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昔、ドビュッシーのレコードジャケットに短く載っていた『沈める寺』の解説がよくわからなかった。漸く詳しく知ることができました。
小さい子に読んで聞かせてもいいかも。byこーるてん
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ドビュッシーのピアノ曲『沈める寺』.あの静謐なプレリュードの元になったケルトの伝説を紹介.
『沈める寺』とイス(イース)伝説
――(一説には)フランスの首都パリの語源もイスである.
これは,ケルト伝説の物語です.
昔,フランスのブルターニュ地方南部のコルアイユ王国の善良な王グラドロンは,ネヴェドの森に住む聖コランタンと出会い,キリスト教徒となり,首都カンペルレにはキリスト教の信仰が広まりました.グラドロンは海のそばに住みたいと願う,溺愛していた美しい娘ダユ(ダユー)の為に,コルアイユの西の端にイスと言う美しい都を建設しました.イスは海抜ゼロメートル以下の土地に建設されたため,その後ダユは,地元の漁師が恐れているサン島の巫女の力を借り,コリガン(ブルターニュの民話に登場する妖精,小人)たちを集め,大きな水門のある高い堤防を建造させ,海水の流入を防ぎました.ダユは,放蕩で悪徳の限りを尽くし,街の世俗的な繁栄を求めて,商船を襲わせるドラゴンを街の人々に与え,そのためにダユの治める都市イスは自由と富と快楽の溢れる強大な都市となりました.美しいダユに求婚する男性は数知れず,彼女と一夜を過ごした男性は魔法によって無残にも殺され海に捨てられていました.聖グヴェノレ(ゲノル)が説得しましたが全く通じません.イスの余りの快楽的繁栄は神の怒りを買いました.ある日,頭から足の先まで赤の衣装に身を包んだ不思議な王子が現れます.今までの男とは全く違うこの男は,この堕落した街に罰を与えるべく登場した神の使いの悪魔でした.この男が悪魔とは知らないダユは男に恋に落ち,男の要求どおり王が首にかけていたイスの水門の鍵を盗み出し,男にそそのかされ水門の鍵を渡してしまいます.男によって開かれた水門からは,海水が入り込み,ダユは,グラドロンと聖グヴェノレと馬に乗って逃げますが,災いの元となったダユは,聖グヴェノレの杖に打たれ,馬から転げ落ち,イスの街とともに波に呑まれてしまいました.
その後,人魚になったダユは,その魅惑的歌声で漁師を海中に引きずり込んだと言われ,人魚ダユの姿を見たものは,決して生きて戻る事はなかったと言います.
それからずいぶん経ったある日の夜,漁師が釣りを終え,錨を引き上げようとした所,何かに引っかかって上がってきません.そこで一人の勇敢な漁師が海に潜った所,その錨はなんと教会の窓の格子に引っかかっており,そのステンドグラスからは光が漏れ,中を覗くと大勢の人々がミサを行っていたと言います.その中で司祭がミサの答唱をするように合唱隊に促しているのが聞こえ,もしその時にその漁師が答唱の役をしていたら,イスの街は再び浮上し,そしてフランスの首都はパリからイスになったであろう,と言われています.
当時(紀元後5・6世紀頃)のブルターニュ地方は,アルモリカ(海の国)と呼ばれており,ケルト難民が大勢押し寄せていました.この地に伝わる伝説には,ケルト神話的なものが数多く残っています.1838年にテオドール・エルサール・ド・ラ・ヴィルマルケによって「バルザス・ブレイズ(ブルターニュの歌謡)」がまとめられました.ドビュッシーの『沈める寺』は,この「イス伝説」にインスピレーションを得ています.海底の静謐な世界から,徐々に海上に浮上し,そして完全に姿を現した教会から響く鐘の音,その中から遠く響いてくる祈りの合唱,そして再び深海へと没していく姿を描写しています.何とも幻想的なプレリュードではありませんか.
パリ(Paris)の語源は,(Par−Is)つまり「イスに匹敵する,イスのような」,と言う意味で,パリがイスの様な美しい街になった時に,イスの街と対等になると言う意味からつけられています.
また,イスは,『トリスタンとイゾルデ』のイゾルデの生地としても伝説の中で知られています.
(以下略)
http://www3.kcn.ne.jp/~nepenthe/miscellaneous_notes/regend_of_Is.html
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