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【がん治療 最前線】「肺がん」「食道がん」「胃がん」「子宮頸がん」 「光線力学的療法」ならがん細胞が勝手に壊死する
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141114-00010003-shincho-soci
「週刊新潮」2014年11月13日号
がん細胞が勝手に死滅する――。夢想ではない。特殊な薬剤とレーザー光を使い、それを実現するのが光線力学的療法(PDT)である。外科的手術でもなければ、放射線も抗がん剤も使わないこの治療法、すでに肺がんなどでは絶大な成果を挙げているという。
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まずは、ある患者の逸話から始めたい。
「喀痰(かくたん)検査を受けていれば、がんができてもすぐに見つかるだろう。そうしたら先生のところで取ってもらうからいいよ」
65歳で肺がんを発症したその患者は、かなりのヘビースモーカー。決してタバコをやめなかったという。
「ちょっと喉の調子が悪いと、がんができているねえ。でも、治療も簡単だし、タバコをやめるくらいなら先生の手術を受けるよ」
そう言って17年間で8回もがんを除去し、82歳まで生きたという。しかも死因は脳梗塞。がんで亡くなったのではないのだ。
この患者が「先生」と呼ぶのは、山王病院の奥仲哲弥副院長。「治療」と呼ぶのがPDTである。どんな療法であるのか、奥仲副院長に語ってもらう。
「腫瘍親和性光感受性物質と呼ばれる薬剤を静脈に注射します。“腫瘍親和性”とは、がん細胞にこの物質を取り込む性質があるということで、こうして物質を取り込んだ細胞に、内視鏡をつけた管を通してレーザー光を当てると、化学反応を起こして活性酸素が発生する。これががん細胞を死滅させます。不思議なことに、がんの患部だけが変化し、がんが勝手に壊死していくのです」
しかも、手術に要する時間は30分程度、入院も3〜4日で済むという。
光感受性物質にはフォトフリンとレザフィリンの2種類があり、前者は胃がん、食道がん、子宮頸がんに対して保険治療ができるが、後者はまだ肺がんだけへの適用だ。とりわけ、この治療法が有効なのは、
「太い気管支にでき、ヘビースモーカーがかかる中心型肺がんのうち、とくに早期で1センチ以下、厚さ3〜5ミリ程度の扁平状の上皮がん。症例数は400を超え、1回で完全治癒したのが96%、2回以上なら100%完全治癒しています」(同)
■名医でなくても
だが、効果があるわりには、今ひとつ浸透していない。なぜか。
「光感受性物質が皮膚に残ると、光過敏症を引き起こす可能性があり、レザフィリンを使った場合は2〜3週間、フォトフリンでは1カ月、直射日光に当たらない生活をする必要がある。PDTは子宮頸がんなどにも有効なのですが、拘束される日数が長いために、従来通りの外科手術を選ぶ方が多くなっているのです。また、縛られる時間を短縮できるレザフィリンは、肺がん以外には保険がきかない。このため患者さんから敬遠されがちで、症例が増えず、保険適用の拡大も遅れてしまっているのです」
どうやら悪循環だが、この療法の利点が正しく理解されれば、症例が増えないわけはなかろう。
「患部を切り取る外科的手術はダメージが大きいですが、PDTでは光感受性物質を吸収した細胞だけがレーザーに反応し、周囲はほとんど破壊されない。ゴッドハンドと呼ばれる名医でなくても手術が可能だ、という利点もあります」(同)
脳腫瘍に応用する動きも出ているという。
「特集 常識が変わり始めた「がん治療」最前線」より
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