05. 2014年8月03日 13:13:23
: Iu2bCQV6os
マレーシア航空機を撃墜したのは誰か? 憶測にゆれるロシアのメディア http://webronza.asahi.com/global/2014072800003.html ウクライナ東部で7月17日、アムステルダムからクアラルンプールに向かっていたマレーシア航空のボーイング777機が墜落し、子供達85人を含む乗客283人、乗員15人の計298人全員が死亡した。
墜落したマレーシア機の機体の一部はまだくすぶり続けていた=2014年7月17日、ウクライナ東部グラボボ、アントン・スカイバさん撮影 拡大墜落したマレーシア機の機体の一部はまだくすぶり続けていた=2014年7月17日、ウクライナ東部グラボボ、アントン・スカイバさん撮影 キエフ当局は直ちに、この墜落の責任は親ロシア派(義勇軍)側にあると宣言し、米国、西欧の国々、日本の大半のマスコミは、ウクライナ当局の発表を支持しているようだ。 だが、その最終的な結論を出すのは時期尚早である。事故現場の機体の破片や残骸の調査が終わっておらず、「ブラックボックス」の解析もされていないからだ。パイロットがウクライナ上空を監視している航空管制官らと交わした録音会話も明らかになっていない。 国連安保理は22日、マレーシア機撃墜事件の真犯人を追求し、事件の原因究明のために、公平で独立性のある国際的捜査が確保されるように呼びかけ、この決議が全会一致で採択された。 今回の事件のニュースは今のところ、ウクライナ当局、西欧、米国発の情報ばかりである。ロシアの様々な報道から少しロシア側の言い分に耳を傾けてみよう。 国連安保理で、ロシアのチュルキン国連大使は、「ねつ造情報を流布した」とウクライナを非難し、こう語った。 「世界中に流された義勇軍司令官らの音声録音も、複数の会話の音源を組み合わせたものであることが分かった。しかも会話は7月17日の事件の前に行われたものだ。また、地対空ミサイルシステム・ブークがロシア領内へ移送されている様子を映し出したものは、実際はキエフ当局が掌握するテリトリーで撮影されたものだった」 ロシアのメディアの報道をひろってみよう。 タス通信によると、ロシア連邦軍参謀本部・作戦総局長アンドレイ・カルトボロフ中将が記者会見で「ロシアの防空管制センターが、マレーシア航空機と同じ方向に飛行していたとみられるウクライナ軍の攻撃機スホーイ25を目撃した」と発表。 このことから、ロシアのネット新聞ドゥニー・ルはルガンスク人民共和国の報道係の話として、「ボーイング777機は、ウクライナのスホーイ25型機(Su−25)と空中で衝突した可能性がある」という空中衝突説、そして、ボーイング777機の飛行を目撃していた人たちの、「同機に対してウクライナ空軍機が攻撃するのを見た」という証言から、攻撃説の二つがあることを伝えた。 同紙はまた、「Su−25がマレー機から離れていた距離は3〜5キロメートル、Su−25は高度1万メートルまで上昇が可能。また、Su-25には空対空クラスのミサイル、R−60が装備されており、5キロ圏内であれば撃墜することはできる」としてSu−25による撃墜説を支持した。 ロシア連邦軍参謀本部・作戦総局のアンドレイ・カルトポロフ中尉は記者会見で「ロシア国防省には、同機が墜落する前に、ウクライナ軍の防空システムの位置と状態を宇宙から撮影した映像がある」と述べた。 また、事件の起こる1分前に、様々な射程距離のミサイルの発射を発見し追跡することが可能なアメリカの衛星が、ウクライナ南・東部を通過していたので、この衛星が事故を記録している可能性が高いとして、これを国際社会に提出することを求めている。 18日、非政府系通信社、インターファックス通信は、ロシア航空局筋の情報を引用して、「マレーシア航空ボーイング777機は、ウクライナ軍機により撃墜されたが、本当の目標はロシア連邦大統領機だったと思われる」と記した。 ロシア大統領機とマレーシア航空機が、ワルシャワ近郊で少しの時間差で同じポイント、同じレベルで交差したこと、両機が外形、大きさが似ており、遠くからだとほとんど同じ色に見えることが根拠とされている。 プーチン政権による言論弾圧の政策下でも比較的貴重な情報を発信する報道機関であるコメルサント紙は、まず撃墜に関する欧米諸国のメディアの反応を紹介。「世界のメディアは、この惨事をクレムリンのせいにするという形で直ちに反応したが、ロシア側のジャーナリストはすばやく反応できなかったまま、この悲劇が、クレムリンへのアンチキャンペーンに利用されるという悪夢になりつつある」と指摘した。また、マレーシア航空機の事故は、新たな対露制裁を正当化する手段に使われるのではないのかと懸念している。 ロシア政府はウクライナ国内の親ロシア派への影響力を持っておらず、何も強制できないことを強調しているが、ウクライナ政府も欧米もそれを信用していない。もし、国際調査委員会が、《分離独立派》による撃墜との結論を出した場合、ロシアは事件の当事者となり、制裁が厳しくなるだろうと予想している。 多くの犠牲者、そしてその家族のためにも事の真相を究明しなければならない。ブラック・ボックスの解析、米国の情報提供、現場検証などによる客観的な結論が待たれる。 【Global Press】http://globalpress.or.jp/
|