http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/474.html
Tweet |
(回答先: 日朝協議 成果は:六ヶ国協議再開に向け日朝を基軸に日米韓・米中・米韓・中韓で高官協議が活発化 投稿者 あっしら 日時 2014 年 4 月 14 日 02:21:08)
「日朝交渉、常に疑心暗鬼だった」田中均元外務審議官[日経新聞]
2014/4/13 3:30
2002年9月、平壌で初の日朝首脳会談が開かれた。当時、北朝鮮と交渉にあたった田中均元外務審議官に聞いた。
――北朝鮮を相手にどう交渉に取り組みましたか。
「最大の問題点は、相手の権限が分からないことだ。過去十何年も日朝交渉をやっても拉致問題は分からなかった。常に我々は疑心暗鬼だった。しかしなんとしても結果を作るためには、相手が物事を実現する力があるかないかを知るのが大事だった」
「それをチェックするためにいくつも課題を出して、相手ができるかを試した。私が北朝鮮に行ったときに当時の北朝鮮の首相ら政府の人間と面会が可能かとか。すべてではないが、相手は実行した。不思議なもので、1年間も話をすると個人の信頼関係はできてくる。信頼関係が無ければリスクを取るのは難しかっただろう」
――日朝両政府は現在も当時と同様に水面下で調整しています。
「北朝鮮に限らず、表の協議で互いが政府の立場を踏まえて公式論をぶつけて結果が出てくる可能性は必ずしも高くない。当時はそれまで10年間、国交正常化交渉をやっていたが、動かなかった。だから率直に話して互いの合意点を探るには、いろんな試みをやらざるを得ない」
「誰も非公式な水面下の協議なんてやりたくないわけだ。リスクがいっぱいあるから。だから、何らかの合意を作るときは必ず表のプロセスでやるなどの一定の原則を決めた。今も状況を打開するには水面下の協議の必要性はあるだろう」
――当時と現在の北朝鮮の置かれている状況は違います。
「北朝鮮は体制維持が最重要目的だ。当時の彼らにとって、米国最大の同盟国である日本との関係改善は米国から攻撃されない1つの保証となるんじゃないか、と思ったのではないか。今は米朝対話がない点では似ている。1つには日朝をやることで、米国を引き出すことができないか、と思っている」
「02年当時の小泉純一郎首相とブッシュ大統領の関係は非常に盤石だったが、いまは違う。チェイニー副大統領らネオコン勢力から小泉首相の訪朝を実現させないとの発言は色々伝わっていたが、最後に決めるのは大統領だ。最終段階では私がアーミテージ国務副長官に訪朝を伝え、そこからパウエル国務長官に伝わり、最後に大統領が『訪朝を歓迎する』と言ってくれた」
――今の日米関係をどう見ていますか。
「たぶん、オバマ政権は安倍政権の歴史問題の考え方や行動を理解していない。その意味で今の関係は一部が欠けているが、だからこそ今度のオバマ訪日は北朝鮮との関係でもものすごく大事だ」
「米国にとっていま頭が痛い問題は中国だ。軍事協力も含めて米中では重層的な協議がある。ところが、日中は対話がほとんど存在していない。日中関係の悪化は非常に不都合だと米国は思っている。というのは、日本の利益を犠牲にして米中関係を進められないと考えるからだ。だから、日本には中国との関係を改善してくれと。これはお節介でもなんでもない。米国の利益だから」
――今回の協議でも首脳会談を視野に入れるべきですか。
「日本の省庁間の争いのように北朝鮮にはいろんな勢力の競争がある。例えば拉致をやったのは北朝鮮の政府機関だ。拉致を認める判断ができるのは、金正日総書記以外にはいない。だから『小泉首相が訪朝して金総書記と会談し、拉致の事実を認めさせる以外に方法はない』と確信に至った。拉致を認めるかどうか100%確実だったわけじゃない。でも交渉はその見通しを立てるためにやるものだ」
「今回首脳会談をやるべきかはどういう結果を作るかによって変わってくる。もし多くの人が生存していて帰ってくるという見通しがあればぜひ行かれるべきだと思う。それだけでなく、(拉致問題の解決のためには)すべての事象を明らかにすべきだ。日本や第三者を入れた合同調査をやり、すべてが解明されないとこの問題は終わらない」
――日朝平壌宣言を土台に交渉するのが望ましいでしょうか。
「あれは決して日本に不利な内容にはなっていない。戦後の補償などの請求権の相互放棄に北朝鮮は合意している。韓国と同じ経済協力方式でやると。別のものを作りたいという判断があるなら、それは全然構わないが、もしもう一回交渉すれば、ああいう結果に収まらないのではないか」
(聞き手は政治部 永沢毅)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1100T_R10C14A4000000/
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。