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ソチ・パラリンピックも残されていることだし、プーチン政権がすぐにクリミア自治共和国の“分離独立”に踏み切ることはないだろう。
パラリンピックはともかく、ロシアとウクライナのあいだには領土保全条約があり、ロシアが力ずくでクリミア自治共和国を“分離独立”させる可能性も低い。
プーチン政権の最終目標が、ウクライナ全土をロシアの勢力圏にとどめること、ウクライナをEUないしNATOに参加させないこと、クリミア自治共和国を“奪還”すること、ウクライナを西部地域と東南部地域に分割することのいずれなのか(いずれでもないのか)が今のところ見えてこない。
ロシアがウクライナに対して持っているカードは、資源と工業さらには資金である。
ウクライナは、パイプラインを閉められたりデフォルト危機にあることでわかるように、ロシアから送られてくる天然ガスの代金を滞納し続けている。
ウクライナの工業地帯はロシア系が多い東南部に集中しており、親EUが多い西部地域は農業地帯である。
決定的なのは、キエフの新政権が“緊縮財政”を打ち出しているように、ウクライナはデフォルトの瀬戸際にあることである。
ロシアには、お金と引き換え(債務帳消しないし超長期のリスケ)でクリミアなどを手に入れる戦術がある。むろん、これまでと同じように、新政権及び国民にウクライナ経済の現実を再認識させ、ロシアとの関係改善しか道はないと誘導する手もある。
EUがウクライナを引き込みたいのなら、無償が望ましいが最低でも超長期で200億ユーロ規模の金融支援を行う必要がある。ギリシャやキプロスに対して見せたような態度の支援では、ウクライナ国民から猛反発を受け、ウクライナのEUへの引き込みは失敗する。
現在のEUにウクライナ国民が歓喜するような支援を行う余裕はなく、長期にわたって“荷物”を背負う覚悟でウクライナをEUに引き込む覚悟もないように思える。
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ウクライナ緊迫、非常事態も検討 米英ロに協議要請[日経新聞]
クリミアの空港に武装集団
2014/2/28 23:31
【キエフ=石川陽平】ウクライナの南端、クリミア半島にあるクリミア自治共和国で、ロシア軍が空港を占拠し、介入に乗り出したとの情報が流れ、情勢が緊迫している。ロシアのプーチン政権は同じ東スラブ民族で4500万の人口を持つウクライナを重視してきたが、クリミアに介入すれば、ウクライナや欧米との関係が一段と悪化。同国の親欧米路線を加速させかねない。
インタファクス通信によると、武装集団が28日未明までに占拠したベリベク空港の周辺には親ロ派の「自衛部隊」が集まっている。ウクライナの通信社ウニアンによると、クリミアの中心都市シンフェロポリの空港にもロシア系住民の自衛部隊が入り、警備に当たっている。
一方、国境警備に当たる国家国境局は28日、ロシアの軍事ヘリコプター10機以上がクリミアに入ったことを明らかにした。約30人のロシア軍兵士がセバストポリ近郊にあるウクライナ海上警備隊基地の近くに展開したとの情報もある。
緊迫するクリミア情勢に関して、ウクライナの国会は28日、ウクライナの主権を侵害しないようロシアに求めるとともに、米英ロにウクライナの主権を尊重し領土を保全するとの1994年の4カ国合意に基づいて、クリミア情勢に関する協議を開くように求めた。
トゥルチノフ大統領代行は28日午前から、国防政策の最高意思決定機関、安全保障・国防評議会を開いた。評議会終了後、パルビー評議会書記は記者団に、非常事態宣言の可能性を排除しない考えを示した。
クリミア自治共和国では2月21〜22日に起きた政変以降、分離・独立やロシアへの帰属替えを求める親ロ派の部隊結成の動きが活発になっている。27日には政府、議会が親ロ派の武装集団に占拠された。共和国議会は27日、5月25日に共和国の地位に関する住民投票を実施することを決めた。
ロシアが親ロ派住民の保護や黒海艦隊基地の安全確保のため軍部隊を動かせば、ウクライナとロシアの軍事衝突に発展しかねない。ウクライナにも隣接するロシアの西部と中部の軍管区では26日から、機動力を高めるための軍事演習が実施されている。ロシアのラブロフ外相は27日のケリー米国務長官との電話会談で、予定されていた演習だと説明した。
ロシアのプーチン政権は自ら主導する旧ソ連地域の経済統合「ユーラシア経済同盟」にウクライナの参加が不可欠だとみている。黒海艦隊の基地があるだけでなく、ロシア系住民の多いクリミア半島を見捨てれば、ロシア国内の保守派の反発を招きかねない。
ただ、クリミアへの介入はウクライナだけでなく欧米諸国との関係悪化を招くのが確実。2008年夏にグルジアの民族紛争に介入し、同国や欧米との関係が決定的に冷え込んだ経験もあり、介入か非介入かプーチン政権は難しい選択を迫られている。
[クリミア半島は国際政治の舞台になってきた]
1783年 オスマン・トルコとの戦争に勝利したロシアが編入
1853年
〜56年 クリミア戦争。南進するロシアと英仏トルコなどが衝突
1945年 ヤルタ会談。半島南端の保養地で米英ソ首脳が戦後秩序について討議
54年 ソ連のフルシチョフ書記長がクリミア半島をロシア共和国からウクライナ共和国に編入
91年 ソ連崩壊でウクライナ独立
92年 クリミア州議会が独立宣言。その後、自治共和国に
97年 セバストポリの黒海艦隊基地、ロシアへの貸与で合意
2014年
2月 ウクライナのヤヌコビッチ政権が崩壊
武装勢力がシンフェロポリとセバストポリの空港を占拠
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2804H_Y4A220C1FF2000/?dg=1
- ロシアに軍事支援求めず ヤヌコビッチ氏が会見:心情と経済で揺れ動くウクライナの政界ではヤヌコビッチ氏復権もアリ あっしら 2014/3/01 04:21:33
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