝えられた伝統の価値を将来への志向と組み合わせていくこと、発展、進歩の条件としての安定、ロシアの安全を保障し、その国益主張が保証された上で他民族、他国へ尊敬の念を抱くこと、これが我々が最優先とすることだ。」
13:18 「ロシアの国内貯蓄額は大きい。これは効果的な投資となるはずだ。外国からの制限があろうとも、2018年までに年間投資レベルをGDPの25%に引き上げる必要がある。」
13:19 経済の自由な成長、これぞ、外国からの制限に対する回答。
「我々には大きな国内市場があり、天然資源、資本、学術的ストックがある。才能ある、優秀で勤勉であり、新たなものを迅速に習得できる人々がいる。今大事なことは、市民に自己の可能性を広げるチャンスを与えることだ。経済、社会面、市民のイニシアチブにおける発展に自由を与えること、これが外国からの制限に対する、そして我々の国内問題に対する最良の回答だ。」
国内, プーチン, 政治
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http://japanese.ruvr.ru/news/2014_12_05/280920234/
http://japanese.ruvr.ru/2014_12_05/280921593/
12月 5 , 15:04・15:35
プーチン大統領教書演説、石郷岡 建氏の見解「国内発展に視点を集中」
© Photo: RIA Novosti/Grigorij Sysoev
有名なロシア学者でヴァルダイ・クラブのメンバーでもある、元毎日新聞社モスクワ支局長石郷岡 建氏は、プーチン大統領の教書演説に対する印象を次のように語っている。
プーチンさんは非常に内向きな演説をした
私が一番強く感じたのは、プーチンさんはこのなかでイリインのことを出していることです。
わたしの印象ではプーチンさんは最近になって3つの人物を大統領教書で紹介するんですけど、ひとつがダニレフスキーで、次がイリインで、3つめがグミリョフなんですよね。順番でいうとダニレフスキーのロシア主義、イリインの国家主義、それからグミリョフのユーラシア主義なんですよ。今回の教書演説ではイリインの国家主義に焦点をあてていて、ロシア主義とユーラシア主義についてはあまり語っていません。
プーチンさんは非常に内向きな演説をして、ロシア国家の統一、もしくはロシアの国家性の強化を訴えたと私は思います。
その一方でロシアが正面している大きな問題についてはプーチンさんは故意にそれを語らなかった。何を語らなかったかというと、石油価格が下落し、非常な財政危機になろうとしていることについては一切語らなかった。2番目は軍事面について全く語っていない。3番目は外交面について全く語っていない。語ったのはすべて国内問題であって、大きなプロジェクトについても全く語らなかった。つまり大きなプロジェクトを作って、大きなお金を出して、華々しくやるという年ではない。来年は非常に苦しいということは言わなかったわけですけど、教書を読みますと、私はそれを感じました。
© Photo: RIA Novosti/Mihail Klimentiev
来年2015年は大きな変化の年になる
2012年の教書ではロシアのベクトルは東だということをはっきり言っていましたが、今回はそのことはあまり出していない。プーチンさんが言ったのは極東の発展、自由港の話だけで、自由港はクリミアには作るとはいっているけど、日本とか中国の話は一切していないし、今年非常に話題になった東の中国とのガスパイプランと西のアルタイとのパイプラインについても一切触れていない。外国との大きなプロジェクトについては話をせず、また国内の発展の必要性については語っていても、その財政が大きく変わることは一切言及していなかった。ある意味では石油価格が1バレルあたり60ドルになればそういうプロジェクトは全部吹っ飛ぶわけで、それには触れず、非常に地道でかたい話をしたという印象です。
国外逃亡資本を戻そうという話は分かるんですが、それはロシアに入っていた外国資本が逃げているからなのです。これは資本流出を補填するために言っているんですが、言っても仕方ないのですけど、本来は資本というのは自由に出入り、交流ができないといけないんですが、欧米先進国の制裁があるためにうまくいかない。華々しく国外に出て行くよりも国内を固めるという守りの姿勢を示したように感じます。
来年2015年は大きな変化の年になると思われますから、地道な姿勢を示したことは良かったと私は思います。来年大きな変化が起きるのはロシアだけではありません。ロシアの成長がマイナス0.8とでていますが、どんどん下がるとこれはロシアの周辺地域にも及びます。最大の問題はウクライナで、ウクライナ経済がおかしくなるとこれはヨーロッパに及びます。ヨーロッパがおかしくなるとこれは全世界に波及します。国際経済をダイナミックに発展させるというように夢のようなことを言っているよりも、自分の国をきちっと整備して立て直すというほうが、私は正解ではないかと思います。
Канако Мано
国内, 日本関連, プーチン, アンドレイ イワノフ, 政治
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http://japanese.ruvr.ru/2014_12_05/280920889/
http://japanese.ruvr.ru/2014_12_05/280924375/
http://japanese.ruvr.ru/2014_12_05/280925375/
12月 5 , 15:11・16:03・16:14
プーチン大統領教書演説、全世界の注目を集める
© Photo: RIA Novosti/Mihail Klimentiev
青山学院大学名誉教授で現在新潟県立大学で教鞭をとる袴田茂樹氏は、プーチン大統領の連邦議会の教書演説に対し、ご自身の見解を次のように語っている。
ロシアは騙されているという強い被害者意識をロシアはもっていますね
今、ウクライナ問題を中心にロシアと欧米諸国が厳しい緊張関係に陥っているので、プーチン大統領がこの問題に対するどのような解決策を提案するだろうかと世界中が注目していました。率直にいいますと、期待されたロシアからの提案、問題をいかに解決するかというプーチンの政策がほとんど無かったことをちょっと残念に思っています。
ウクライナに関しまして、ロシアは力の政策ではなく、国際法を守るべきだという提案をプーチン大統領はしています。米国が東欧諸国に配備したようなミサイル防衛システムのような力の政策ではなく、国際法を重視すべきだということを大統領は述べていますが、国際的には全く逆の見方がされており、ロシアによるクリミアの併合が国際に対する真っ向からの侵犯とみなされ、ロシアが厳しく批判されているわけです。
ただ私はロシアの専門家として、ロシアの見方、心理は理解しております。冷戦が終了したあと、東西対立はなくなり、東側陣営はワルシャワ条約機構を解消したのに、NATOはロシアを敵視する政策を止めないどころか、ますます拡大して、旧東欧諸国、バルト諸国、それからグルジアやウクライナにまでNATOを拡大しようとしている。あるいはミサイル防衛システムをかつての東欧諸国に配備しようとしていると。これは到底認めることのできないことである。あるいはロシアは騙されているという強い被害者意識をロシアはもっていますね。それは私は良く理解しておりますが、それでもロシアのクリミア併合は国際法上では到底許されないものではないかと思うのです。私も、多くの西側の専門家もそう考えていると思います。」
© Photo: RIA Novosti/Taras Litvinenko
他の国は警戒心を強める
ひとつ述べたいことはクリミアの併合に関し、プーチン大統領は『あそこには我々の人間が住んでいる』、つまり、ロシア人が住んでいるんだということと、さらに『ロシアは祖国を同じくする人々を守る構えだ』という言い方をしております。これはつまり、ロシア国民ではなくエスニックのロシア民族の、もともとソ連時代には旧ソ連諸国にはロシア人はたくさん住んでいたわけですから、それを理由にクリミアの併合を正当化するのだとすれば、カザフスタンとかCIS諸国にこのプーチンの言葉によって『われわれは祖国を同じくする人々を守ることができる』ことを示したことになるのです。ロシア人が住んでいるんだから、我々はクリミアを併合したんだと、歴史的にこれは正しいんだ、だから国際法的にも正しいんだというこの姿勢には、西側諸国だけでなくCIS諸国も大きな警戒心を抱くと私は思うんです。
そうしますとプーチン大統領の目指しているユーラシア経済共同体、さらにはユーラシア共同体、ないしはユーラシア連合の実現が私はかえって難しくなるのではないかと思うんです。『あそこには我々の人間が住んでいる』、だから『併合したんだ』という言うふうに響きますから。バルト諸国を含め、多くの国にロシア人が住んでいるわけですから、他の国は警戒心を強めるのではないかと、そういう風に思いました。
私はクリミア問題だけでなく、ウクライナ東部についてプーチン大統領がどのような解決策を提案するのかと関心をもっておりましたが、クリミア問題、あるいはウクライナ東部の問題について、なんらの問題解決、緊張緩和策が出されていません。プーチン大統領はこれまでウクライナの連邦制を提案してきましたが、いわゆるドネツク、ルガンスクの人民共和国指導部は単なる連邦制ではなく、独立を、あるいは将来的にはロシアへの併合を要求するかもしれません。それに対してプーチン大統領がどう対応するかに世界は注目していたわけですが、それに対しても一切プーチンは今回述べなかったので、今世界が一番関心を向けている問題に対し、プーチンは事実上何も述べなかったという印象があります。もう少し内容のある教書演説がほしかったと思っています。
© Photo: RIA Novosti/ Alexey Filippov
ロシアには独自の見解がある
袴田茂樹氏の見解はかなり典型的なものだ。日本人、そして西側の専門家らの多くはロシアと西側の関係が緊張化した原因が、正当化しようのないNATOの東方拡大にあることを認めながらも、ウクライナに対する立場を理由にロシアを批判する。だが、これについてはロシアには独自の見解があり、プーチン大統領の教書演説にもこれは部分的に示されていた。
まず、キエフの違憲的な国家転覆はカオスと戦争を引き起こしたが、これはロシアが画策したことではない。クーデターを起こしたのはウクライナ人自身であり、これには欧米の友人らが積極的に手を貸した。
第2にクリミアのロシア連邦への編入だが、これはクリミアの合法的な議会がキエフでの事件の影響を受けて採択した決定である。キエフではクーデターに反対する者らを追い回し、ロシア語禁止の要請を出し、ロシア人は木に吊るせと呼びかけ、「クリミアはウクライナ領になるか、無人地帯になるかのいずれかだ」というスローガンが横行しはじめた。
この決定は全住民を対象とし、民主主義の原則に基づいた住民投票の結果、クリミア市民の90%以上の支持を得て採択されたものだ。西側の偽政治家や買収されやすいマスコミが、住民投票はロシアが機関銃で脅して行われたのだと叫んだところで、実際は自由に実施されている。クリミアにいたロシア軍は完全に合法的に駐屯していたのであり、単に投票の安全を確保しただけのことだ。ロシア軍はウクライナ人軍人が兵舎の外に出ることを許さず、テロや大量殺人を画策するウクライナ人武装ナショナリストのクリミア半島への侵入を阻止していた。
クリミア市民がロシアへの編入の結果、何を間逃れたかは、今、ドンバスとルガンスクの悲しい例を見れば明らかである。ドンバスとルガンスクでは一般市民、住居、病院、産業施設がウクライナ軍の重砲、ミサイル、一斉攻撃、クラスター爆弾や白リン弾などの使用禁止兵器によって破壊されている。
これはなぜか西側の人権擁護家、民主主義者、国際法の擁護者の憤慨を全く呼ばない。こうした人々と日本の同じカテゴリーにいる人たちがキエフ体制の犯罪のすべてを見つめ、それに客観的な評価を与える勇気を奮い起こさない限り、ロシアと西側の関係改善のチャンスは現れない。
アンドレイ・イヴァノフ、ロシア外務省モスクワ国際関係大学国際調査研究所、上級学術研究員
Канако Мано
国内, 日本関連, プーチン, アンドレイ イワノフ, 政治
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(投稿者より)
ロシアの声サイトに掲載された記事です。若干の編集を加えています。
ロシア連邦大統領サイトに、この演説のロシア語原稿とその英語訳があります。
- ロシア連邦・連邦会議に対するV.プーチン・ロシア大統領の年次教書演説より(在日ロシア連邦大使館 無段活用 2014/12/18 16:07:26
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