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「生産性が上がる新型ブラウザー」が密かに人気
トレンド・ウォッチ from日経トレンディ
ゲーマーの口コミで広がる
2017年2月7日(火)
日経トレンディ
ブラウザー「Vivaldi(ビバルディ)」。
調べ物をする、ニュースを閲覧する、メールやTwitterなどSNSのクライアントとして活用する……。さまざまな用途で用いられるChromeやInternet Explorer、Safariなどのウェブブラウザーは、パソコンにインストールされているソフトウエアの中で、ユーザーが最も多くの時間、接しているものだろう。
ただ、それだけ多くの時間を費やしながらも、ブラウザーの使い勝手や作業の効率性について考える人は少ない。もしかすると不都合を感じても「どのブラウザーを選んでもそう変わらない」と思っている人もいるかもしれない。
そんな人の「もう1つの選択肢」となるべきブラウザーがある。それは2016年4月にリリースされたChrome互換のブラウザー「Vivaldi(ビバルディ)」である。ビバルディを開発したVivaldi Technologiesは、元「Opera」ブラウザーを開発していたオペラ・ソフトウエアの元CEOのヨン・フォン・テッツナー氏と冨田龍起氏によって起業された会社だ。
このブラウザー、全世界で400万〜500万ダウンロードされているが、実は日本のユーザーが最も多くなっているという。なぜだろうか?
かゆいところに手が届く
ビバルディと従来ブラウザーとの最大の違いは、ユーザーが使い勝手良くカスタマイズできるところだ。
例えばタブの場所もその一つ。いわゆる一般的なブラウザーと同様、メーンのウィンドウの上部に表示することはもちろん、下部、右横、左横というようにユーザーが使いやすいように自由に設定できる。
また「ウェブパネル」というサブブラウザー的に使える機能も使い勝手の良さに貢献している。ウェブパネルはメーンウィンドウの左右いずれかに設置できるようになっており、よくアクセスするサイトやSNSを追加しておけば、簡単にチェックできる。
その他にも、タブを切り替えなくても開いているウェブページを一度に表示できる画面分割機能、閲覧中のページでメモしたい箇所をコピーしてそのページのリンクと共にノートに保存できる機能などが提供されている。まさにユーザーにとって作業効率が上がる「かゆいところに手が届く」ブラウザーというわけだ。
脇のウェブパネルから、サイトやSNSに簡単にアクセスできる。
開いているウェブページを一度に画面分割で表示することも可能。
「自分たちが使いたいブラウザーがなかった」
では、なぜいま新しいブラウザーを開発したのか。ビバルディを開発した冨田龍起氏に開発の経緯や特長について話を聞いた。
ビバルディを開発したVivaldi Technologiesの冨田龍起氏。
ChromeやSafariなど標準的なブラウザーがあるなかで、なぜいまブラウザーを作ったのか。
冨田龍起氏(以下、冨田): 理由は本当にシンプルで、自分たちが使いたいブラウザーが無かったからだ。
他社のブラウザーは「機能をそぎ落とし、よりシンプルな方向へ」という開発方針に向かっており、ブラウザー市場は競争のない世界となっている。だからこそあえて真逆とも言える、カスタマイズが利いて、もっとかゆいところに手が届くような、ユーザー目線のブラウザーを作りたいと思った。
ウェブサイトを使う作業の効率性向上がビバルディの特長ということか。
冨田: 今やブラウザーはビジネスで欠かせない。なかでもウェブサイトをひんぱんに使ってリサーチする人にとって、ビバルディは仕事の生産性を向上するためのパワフルなツールだと考えている。
ビバルディの便利な使い方について教えて欲しい。
冨田: メーンウィンドウでは検索しながら、サイドのウェブパネルでTwitterやFacebookなどのSNSツール、チャットツールなどのタイムライン、ニュースサイトなどを表示させて常時確認できる。
なかにはウェブパネルではYouTubeで仕事用のBGMを流したりする人もいる。ウェブパネルをうまく使うことが、このブラウザーを便利に使うコツ。ユーザーはそれに気付いていて、便利な使い方をツイートしてくれている。(以下はユーザーのツイート例)
クリックして、このツイートにジャンプ
またビバルディではあらかじめメモ機能をブラウザーに組み込んでいる。閲覧しているページでメモしたい部分を選択して右クリックするだけで、メモできるようになっている。文字のメモだけではなく、メモしたページのURLとスクリーンショットも自動的に取得できるようになっているので、備忘録としても使える。
日本のユーザーが多い理由
現在のダウンロード数について教えてほしい。
冨田: ワールドワイドでは400万〜500万ダウンロードぐらい。ユーザー数としては、アクティブで100万人ぐらいだ。
どこの国のユーザーが多いのか。
冨田: 昨年春のリリース直後は米国でのダウンロード数が多かったが、今や日本は米国と並ぶほど、ダウンロード数が多い。アクティブユーザーの割合としては、日本がおそらくトップと思われる。日本、米国に次いで多いのが、ドイツ、ロシア、ブラジルなど。それ以外にもポーランド、インドなどさまざまな国で活用されている。
日本のユーザーが多い理由について、教えてほしい。
冨田: 日本のユーザーは新しいものを積極的に取り入れる国民性があるからと理解している。特に「艦隊これくしょん」などのブラウザーゲームのヘビーユーザーは特にその傾向が強い。そして彼らが、「攻略サイトやTwitterを見ながらできるので便利」などの書き込みをしてくれたことで、ゲームユーザー中心に口コミで広がり、ダウンロード数が増えている。
ブラウザーに関しては、日本人は保守的かと思っていたが……。
冨田: 全体で見ると保守的と言えるかもしれないが、新しいサービスや商品を早い段階で取り入れる日本のアーリーアダプターはかなり積極的だと思う。
スマホブラウザーでも勝算あり
スマホ向けブラウザーを開発していると聞いた。スマホの場合、ブラウザーではなく、専用アプリの利用が主流だと思うが、いまスマホブラウザーを作ることに勝算はあるのか。
冨田: スマホブラウザーのリリースは今年2017年を予定している。
確かにスマホでは、専用アプリを使うのが便利だろう。だが実は今、スマホでもブラウザーを使う時間が増えている、と我々は見ている。
開発の背景にあるのは、スマホの画面サイズの大画面化が進んでいること。いわゆる「ファブレット」と呼ばれる大画面スマホでは、パソコン同様カスタマイズ性に優れたブラウザーの提供ができれば、勝算は十分にあると考えている。
(文/中村 仁美)
[日経トレンディネット 2017年1月24日付の記事を転載]
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