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2014.06.02
5月24日にブリュッセルのユダヤ博物館で自動小銃を発射、イスラエル人夫妻とフランス人女性を射殺、24歳のベルギー人男性が臨床死の状態になるという事件があったが、その容疑者として、フランス人のメディ・ネムシュが6月1日に逮捕されたhttp://www.afpbb.com/articles/-/3016489。逮捕の際、カラシニコフ銃と犯行を認める内容のビデオ映像を持っていたという。
ネムシュはISIL(イラク・レバントのイスラム国、ISISやIEILとも表記)のメンバーとしてシリアの体制転覆作戦に昨年12月末から参加、今年3月にヨーロッパへ戻ったのだという。シリアの反政府軍はアメリカ/NATOやペルシャ湾岸産油国が雇った傭兵が主力だと言われているが、その中には少なからぬヨーロッパ出身者がいるとも伝えられている。
イギリスのICSR(ラディカル化国際研究所)によると、シリアは入った国外の戦闘員は約5500名で、その11%程度はヨーロッパから渡っているとしているが、パリ・マッチ誌がインタビューしたフランス人「聖戦主義者」のアブ・シャヒードによると、ISISに参加して戦っているフランス人は少なくとも500名でhttp://www.parismatch.com/Actu/International/Un-djihadiste-francais-parle-a-Match-55625、ノルウェーでの調査ではヨーロッパから2000名程度がシリアにいて、フランス人は200名から400名http://www.parismatch.com/Actu/International/Un-djihadiste-francais-parle-a-Match-556255だとされている。
シリアで政府軍と戦っていた主な勢力はイスラム戦線、アル・ヌスラ戦線、そしてISILの3つだとされていた。イスラム戦線はサウジアラビアのバンダル・ビン・スルタン総合情報庁長官(当時)が昨年11月に諸団体を再編成して組織、アル・ヌスラ戦線はカタールに近く、トルコの司法当局や警察によると、ISILはトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相が秘密裏に創設したのだという。
リビアの体制転覆に成功した後、サウジアラビアとカタールとの間に軋みが生じ、エジプトの政変にもつながった。カタールと同じようにムスリム同胞団と近かったエルドアン首相はここにきてロシアに接近しているようで、アル・ヌスラやISILの力は弱まっているだろう。サウジアラビアもシリアから手を引く姿勢を見せている。アメリカの支援でどこまで戦えるかは不明だ。
シリアがこうした状態になっていることもあり、一部はウクライナへ入って「西側」の手先として戦闘に参加しているとも言われているが、残りは母国へ戻る可能性が高い。そうしたひとりがネムシュ。
シリアの体制転覆作戦に参加していたイスラム教スンニ派の多くは傭兵で、「アル・カイダ」と呼ばれる。以前にも書いたことだが、「アル・カイダ」とは「データ・ベース」のことで、その源は1970年代の後半にズビグネフ・ブレジンスキーが仕掛けたアフガニスタンでの戦争における戦闘員のリストだとされている。この戦闘員をアメリカの情報機関や軍が支援、訓練していた。
この当時も今も遣っていることは同じだが、アメリカ政府は状況によって彼らを「自由の戦士」と呼んだり、「テロリスト」と呼んだりする。リビアやシリアでは使い分けがうまくいかず、アメリカが「テロリスト」を使うということになった。
シリアではイスラエルのマイケル・オーレン駐米大使(2009年7月から13年9月まで)もアル・カイダを容認しているhttp://www.jpost.com/Features/Front-Lines/Diplomacy-Obama-passes-the-kishka-test-326570。エルサレム・ポスト紙のインタビューで、イスラエルは最初からシリアの体制転覆を望み、アル・カイダを支援してシリアのバシャール・アル・アサド体制を倒そうとしてきたと言明している。オーレンはベンヤミン・ネタニヤフ首相に近いと言われ、イスラエル政府の考え方を代弁していると言えるだろう。
ウクライナでもアメリカ/ネオコン(親イスラエル派)はユダヤ教徒を敵視する勢力と手を組み、イスラエル政府も異を唱えていない。その勢力とは、言うまでもなく、ネオ・ナチ。彼らを使ってクーデターを実行したのだ。ウクライナではラビ(ユダヤ教の聖職者)がユダヤ教徒に対し、キエフを、できたらウクライナを出るように呼びかける事態http://www.haaretz.com/jewish-world/jewish-world-news/1.575732になる。後に虐殺があったオデッサでもイスラエル系住民がネオ・ナチに襲われていたhttp://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4452331,00.html。
隠したい自分たちの姿が知られて批判され始めると、その批判を「敵」に投げ返すという技をアメリカの支配層はよく使う。そこで、アメリカ政府は東部や南部の反クーデター派が「反ユダヤ主義者」だという宣伝を始め、ユダヤ人は登録するようにと書かれたリーフレットhttp://www.usatoday.com/story/news/world/2014/04/17/jews-ordered-to-register-in-east-ukraine/7816951/が配られる。これを反クーデター派によるものだと断定、「グロテスクだ」と批判、アメリカの大手メディアも事実として報道しているのだが、ユダヤ教徒からすぐに嘘だと見抜かれてしまった。
本ブログでは何度も書いているように、NATO加盟国には「秘密部隊」が存在、アメリカの巨大資本にとって都合の悪い勢力を潰してきた。遅くとも1970年代からそうした組織の存在は指摘されていたが、1990年にイタリア政府が公式に認めている。イタリアではそうした部隊を「グラディオ」と呼び、1960年代から1980年頃まで「極左」を装って爆弾攻撃を繰り返し、治安強化/ファシズム化を推進していた。
そうした秘密部隊は手先とするために「右翼」、つまりファシストを保護している。これはNATOへ参加する国の義務。ファシストと言えばベニト・ムッソリーニやアドルフ・ヒトラーを連想する人が多いだろうが、このふたり、特にヒトラーを支えていたのはアメリカやドイツの巨大資本。1933年から34年にかけてアメリカの金融資本がニューディール派を潰し、ファシズム体制を樹立するためにクーデターを計画したことからも巨大資本とファシストとの緊密な関係はわかる。
かつて「西側」ではファシズムの本質を隠すため、「全体主義」なる用語を考えだしてコミュニストとファシストを混同させようとし、最近ではナショナリズムとファシズムを混同させようとしている。本来、ナショナリズムは「ネイション(民族、国民など)」を一種の共同体と考え、構成員は助け合って生きていくべきだというものだろう。それに対し、少なくともヒトラー以降のファシズムは巨大資本の利益を守るための仕組み。だからこそ、ウォール街の巨大資本がファシズム体制を望んだのである。
リビア、シリア、ウクライナなどでの体制転覆プロジェクトにイスラエルも参加、ユダヤ教徒を敵視する人びとと手を組んできた。「西側」の巨大資本と同じように、イスラエルを作ったシオニストも反ユダヤだということ。ブリュッセルでの出来事もそうした構図が生み出したと言える。
- ブリュッセル・ユダヤ博物館銃撃事件の“犯人”は、仏の刑務所内でイスラム過激派になり出獄から3週間でシリアに渡航 あっしら 2014/6/05 00:22:37
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