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生まれてこなかった子の日記
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投稿者 ピノキ 日時 2017 年 5 月 25 日 03:38:04: /cgEbzQ/iEx0c g3ODbYNM
 

(回答先: 中絶手術のリスク:聞け、孕まされた子宮の絶叫 投稿者 手紙 日時 2017 年 5 月 24 日 00:54:17)

昔読んだ「生まれてこなかった子の日記」を思い出したよ。


10月5日:
今日,わたしの命が始まりました。わたしの両親はまだそれを知りません。でも,わたしはもう生きているのです。わたしは女の子になります。髪は金髪で,瞳はブルーです。ほとんどすべてのことがもう決められています。わたしがお花を好きになることまで。


10月19日:
わたしのことをまだ本当の人間ではないと言い,生きているのはお母さんだけだ,と言う人もいます。でもわたしは本当の人間です。パンのかけらだって,パンには変わりないでしょう。お母さんは生きています。それと同じようにわたしも生きているのです。


10月23日:
今,ちょうど,口が開けられるようになってきたところです。1年もすれば,笑えるようになるし,それからお話もできるようになります。すばらしいでしょ。わたしが最初にお話しする言葉は何か知っているわ。ママって言うの。


10月25日:
今日,心臓が自分の力で動きだしました。これからずっと,わたしの生きている間,やさしく鼓動を続けるのです。幾年もたつと,心臓は疲れて,やがて止まってしまいます。そうなれば,わたしも死んでしまうでしょう。


11月2日:
毎日,少しずつ大きくなっています。わたしの手足は,きちんとした形になってきました。でも,この小さな足で立ち上がって,お母さんの手につかまったり,この小さな腕で花を集めたり,お父さんにつかまったりするまでには,まだまだ時間がかかります。


11月12日:
手に小さな指ができてきました。とっても小さくて,おかしな気がするくらい。この指でお母さんの髪の毛にさわれるわ。


11月20日:
今日になって初めて,お医者さんはお母さんに,わたしがお母さんのおなかの中で生きていることを知らせました。お母さんは喜んでくれているに違いないわ。そうでしょ,お母さん。


11月25日:
きっとお父さんとお母さんはわたしの名前を考えてくれているわ。でも,お父さんもお母さんも,わたしが女の子だということも知らないの。キャシーという名前がいいな。わたしはもうとっても大きくなっているの。


12月10日:
髪の毛が伸びてきました。すべすべして,キラキラ輝いています。お母さんはどんな髪の毛をしているのかしら。


12月13日:
もう少しで目が見えるようになりそう。わたしの周りはまっ暗です。お母さんがわたしを外の世界へ出してくれたら,太陽の光がふりそそぐ,お花のいっぱいある所へ出られます。でも,何よりもお母さんを見たいわ。お母さん,どんな顔をしているの。


12月24日:
お母さんはわたしの心臓の音を聞いているのかしら。生まれてきたとき少し病気にかかっている子もいるらしいけど,わたしの心臓は元気で,健康です。心臓の鼓動が少しも乱れていないでしょ。ほら,ドキドキ,ドキドキ。元気な,かわいい女の子になります,お母さん。


12月28日:
今日,お母さんに殺されました。


― 無名の胎児
 

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