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“カラー革命”: 香港の傘(アンブレラ)は “メイド・イン・アメリカ”
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2014年10月27日 マスコミに載らない海外記事
F. William Engdahl
2014年10月24日
New Eastern Outlook
ワシントン・ネオコンと、アメリカ国務省とオバマ政権内部のその仲間達は、ロシアのウラジーミル・プーチンに対してと同様、明らかに中国に対しても激怒している。近年、ロシアも中国も、両国の国益を一層強く主張する様になり、二つのユーラシア大国が、あらゆる戦略レベルでの密接な協力をするようになったので、ワシントンは、ロシアと、ロシアとEUのつながりに対して、ウクライナの混乱をしかけたのと同様に、北京に対しても、大騒ぎを引き起こすことに決めたのだ。北京とモスクワをより密接に結びつけた相次ぐ最近の協定、4000億ドルのガス・パイプライン、BRICSのインフラ開発銀行、アメリカドルを回避するルーブルと人民元による貿易、といったものが、ワシントンの反撃を引き起こした。それは、マスコミでは、香港‘アンブレラ革命’と呼ばれている。
産業グローバル化とアメリカ産業の低賃金諸国、特に中国への外注化時代の現今、アメリカが、より正確には、ワシントンDCとバージニア州ラングレーが、中国の香港向けに、製造し輸出しているある物には注目の価値がある。香港特別行政区は、カラー革命の標的となり、抗議行動参加者が、警察の催涙ガス防御用に使っているアンブレラにちなみ、マスコミでは、アンブレラ革命と名付けられている。
香港で継続中のアンブレラ革命用の“アンブレラ”はワシントン製だ。その証拠は連中がウクライナで利用したのと全く同じモデルに習った、中環占拠が始まってからわずか数時間後の、見苦しいほど拙速なホワイト・ハウスのあからさまな支持だけに見られるわけではない。アメリカ国務省と、国務省が資金提供しているNGO連中が、こうした抗議行動を長年ひそかに準備してきたのだ。ワシントンによる香港“民主主義”プロジェクトという氷山の一角を見てみよう。
毎度お馴染みの薄汚い主役連中…
もはやほとんど見飽きた一本調子で、ワシントンは、もう一つの悪名高いカラー革命を解き放った。うわべは、2017年香港選挙で発表された北京による支配に抗議するものだという香港 “中環占拠”抗議行動は、まるごと、アメリカ政府が操るNGOと、アメリカに訓練された工作員連中が動かしている。中環占拠香港抗議運動は、名目上、香港版ハリー・ポッターの様な、イギリスが不承不承、99年間の植民地占領を終え、この都市国家を中華人民共和国に返還した年に生まれた青年、17歳の学生、黄之鋒が率いている。黄の中環占拠抗議行動には、ミネソタ大卒業のヘッジ・ファンド・マネージャー、銭志健(エドワード・チン)や、エール大卒業の社会学者、陳健民、1989年のCIAによる天安門広場不安定化工作を経験したベテランのバプテスト派の牧師、朱耀明や、香港大学法学副教授、ベニー・タイ・ユーティン、つまり戴耀廷がついている。
こうした香港人達の背後で、アメリカ国務省と、そのお気に入りのNGO、アメリカ議会が資金供出する全米民主主義基金(NED)が、その下部組織、民主党国際研究所 (NDI)を通して、中環占拠工作を動かしている。民主主義を求める平和な非暴力抗議行動の美しい正面の背後を覗けば、実に非民主的な、隠されたワシントンの狙いが見えてくる。
中環占拠を率いるべく選ばれたバプテスト派牧師の朱耀明から始めよう。尊敬されている朱耀明牧師は、香港NGO、「香港人権監察(HKHRM)」の創設者で、執行委員会メンバーだ。「香港人権監察(HKHRM)」は、全米民主主義基金(NED)という名のネオコン・カラー革命NGO経由で、主にアメリカ国務省から資金援助を受けていることを、ウェブサイトで、あからさまに認めている。
彼等は自分達の狙いをこう述べている。“「香港人権監察(HKHRM)」は、香港の人権問題について、マスコミ、国連、現地および海外政府や立法機関に、口頭と書面で報告する。” 2013年の年次報告で、NEDは、朱耀明牧師の「香港人権監察」に、145,000ドル支給していると報じている。それだけあれば、この為に、船一隻分のアンブレラが買える。朱のHKHRMは、NEDから資金提供されているもう一つの組織、アジア改革民主主義同盟(ARDA)とも協力している。
今年2014年1月、中環占拠運動のトップ連中が(非民主的に)まさにこの朱牧師を、中環占拠の指導者として指名することに決めた際、朱は“私には、様々な活動家集団と多くのコネがあり、大規模な社会運動の経験もあります”からと言った。運動家集団として、NEDの名を挙げることもできたろうし、より具体的に、CIAの1989年の天安門広場も‘大規模な社会運動’ですと言えただろう。バプテスト派説教師は、彼にその役割を“務めて”欲しがっていた、市民的非服従運動の二人の主要組織者、戴耀廷と陳健民によって、中環占拠の事実上の指導者に任命されたことを認めている。
戴耀廷もアメリカ国務省と昵懇だ。香港大学法学副教授で、香港中環占拠運動の共同創始者の戴は、「港人講普選(香港民主主義センター?)」等のプロジェクトについて、NEDの下部組織、民主党国際研究所から交付金を受けている香港大学比較法・公法センターで働いている。「港人講普選」は年次報告書こう書いている。“港人講普選ウェブサイトは、香港における憲法と政治上の改革の為に、合法的で建設的なボトム・アップの手法を推進すべく、民主党国際研究所からの財政支援を得て立ち上げられた”そのウェブサイトで、NDIは、本質的に、2014年2月に、ウクライナで、ビクトリア・ヌーランドが精選したアメリカに忠実なクーデター政権が出来たのと同様に、香港でも、アメリカ精選した政権を樹立できるよう門戸を開放する様にという、長年の香港での法律プロジェクト、占拠運動の法的背景の要求を説明している。NDIはこう誇っている。
香港大学比較法・公法センター(CCPL)は、NDIの支援を得て、市民に香港選挙制度の未来について議論する場を提供するユニークで中立的なウェブ・サイト港人講普選(www.designdemocracy.hk)を立ち上げるにあたりコンサルテーションを行い、市民の声を拡声できるよう努力しています。
ワシントンによる不安定化工作カラー革命の香港の神童、17歳の学生、黄之鋒は、ワシントンのネオコン全米民主主義基金の左派部門、民主党国際研究所とNDIのNDIテク・プロジェクトの支援を得て、15歳の時に、Scholarismという名のフェイスブック・サイトを立ち上げた。もう一人の中環占拠の重要人物、余若薇は最近ジョー・バイデン副大統領と会見した。なるほど。
陳日君枢機卿と、その大罪…
大手マスコミには余り登場しないものの、中環占拠の主要組織者の一人と目されているのが、香港カトリック教会の名誉枢機卿、Joseph Zen、陳日君だ。香港モーニング・ポストによれば、陳枢機卿は、アメリカが資金提供する北京当局に対する抗議行動で重要な役割を果たしている。陳枢機卿は、たまたま中国政策に関する首席バチカン顧問でもある。史上初のイエズス会修道士の教皇であるフランシスコ・ローマ教皇は、アメリカの財政支援による再試行で、イエズス会創設者(そして偶然、教皇と同名の)フランシスコ・ザビエルの任務として、香港をアキレス腱として利用し、中華人民共和国を転覆させ、乗っ取るつもりなのだろうか?
ネオナチ内戦による何千人もの東ウクライナの犠牲者の血に染まっているジョー・バイデン副大統領、陳枢機卿、朱耀明牧師、黄之鋒、戴耀廷や、ネオコンNEDと、そのNDIや他の国務省工作員や、ここで名前を挙げるには余りに多数のNGO連中が、本格的なカラー革命、アンブレラ革命に点火したのだ。2017年香港選挙の2年前という行動の時期が、ワシントンや欧米の他の場所にいる一部の連中の気が立っていることを示唆している。
プーチンのロシアと共に成長しつつある中国のユーラシア経済領域や、上海協力機構やBRICS等の組織を通して活動することによって、ワシントンの新世界(無)秩序に対する、平和で極めて有効な対抗軸を作り出しつつある両国の主導的な役割こそが、連中による騒動の本当の標的だ。連中は実に愚昧なのだが、いかんせん、連中は根本的に知性を嫌悪する馬鹿連中なのだ。
F. William Engdahl(ウィリアム・イングドール)は、戦略的危機コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学の世界的ベストセラー本の著者。本記事は、オンライン雑誌“New Eastern Outlook”独占。
記事原文のurl:http://journal-neo.org/2014/10/24/hong-kong-s-umbrellas-are-made-in-usa/
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