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≪指先が内なる力を引き出す虎拉ぎ≫
この虎拉(ひし)ぎは「こういうのを“秘伝”と言うのだろう」と思わせるだけの説得力を持っている。これはフランスに招かれて講習会を行ったのがキッカケで生まれた。
後にこれが「後ろ両手捕り」※以外にも様々な場面で応用が利くことが徐々に分かり始め、特に「虎拉ぎ」の手形を作ることによって脚が非常に強くなることに気づいてから…。
※)術者に後ろから両腕を捕られても容易に型を崩し、前方に投げ飛ばすことも出来る。
虎拉ぎは、衣服を着た状態では手先だけの動きにしか見えない。しかし、このときの全身の筋肉の動きを観察してみると、虎拉ぎによって起こる手指と掌の“張り”が腕から肩、胸、脇、腹周りなど非常に広範囲にわたる筋肉に影響を及ぼしているのが分かる。
背面から見ても、肩甲骨が大きく開き、背中全体が張るような形となる。写真では分からないが、おそらく体幹部と下肢を繋ぐ、いわゆる深層筋にも影響を与えていると思われる(著者の写真を見ると表面筋が強く張っているのが分かる)。
「虎拉ぎ」には、手をこの形にするという、たったそれだけのことで上体はもとより下肢が非常に強い力を発揮できるようになるため、武術や格闘技のみならず…応用範囲は広がりそうである。
「虎拉ぎ」を作るには、まず五指を鉤状に曲げ、このとき人差指で自分の顔を指すようにして前腕を外旋状態とし、反対に親指は指されないように前腕を内旋状態にして二指の力を拮抗させる。
このとき親指が掌に触れないよう親指と掌の間に丸みのある空間を作る。手首は内側には曲げず、橈骨(前腕の親指側の骨)のラインを伸ばした延長線上に合谷(親指と人差し指の股の部分)が並ぶようにする。これが「虎拉ぎ」である(写真では熊手のような感じ。この形で指にも力を入れると見られる)。
「虎拉ぎ」には全身を一つにまとめるような働きがあると考えられるが、筋肉を固めて一体化するのでなく、全身がネットワークで結ばれて相互に助け合っているという感覚である。
【出典】「術と呼べるほどのものへ」甲野善紀/Gakken‘12年
- 体術の介護への応用〜寝ている人の上体を起こす/甲野善紀 仁王像 2017/9/20 20:00:15
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