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4歳女児を“殺した”日本の医療 小児に危険な機器使用を強いる厚労省の怠慢
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150403-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 4月3日(金)6時2分配信
今年1月、4歳の女の子が脳死し、その肺や肝臓、腎臓が各地で移植を待つ患者のもとに届けられ、移植手術が行われました。実は、この女の子は「特発性拡張型心筋症」という心臓の病気で、彼女自身、心臓の移植を待つ身で、家族は移植の準備を進めて米テキサスの病院で受け入れが可能となり、移植への道が開けていたその矢先、容態が急変して脳死となってしまったのです。
特発性拡張型心筋症は「特発性」との文言からもわかるように、心筋が伸び切ってしまう原因不明の疾患で、心臓の機能が十分に果たせなくなってしまいます。女の子は補助人工心臓をつけていました。その補助人工心臓が血栓をつくってしまい、その血栓が脳に移動して脳血管に詰まってしまったのです。
実は、女の子に装着されていた補助人工心臓は大人用のもので、子供が使用する場合は血栓ができやすいと指摘されていたのです。「小児用がないのだから仕方がない」と考えがちですが、世界にはすでに小児用の補助人工心臓があり、使用例もあるのです。
小児用の補助人工心臓はドイツのベルリンハート社製で、「血栓もできにくいため、海外では1990年代からすでに1100例以上も小児用は使われています」と、心臓の専門医は話します。
第一線の現場から「小児用の補助人工心臓を使いたい」との声は以前からあり、日本では3年前から治験が始まっていたのです。結果は良好とあって、この夏にも認可されるところまで来ています。小児用補助人工心臓の道が開けたとはいえ、あまりに対応が遅すぎるのではないでしょうか。
目の前に心臓移植が決まっている子がいるのに、安全が担保できない大人用の補助人工心臓を使い、治験中の小児用補助人工心臓を使わせられなかったのは、なぜでしょうか。
日本は医療では世界の先進国です。特に、がんの手術等ではナンバー1と評価されています。その国が、このような対応をするのは許されないように思います。小児用の補助人工心臓を必要とする小児は、毎年15人ほどいるそうです。その子たちの命を保証するためにも、あまりに遅いデバイスラグ(医療機器の承認が遅れること)は、すぐにも解決していく必要があります。
松井宏夫/医学ジャーナリスト
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