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地震専門家が警鐘 富士山大噴火、そして首都直下型地震に備えよ!(1)
http://wjn.jp/article/detail/8843657/
週刊実話 2015年5月28日 特大号
大涌谷付近を震源とした火山性地震が増加している、神奈川県と静岡県にまたがる活火山・箱根山。地元の箱根湯本では有感地震の観測回数が増えており、不気味な鳴動とともに温泉施設では蒸気が勢いよく噴出している。地元では今後、大涌谷周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性もあると警戒を強めている。
そんななか気象庁は、5月6日に箱根山の噴火警戒レベルを平常の「1」から火口周辺規制の「2」に引き上げた。大涌谷に関し国土地理院が衛星によるレーダー解析を行った結果、半径100メートル程度の範囲で地面が隆起し、その中央付近では最大6センチほど隆起していることも判明している。
御嶽山の噴火を予測した地震予知の権威である琉球大理学部名誉教授の木村政昭氏が、現状をこう説明する。
「実は、箱根山には“噴火の目”が出ているのです。気象庁が公開している火山直下と付近の地下で起こるM0以上の地震データから、地下10キロ〜20キロ付近で地震が起こった回数を割り出すと、年間に数回、地震の回数が急増する時期があり、その際には火山性微動も伴ってくる。箱根山は、まさにその状況にあるわけです」
火山性微動は火山性地震と異なり、人間が感じることができない低周波の地震だ。これは地下でマグマなどが移動した際、ズルズルと地殻が擦れることにより発生するという。
「火山性微動の起こる領域は、マグマが存在する領域です。そこで火山性地震が急激に増加するような変化が起きると、だいたい30年ほどで噴火することが経験的にわかっている。しかし箱根山に関して言えば、3000年前に大噴火し、鎌倉時代にも小規模噴火していますが、我々は体験していないため前兆現象など詳しいことはわかりません。今は本格的な噴火に備えておくべきで、ひとたび噴火すれば風評被害のレベルでは済まないという覚悟も必要です」(木村氏)
約3000年前の噴火では箱根山の上部が吹き飛び、標高が3000メートルから1400メートルになったという。
「さらに遡り9万年前の噴火を紐解けば、火砕流が50キロ離れた横浜まで達している。箱根山は観光地のイメージが強いですが、金時山や三国山などを外輪山に持つ立派な火山です。大涌谷は中央火口丘と言って、大きな火口の内部に生じた新しい小さな火山体。つまりホテルも別荘も火山の中にあるわけです。巨大な噴火が起こる確率は低いとされていますが、噴火の規模自体、予測しても的中した試しがない。どんなことが起きるのかわからないという意味で、非常に不気味です」(武蔵野学院大学特任教授・島村英紀氏)
加えて、防災ジャーナリストの渡辺実氏も言う。
「火山学はいわば過去の歴史に学ぶ学問です。ところが東日本大震災以降、日本の火山で起きていることは火山学の常識が通用しない。それをまず問題視すべきです。そして、箱根山が牙を剥こうとしているのは現実なのです。それを風評被害で逃げるメディアが多いが、箱根町も温泉業者も含め、しっかり安全のために立ち向かうと言うべきです。そのためには、安全を確保するための確かな情報を発信することが必要です」
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地震専門家が警鐘 富士山大噴火、そして首都直下型地震に備えよ!(2)
http://wjn.jp/article/detail/4861901/
週刊実話 2015年5月28日 特大号
■関東近海の不気味な動き
このところ東北や九州の火山の活動が活発化しているが、気になるのは箱根山の活動が富士山の噴火に繋がるのか、という点だ。
前出の木村氏は、箱根山と富士山の噴火の時期について、それぞれ箱根山が2015年±5年、富士山が2014年±5年と予測している。つまり、まさに今から東京五輪目前の噴火が濃厚と予測している。
「2つの火山は、マグマだまり自体はつながっていませんが、ともに太平洋プレート、フィリピン海プレートに押されています。箱根山が悲鳴を上げたことから、富士山もいつ悲鳴を上げてもおかしくはない状況なのです」(木村氏)
ちなみに、三陸沖を震源として発生した貞観地震(869年=M8.3以上)の5年前に富士山が噴火、さらに3年前には新島向山の大噴火が起き、1年前には兵庫県でM7以上の直下型地震が発生している。
「噴火と巨大地震の関連性については、最近になり専門家の間で指摘され始めています。実際に富士山噴火の前後には日本中で天変地異が発生しており、貞観地震の9年後には関東諸国地震、つまり、今でいうところの首都直下型地震が起きている。こう見ると、富士山噴火と連動して首都圏直下型地震が起こっても何ら不思議ではありません。ましてや、房総沖と伊豆小笠原沖では、巨大地震がすでに秒読み段階とも言われている。富士山噴火の後、房総沖地震、伊豆小笠原沖地震、そして首都圏直下地震と、巨大地震が相次いで襲う可能性も十分にあるのです」(サイエンスライター)
専門家の間では、3・11では日本海溝のうち宮城県沖〜茨城県沖までのプレートが滑って巨大地震となったが、その北側の三陸沖と、南側の房総沖のプレートが滑らずに残っているとされる。つまり、3・11の震源域のストレスは取れたものの、北側と南側ではストレスが強まっており、その現象の一端として今年2月17日、北側の岩手沖でM5.7、最大震度5強の地震があったばかりだ。
木村氏はこの北側地域についてM8.5、発生時期を2019年±5年の地震を予想しているが、3・11の際も都内では震度5を観測しているだけに、同じ程度の地震動は覚悟しなければならない。加えて木村氏は、伊豆小笠原諸島沖を震源とする巨大地震が発生するとも予測(2012年±5=M8.5)。こちらは地震動そのものよりも、首都圏沿岸と西日本の太平洋側に発生する巨大津波が脅威という。
また、房総沖のプレート付近で巨大地震が発生した場合、首都圏の揺れによる被害は深刻なものとなる。
「房総沖地震が起きた場合、東京は震源地から100キロ以上離れていますが、最大で震度6強、広範囲で震度6弱の揺れがあるでしょう。地震研究者の間では、早ければ10年以内、遅くとも30年以内には間違いなくやってくると言われています」(前出・サイエンスライター)
そんな折、5月3日午前1時51分ごろに鳥島近海でM5.9の地震が発生し、伊豆諸島の八丈島で最大50センチの津波が観測されている。震源の深さは浅く、地震の規模が小さいのに津波が発生したことについて気象庁は「地下のマグマの活動にともなって津波が発生した可能性がある」としている。
また、小笠原諸島の一つ、西之島の地下ではいまだ猛烈な火山活動が続いており、今後、海底で新たな噴火が起こる可能性もあるという。
「小笠原諸島の海底火山の噴火により突如出現した西之島は、その後も拡大し、海面上の体積は東京ドーム約52個分にあたる6446万立方メートルにまで達している。懸念されるのは、通常の火山活動にとどまらず、噴火が巨大地震を誘発することです。そうなれば、当然、大津波も発生します」(前出・サイエンスライター)
木村氏の定義によれば、この西之島の噴火は「P3噴火」である可能性があるという。「P3噴火」とは、「P1」「P2」と呼ぶ噴火の段階を経て、群発地震が発生した後に小規模の噴火が起きる段階であり、その後、大地震発生となる可能性があるという。
箱根山の異変が悪夢の連鎖を生み出さないことを祈るばかりだ。
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