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「板垣氏「私が一番話したいのは、欧米中心主義が終わろうとしている、ということです。」:岩上安身氏」
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/225.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 8 月 02 日 23:58:15: igsppGRN/E9PQ
 

「板垣氏「私が一番話したいのは、欧米中心主義が終わろうとしている、ということです。」:岩上安身氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/14879.html
2014/8/3 晴耕雨読


https://twitter.com/iwakamiyasumi

8月2日(土)「岩上安身による板垣雄三・東京大学名誉教授インタビュー 2日目」の模様を実況します。

昨日に引き続き、イスラエルによるガザ侵攻とウクライナ情勢を中心にお話をうかがいます。

岩上「今度、『トーラーの名において』の著者であるヤコブ・M・ラブキン教授に3度目のインタビューをします」

板垣氏「ラブキンさんの本の帯文を書いたのは私なんですね。ユダヤ人社会の中では、シオニズムは評判が悪かったのです」

板垣氏「しかし、イスラエルが建国されると時流が変わり、1948年以降、ユダヤ人の多くはイスラエルを支持するようになります。しかし現在のイスラエルは戦争国家であり、かつての大日本帝国のように、世界中がハラハラして注視しています」

岩上「今、トム・セゲフの『七番目の百万人』という本が手もとにあります。シオニストは、ホロコーストを利用したのだということが書かれています。シオニストにとって、ホロコーストの記憶を繰り返し訴えることが有効なのだと」

板垣氏「それはその通りですが、ホロコーストの経験を忘れてはいけないということも確かです。1930年代から40年代にかけてユダヤ人の被害の経験を受け止めなおすことが必要。ホロコーストを本当に批判するのなら、今のガザの状況を批判することにつながる」

岩上「昨日、ユーロマイダンでの騒擾に元イスラエル国防軍の青ヘル隊がいるとのご指摘がありました」

板垣氏「キエフでの大混乱の火付け役を彼らが担っていたのですね。これはウクライナだけでなく、リビアでもシリアでも起きていることです」

板垣氏「今日は、マレーシアとガザの関係についてお話したいと思います。出発点は、昨年1月23日、ナジーブ首相がガザを訪問したということです。一昨年の11月、パレスチナは国連で一つの国として認められるという変化がありました」

板垣氏「パレスチナのアッバース大統領は、ハマスが治めるガザをナジーブ首相が訪れたことに対して怒りました。ナジーブ首相はガザで、ファタハとハマスが対立している状態を解消し、ウンマと呼ばれるイスラムの統一的な共同体を作るべきだ、と呼びかけました」

板垣氏「このナジーブ首相の動きが地下水のように広がり、今年になって、パレスチナの政治指導者たちの協力関係というものを生み出したんですね。それで、ファタハとハマスの統一政権が作られるようになりました」

板垣氏「これは、イスラエルにとって非常に都合の悪いこと。イスラエルとしては、パレスチナを分断しておかなければなりませんでした。今回のガザ侵攻は、ファタハとハマスを再度引き裂くためのものなのです」

板垣氏「イスラエルの少年が誘拐されて殺害された、それに対してパレスチナの少年が報復される。こういう少年が犠牲になるのは、古代のキリスト教世界の儀式に見られることです。少年誘拐のモチーフは、これまでに何度も繰り返されてきました」

板垣氏「昨年3月、『スールー王国軍』を名乗るフィリピン人武装集団がマレーシアに攻撃を仕掛けます。スールーというのは、フィリピンからボルネオ島にかけての諸島のこと。かつてアラブの民が王国を作りました。今は存在しませんが」

板垣氏「何者かが『スールー王国軍』を金で雇ってナジーブ政権を攻撃させた可能性がありますね。フィリピン内部のイスラム教徒がそういうことをやるなんてことは考えにくい。じゃあ誰がやったかと言うと、まだ手がかりはありませんが…」

板垣氏「そして今年の3月、北京行きのマレーシア航空370便が行方不明になりました。ちょうどこの時期、クリミアが混乱している真っ最中でした。この時期に起きていることには注意を払うべきだと思います」

岩上「マハティール元首相は、この事故について、真相をCIAが知っているはずだとブログに書きました。それ以降、日本では報道がぱったりと無くなってしまいました」

板垣氏「マハティール元首相は、プアラルンプール国際戦争犯罪法廷の議長を務めていました」

板垣氏「マレーシアという国は、マハティールが米国やイスラエルの戦争犯罪を追及するようなことをやってきた国なんですね。さらにナジーブ首相が、ガザにも行ったと。そういう中で、マレーシア航空機が行方不明になっているわけです」

板垣氏「このマレーシア航空機の行方不明事件を機に、中国とロシアが急接近することになりました。こういったことを前提に、ウクライナ東部でのマレーシア航空機の撃墜を考えなければないません」

板垣氏「1965年にシンガポールがマレーシアから独立する際、軍事面・防衛面でイスラエルを頼ることになりました。現在のシンガポールは、イスラエルにとって東アジアにおける戦略上の拠点です。中国との関係構築を念頭に置いていました」

板垣氏「イスラエルとPLOによるオスロ合意について考えるためには、イスラエルと北朝鮮の北京における秘密交渉を考えなければいけません。北朝鮮はイランなどにミサイル技術を提供していたので、イスラエルとしては北朝鮮と話をつけなければならない」

板垣氏「米国の政界がイスラエルに過度に気をつかうようになるのは、ケネディが暗殺された後ですね。ケネディは、イスラエルの核武装に反対する立場でした。そのことと、暗殺事件とが直接つながっているかどうかは、私には分かりませんけれども…」

岩上「マレーシアはなぜ、こういう姿勢を貫けるのでしょうか」

板垣氏「政治指導者の面だけで考えるわけにはいかないと思うのですが、民衆の考え方や感じ方が、世界全体の不正義に対して敏感なんでしょうね」

板垣氏「2011年3月のイスラエルによるガザ侵攻は、東日本大震災における南三陸町でのイスラエル医療隊の人道支援と、期間がぴったり一致しています。偶然の一致なのかもしれませんが、何か意味を読み取ることも可能かもしれません」

板垣氏「2008年、イラン、グルジア、ベネズエラで起ったことを見ておきたいと思います。まず、米英独仏日が支持したコソボ独立がありました。そのような中でイスラエルのガザ攻撃(熱い冬作戦)が行われました」

板垣氏「中国は北京オリンピックに向けて挙国一致体制を取っていたので、チベット人やウイグル人に対する抑圧が強化されました。北京オリンピック開会式にあわせて、グルジアの南オセチアへの侵攻がありました」

板垣氏「問題はさらに広がり、NATOが黒海に海軍を入れることになります。なのでクリミアの問題の発端は、2008年のロシア・グルジア戦争なのです。ロシアはNATOに対抗し、ベネズエラへ。ここで黒海とカリブ海がつながるわけですね」

板垣氏「米国のコソボ問題の工作責任者だったゴールドバーグという人物が、ボリビアに大使として着任します。その途端、ボリビア国内の分裂を画策します。ボリビアはゴールドバーグを国外追放するという措置を取りました」

岩上「つまりイスラエルによるガザ侵攻は、こうした複雑な国際情勢の中のひとつの結節点であると。今、人が殺されているという痛ましい現実は、国際政治の大きな流れや政治的アピールとつながっているということですね」

岩上「サウジアラビアについて。サウジの国王が、イスラエルによるガザ侵攻に抗議するというニュースがありました」

板垣氏「現在のイスラエル内部では、軍事的には勝っていても、政治的には負けているのではないか、という声があがっています」

板垣氏「イスラエルの評判は落ちるばかりです。かつての日本と同様に、破綻の道を進んでいるように思えます。今回のガザ侵攻で最もダメージを受けているのはサウジアラビアです。サウジは、結果的にイスラエルと手を結ぶかたちでシリアに介入してきました」

板垣氏「ガザ侵攻により、イスラム世界は結束を強めています。そういう中で、エジプトに対する批判が強まっています。そのことが、サウジアラビア王政の危機を促進しています。我々は、サウジアラビアが無くなる日というのを考えなくてはならない」

板垣氏「イスラエルは米国を頼りにしていると言われますが、イスラエルの戦略家は米国を見捨てています。米国がダメになることは分かっていて、次をどうするかを考えています。シオニストは、英国、米国の順に乗り換えてきました」

岩上「米国の覇権が弱まってきた時、イスラエルは中東の資源を元に、その地域の覇権国になろうとするのでしょうか」

板垣氏「中東の中で生き続けようとする問題ではなく、もっと世界全体の問題です」

岩上「リーマン・ショックについて、おうかがいしたことがあります。軍事や国際政治の問題に、リーマンショックはどう関係するのでしょうか」

板垣氏「危機を操作して儲ける人、逆に損する人がいるわけです。全体を掴まないと株でも大損してしまいます」

板垣氏「私が一番話したいのは、欧米中心主義が終わろうとしている、ということです。西欧のキリスト教徒は、人間を見たら『ユダヤ人かユダヤ人ではないか』と二分割して考えます」

パレスチナ人に負債を負わせるような構造になっています板垣氏「ユダヤ人を迫害する運動の延長が十字軍です。西欧世界は、自らの中に抱えたオリエントを駆逐するために、東方に向かって歩き出すのですね。ですから、反ユダヤということは反イスラムということを意味します」

板垣氏「米国が言う『テロ』との戦いとは、欧米の『自己破産』プロジェクトです。欧米社会がユダヤ人を迫害してきたという罪を、戦争による自己破産によって免責されようとしているのです。欧米は、自己破産を狙っています。行きつく所まで行こうと」

板垣氏「こうした欧米の自己破産に対する異議申立てが、インティファーダであると言えます。私はこれを、新しい市民(ムワーティン)革命と呼んでいます。しかしイスラムの方々は、まだこのことに無自覚ですね」

板垣氏「新自由主義に反対し、自主独立すること。こうした動きが2011年を契機に出てきました。しかしマスコミは、それを『アラブの春』などと欧米側からの見方を当てはめて、矮小化してしまった。シリアやウクライナでは、反革命が進行しています」

板垣氏「欧米中心主義的な世界観からのパラダイム変化が求められています。それは、あらゆる事象を関係性のネットワークにおいて捉えること。イスラム教のタウヒードに求めることができます。それこそがスーパーモダンです」

以上で実況を終了します。

時間にわたりご視聴いただきましてありがとうございました。

動画アーカイブは準備が整い次第、IWJのトップページ(http://iwj.co.jp/ )にアップいたします。@iwakamiyasumi


 

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コメント
 
01. Marifu1955 2014年8月04日 12:30:04 : odvpHzjnryBZA : XA51Pg9BRA
大変勉強になりました。引き続き、先生の分析の紹介が為されるようお願いします。

02. 2014年8月04日 21:37:54 : Wr5cvCffrE
欧米終了はいいが、宗教に対する考えがアホすぎる。
三大宗教なんか、互いに争わせるための口実みたいなもんでしょうが。
三つとも「発祥の地が同じ」とか、もう・・・w

東京大学名誉教授というより、宗教プロレスの解説者だ
岩上さんも「つまんねえヤツ」と思っていることだろう。


03. 2014年8月08日 23:55:13 : jXbiWWJBCA
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0G804520140808
コラム:期待通りに世界経済が回復しない理由
2014年 08月 8日 10:54 JST
Edward Hadas

[ロンドン 6日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 国際通貨基金(IMF)はこのほど、今や年中行事と化した成長率見通

しの下方修正を行った。世界の国内総生産(GDP)伸び率見通しが引き下げられるのは4年連続だ。

下方修正の幅はさほど大きくないとはいえ、成長率が一貫して失望を誘っていることに多くのエコノミストは居心地の悪さ

を感じている。

ラリー・サマーズ元米財務長官はこうした富裕国の問題に説明を与え、「長期停滞」と呼んでいる。彼の主張には複数の要

素があるが、中心的な論点は、約20年間にわたって投資が不足しており、その原因は金利が高過ぎ、かつ政治家が十分な

大きさの財政赤字を許してこなかったことに求められる、というものだ。

2008年の金融危機以来の年月に見られるように、金融バブルが存在しない時には常に成長率が痛ましいほど低かったと

いう彼の示唆は、物議を醸している。

金融・財政政策に対するサマーズ氏の不満は度を越しているように見受けられる。危機の前、各国中央銀行は世界中にイン

フレを伴わない着実な成長をもたらしたと称賛を浴びていた。彼らの政策が厳しすぎたなら、そうはいかなかっただろう。

しかも危機以降の多くの先進国の財政赤字は、GDP対比で見て平時として過去最大で推移してきた。不十分とはとても思

えない。

期待通りに世界経済が回復しない理由としてもっと信じられそうな金融面の説明は、20年以上に及ぶ借金の膨張によりバ

ランスシートがゆがんでいたことに原因を求めるものだ。この結果、家計、企業、政府の多くは金融的に圧迫された。負債

をごっそりそぎ落とさない限り、これら主体の支出は抑制されたままだろう。負債削減の方法は償却、新たに生み出したマ

ネーによる返済、あるいはインフレによる浸食などさまざまだ。

金融・財政政策に関するサマーズ氏の主張の正否に関わらず、こうした議論は危機後の成長率低下の主たる原因を覆い隠す

恐れがある。主たる原因とは、良好な雇用が着実に減っていることだ。

これは公式の失業率で完全に把握できるものではないが、失業率は金融危機後に劇的に上昇しており、例えばユーロ圏で6

.8%から10.9%に悪化した。不本意にも労働市場から去った人々や、渋々パートタイムや低賃金の職に就いている人

々の数も多すぎる。米労働省労働統計局(BLS)の推計では、労働年齢人口の5.9%が「労働人口に辛うじてとどまっ

ている」か「経済上の理由でパートタイムで雇われている」。職探しの意欲を失った労働者の本当の数はおそらくずっと多

いだろう。

こうした傾向は所得とGDPを押し下げる。生産だけでなく労働者を包含する経済全体として見れば、労働者のスキルや尊

厳が低下することはGDP回復率の低さよりも深刻な影響をもたらす。

雇用創出不足を投資不足に帰する長期停滞論の説明は、後ろ向きに映る。金利水準がどうあれ、十分に職を得られない労働

者の支出力不足が設備投資を慎重にさせている、という方が本当だろう。

実際、労働市場の最大の問題は、金融とはほとんど関係がなく、雇用創出と雇用喪失の非対称性と深く関係している。新技

術や効率化を通じて雇用を破壊したり、雇用の価値を引き下げるのはたやすい。逆に新たに良い雇用を生み出すのは難しい

。多くのニーズが既に満たされている官僚的な先進国においてはなおさらだ。

この非対称性は何世代にもわたり、多くの地域に脅威をもたらしてきた。しかし各国政府や財界リーダーは、ドイツで最終

的に「社会的市場経済モデル」と呼ばれるようになった創造を通じてその痛みを和らげようと尽力してきた。

このモデルの目標はシンプルで、経済の働きによって社会を良くするというものだ。そのために賃金は全般に公正な水準に

保たれ、生産性の向上に伴い労働時間は減少した。政府の雇用創出プログラムは失業率を制御するのに役立った。そして法

律と社会的コンセンサスが観光や医療といった労働集約的産業の発展を支えた。

残念なことに、このシステムは1980年代までに、特に欧州においては硬直化してしまった。あまりにも職が保証され、

雇用コストが高くなったために、雇用主にとって人員採用は大きな賭け、一方で人員削減は収益力向上に大きく寄与するま

でになった。加えて政治家と財界リーダーは失業や職不足という社会的課題にあまり注意を払わなくなった。

金融危機によって明らかになったのは、過度に制限的な法律とトップらの無関心という組み合わせがもたらした痛ましい結

果だった。米欧いずれにおいても、企業と政府は素早くレイオフに踏み切ってパートタイム労働者を雇い、賃金抑制のため

に外注に励んだ。しかし採用となると、雇用主はこれまでも今も及び腰だ。

今では失業率は低下しているが、できることはもっとある。長期停滞といった言葉は間違った印象を与える。人口の伸び減

速は長期的傾向だ。しかし過度の失業は主におそまつな政策選択の帰結である。

社会的市場経済モデルは再起可能かもしれない。概ね成功した過去10年間のドイツの労働改革が、その進め方についてい

くつかのヒントを示してくれる。有効な手段としては、雇用にかかる税金の引き下げ、採用に対する政府助成金の拡大、債

務過剰がもたらした制約を取り払うための大規模インフラ計画や金融再編などがある。

こうした努力はGDP成長率の押し上げにつながるだろうが、それを主な目的としてはならない。労働の非対称性に対する

闘いを経済政策の中心に据えるべきだ。その理由は単純で、良い職が失われることは、GDP伸び率が数ポイント下がるこ

とよりずっと大きな害をもたらすからだ。そして目下、各国政府はその闘いに敗れつつある。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


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