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キャリアコンサルタントのもとに寄せられる悩みの実態とは?(※イメージ写真)
「なりたい医師像がわからない」 キャリアコンサルタントも驚く現役医学生の悩み〈dot.〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160320-00000006-sasahi-life
dot. 3月20日(日)16時3分配信
医師専任のキャリアコンサルタントとして、生身の医師の声を聞き、実情を肌で知る株式会社ニューハンプシャーMC取締役の中村正志さん。ここ数年、寄せられる相談の中に増えているものがあるという。
「医学部に入ったものの、どの診療科に進めばいいかわからないという声や、医師に向いているのか自信がないなど、『この段階でそんなことを?』と思うような悩みを持つ人が大勢います」
医師になるまでには、研修をどの病院で行うか、専門領域は何にするかなど「選択」を迫られる機会が多い。
「成績優秀で、言われるままに医学部を目指したり、親が医者だからなど、医師になる理由や目的が明確でなく、いざ自分で決める段になって先に進めなくなってしまうケースです」
『医学部がわかる』(AERAムック)に掲載された、現役医大生から実際に寄せられた悩みと、中村さんのアドバイスを紹介する。
【なりたい医師像がわからない 私立大学5年生 男性Aさん】
――周囲の勧めで医学部を目指し、無事合格して現在5年生ですが、いまだに自分がなりたい医師像がイメージできません。医師になってからのキャリアプランがなかなか決められず、悩んでいます。
医学生が持つ典型的な悩みの一つです。「勉強ができた」以外の理由が希薄で、医学部合格が目標になってしまい、その後のイメージが描けていなかったケースです。
しかしこうした医学生も、医学への興味はゼロではないのです。幼少期の体験や、映画や小説の医師像に惹かれた経験、授業ではどんな内容に関心を持ったかなど、過去の経験の中に必ずヒントがあり、実はすでに興味のある診療科もあったりするものです。
これから医学部を目指す場合も、将来「なりたい」像を描くと同時に、過去を振り返り「関心のあったこと」を洗い出してみるといいでしょう。
【進みたい診療科がわからない 私立大学6 年生 女性Bさん】
――大学のポリクリ(病院実習)でいろいろな科を回りましたが、進みたい診療科がいまひとつはっきりしません。自分はどんな科に向いているか、診療科はどんな基準で選べばいいのか、医学生のうちに知っておきたいのですが……。
これも、医学部に入り医師になることが目標で、診療科の志望や働き方まで描けていないタイプの悩みです。
こうした相談の場合はまず、過去の振り返りをしてもらい、少しでも興味のある診療科について、私がこれまで出会った医師の働き方を紹介して具体的にイメージできるようにします。また、キャリア支援の専門ツールを使ってその人の性格や特性、重視する価値観などを測り、合う診療料を一緒に考えていきます。
自分の適性というのは、一人で考えてもなかなかわからなかったりするものです。私たちや先輩医師などとたくさん話し、人から引き出してもらうことも有効でしょう。
【留学などの希望はかなう? 義務年限ありの大学4年生 男性Cさん】
――周囲の勧めで医学部を目指し、無事合格して現在5年生ですが、いまだに自分がなりたい医師像がイメージできません。医師になってからのキャリアプランがなかなか決められず、悩んでいます。
海外留学を志望する医学生は多いですが、現実はそう簡単ではありません。特に相談者のように義務年限のある大学(自治医科大学、産業医科大学、防衛医科大学など)では、卒業後は大学指定の施設で一定期間働かなければならず、その間希望どおりのキャリアを歩めるとは限りません。
そもそも、医師の留学は医局のネットワークで行く場合がほとんど。目的が明確で、大学にとってもそれが有意義であることが前提。憧れだけでかなうものではないのです。「最先端の医療を学びたい」なら、日本も世界トップレベルです。国内留学などに視野を広げてみることも大切です。
(文・篠田麻由美)
※AERA Premium『医学部がわかる』(AERAムック)より
中村正志さん
株式会社ニューハンプシャーMC取締役・医師専任コンサルタント。大手経営コンサルティング会社を経て現職。これまで500人以上の医学生・医師のキャリア設計に携わる。医学生や研修医向けの勉強会なども主宰
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