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By JOSH CHIN
2015 年 9 月 21 日 11:14 JST
【北京】アップルのアップストアで配信されている中国の人気アプリの一部が、マルウエア(悪意のあるソフトウエア)に感染したことが明らかになった。アップルのモバイル向け基本ソフト「iOS」に対するセキュリティー侵害は極めて異例で、今回見つかった種類の侵害は初めてとされる。複数の研究者が明らかにした。
中国の電子商取引大手、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング)のモバイルウイルス対策部門、アリババ・モバイル・セキュリティーの研究者によると、感染の原因は、認証されていない改ざんされたアップルの開発ツールキットをソフトウエア開発者が使用したことだという。
マルウエアに感染したiPhone(アイフォーン)やiPad(アイパッド)向けアプリには、中国のインターネットサービス大手、騰訊控股(テンセントホールディングス)のチャットアプリ「微信(ウィーチャット)」、中国の配車アプリ「滴滴快的」、中国のポータルサイト大手「網易(ネットイース)」の音楽配信アプリなどがある。
米サイバーセキュリティー会社パロアルトネットワークスによると、感染アプリは30種類以上に及ぶ。
研究者によると、感染アプリを使用するとユーザーの端末に関する情報が送信される可能性がある。また、アップルのクラウドサービス「iCloud(アイクラウド)」のパスワード入力を促す偽のアラートが表示されたり、ユーザーのクリップボード上の情報を読み取ったり、そこに情報を書き込んだりする可能性もあるという。
アップルのコメントは得られていない。
テンセント、滴滴快的、ネットイースはそれぞれ週末にかけてソーシャルメディアに声明文を投稿し、自社のアプリがマルウエアに感染したが顧客の機密情報は流出していないことを明らかにした。
テンセントは18日夜、簡易ブログサイト「新浪微博」に投稿した声明文で「現時点でこれ(セキュリティー侵害)によるユーザー情報や資産の流出は発覚していないが、ウィーチャットチームは今後も監視とテストを続ける」と述べた。また、更新済みの新しい、感染していないウィーチャットアプリをアップストアで既に配布していることも明らかにした。
アップルのアップストアを通じてマルウエアが拡散されるのは異例だ。アップストアでは通常、厳しい審査をした上でアプリを配信している。パロアルトネットワークスは17日のブログの投稿で、アップルの「iOS」を標的にしたこの種の攻撃は初めてだと述べた。中国のネット検閲を監視する団体「GreatFire.org」によれば、アップストア史上「最も広範囲に及ぶ重大なマルウエア感染」だという。
中国政府が関与している可能性について、パロアルトネットワークスは攻撃の首謀者を特定できるだけの十分な情報がまだないと述べた。
研究者によると、マルウエアに感染したその他のアプリには、中国国営の通信会社、中国聯通(チャイナユニコム)や中国政府鉄道部が運営する列車チケット予約サイト「12306」のアプリなどがある。チャイナユニコムも鉄道部も20日の時点ではコメント要請に応じていない。
感染アプリがどのようにしてアップルの審査プロセスをすり抜けたのか、また感染アプリによってユーザー情報が盗まれたかどうかは20日の時点では明らかになっていない。研究者によれば、問題のアプリの利用者数からみて数百万の端末がマルウエアにさらされた可能性がある。
テンセントによると、ウィーチャットを日常的に使用するユーザーの数は5億人以上。そのうち何人がアップルの端末を使用しているかは不明だが、調査会社IDCによると、アップルが中国スマートフォン市場に占めるシェアは約15%。
パロアルトネットワークスによると、今回のハッキングは中国の開発者が抱える特有の問題につけ込まれた格好だ。アップルの端末向けアプリの開発には「Xcode」というツールキットを使用する必要があるが、中国ではアップルのウェブサイトから正規版をダウンロードするのに時間がかかる。
研究者によると、ハッカーはダウンロードの速さをうたい、マルウエアを仕込んだキットを中国のサーバーに投稿。この偽のXcodeを使用して作成または修正したアプリがマルウエアに感染したという。
複数のセキュリティー研究者によると、偽のXcodeは中国のネット検索大手、百度(バイドゥ)が提供するクラウドサービス「百度雲」に投稿されていた。百度の広報担当者は20日、偽のXcodeについて通知を受けて即時にファイルを削除したと述べた。
アリババ・モバイル・セキュリティーの研究者はマルウエアを「XcodeGhost」と名付け、これについて17日からソーシャルメディアに相次いで投稿した。文書で広く通知したのは同社が初めてだった。
パロアルトネットワークスは、ハッカーがマルウエアを使って何も盗まなかったとしても、iOSにとって脅威であることに変わりはないと警告した。同社のセキュリティー研究者、クロード・シャオ氏は18日の同社ウェブサイトへの投稿で「XcodeGhostは非常に有害で危険なマルウエアであり、アップルのコード審査をかいくぐり、iOSのエコシステムに前例のない攻撃を仕掛けている」と述べ、犯罪者やスパイがマルウエアを使用してiOSを搭載した端末にアクセスする可能性を指摘した。
http://jp.wsj.com/articles/SB11831858956330503399404581245820551738598
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