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ルセフ大統領再選 ブラジル低所得者層、支持根強く
【サンパウロ=宮本英威】ブラジル大統領選の決選投票は26日投開票され、現職のジルマ・ルセフ氏(66)が再選を決めた。貧困対策の実績を強調し、低所得者層の支持を固めて僅差で競り勝った。最大野党ブラジル社会民主党のアエシオ・ネベス氏(54)は経済改革を訴えたが、わずかに及ばなかった。
選管当局の発表(開票率99%超)によると、ルセフ氏が52%弱、ネベス氏が48%強だった。有権者約1億4千万人の投票で、差はわずか350万票あまりだった。
「ブラジルの将来のために団結しよう。今までよりももっと良い大統領になる」。ルセフ氏は26日夜、首都ブラジリアで支持者を前に勝利宣言した。
ブラジル初の女性大統領であるルセフ氏は、歴史的に低い水準の失業率など1期目の社会政策の実績を強調する選挙戦を繰り広げてきた。低所得者層の多い北部や北東部からの支持を固めた。
与党・労働党は2003年にルラ氏が大統領に就任してから、4期16年政権を担うことになった。16年のリオデジャネイロ夏季五輪の開催という重責も背負う。
労働党は今後も、所得再分配を重視する施策を維持する方針だ。経済界が求める、複雑な税制や硬直的な労働制度といった「ブラジルコスト」の解消には時間がかかる可能性もある。
最大都市のサンパウロの中心部パウリスタ大通りでは同日夜、僅差の開票結果が伝わるとどよめきがおきた。地元メディアがルセフ氏の再選を伝えると、同氏の名前である「ジルマ」を連呼する声が響いた。
大統領選はルセフ氏の任期満了に伴い実施された。5日の1回目の投票には11人が立候補したが、有効投票の過半数を獲得した候補者がなく、上位2候補による決選投票となった。
ジルマ・ルセフ氏 1947年、南東部ミナスジェライス州ベロオリゾンテ市生まれ。16歳の時、軍事政権下で反体制活動に加わり、3年間服役。釈放後には南部のリオグランデドスル州政府で要職を歴任。2003年鉱業・エネルギー相、05〜10年官房長官、11年1月から現職。66歳
[日経新聞10月27日夕刊P.1]
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野党ネベス氏、経済改革訴え届かず
ブラジル大統領選で惜敗
【サンパウロ=宮本英威】26日のブラジル大統領選の決選投票で、野党ブラジル社会民主党のアエシオ・ネベス氏(54)はわずかの差で涙をのんだ。事前の世論調査では一時、現職のジルマ・ルセフ氏(66)を上回る勢いだったが、与党のネガティブキャンペーンによって失速し、最終的に及ばなかった。
「(ネベス氏に投票して)変化を期待した5千万人以上のブラジル国民に特に感謝したい」。ネベス氏は同日夜、南東部ベロオリゾンテで敗北を認めた。ネベス氏は5日の1回目の投票で、事前の世論調査での予想を大幅に上回る票を獲得して2位に滑り込んだ。3位だった野党ブラジル社会党のシルバ元環境相(56)が決選投票でネベス氏を支持すると表明。支持率は急上昇して一時はルセフ氏を上回った。
足元の経済低迷を批判し、税制の簡素化、投資促進を訴えたことで、都市部や高所得者層からは支持を得た。ただ低所得者層の間では「政権交代で手厚い社会政策が撤回される」との不安が浮上して、広がりを欠いた。
加えて、与党・労働党はテレビ広告を使って徹底的なネガティブキャンペーンを展開。ネベス氏が党首を務める社会民主党が過去に政権を担っていた時期に、物価上昇率は現状よりも高く、国際通貨基金(IMF)に支援を仰いで「国が壊れた」などと不安をあおったことが効果を発揮した。
[日経新聞10月27日夕刊P.3]
http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141027&ng=DGKKASGM27H0U_X21C14A0EAF000
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