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1月5日、年頭会見を行う安倍晋三首相(「首相官邸HP」より)
今年、ついにバブル突入確実か 円安で中小企業大打撃は本当か?恣意的なメディア報道の罪
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150109-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 1月9日(金)6時0分配信
昨年12月の衆院選で自民党が圧勝したことにより、安倍晋三政権の経済政策であるアベノミクスがあと4年続くことになる。デフレ脱却のため不可欠であった円高是正は第1、第2の矢で狙い通りに的を射たが、成長戦略である第3の矢はいまだ的まで届いていない。より強い弓で放つことができるのかが今年の注目点だが、その前に今年の日本経済に影響を与える円安と株高の動向が気になる。
デフレ脱却を目指すアベノミクスにとって、円安誘導は主要目標の1つ。その政策を支援する日本銀行のインフレ目標2%達成への姿勢は揺るぎなく、今年もさらなる追加金融緩和が行われるとみられており、したがって円安基調は続くことになる。
一方で経済成長の鈍化などが懸念される新興国事情やEUの動向など、外国為替相場にとってのかく乱要因がある。より安全な円を求めて円高に傾く局面もあり得るという指摘は多くの市場関係者から聞かれるが、年央にも米連邦準備理事会(FRB)が利上げに踏み切るとみられる米国の状況などを勘案すれば、一時的な円高はあってもトレンドとしては円安になるとの見方が強い。
この円安が続くことで原材料費が高騰し中小企業は打撃を受ける、という報道が多い。事実だが、2013年頃の円高展開時は、円高で輸出が伸びず下請けの中小企業は打撃を受けている、という報道が頻繁に繰り返されていた。円ドル相場が急激に上下すれば影響が出るのは当然のこと。とくに企業体力の弱い中小企業ほど経営を圧迫するが、それがすべてであるかのように報じるマスコミ報道に対し、中小企業経営に詳しい関西圏の大学教授は次のように疑問を投げかける。
「何割かの厳しい業種だけを取り上げ、騒いで関心を呼ぼうとするマスコミの姿勢は、消費マインドを冷やすだけ。中小企業の経営者は影響が軽微でも聞かれれば『厳しい』としか答えようがなく、本当に実態を表しているのか疑わしい」
●3回目のバブル到来か
注意すべきは、円安と同時進行する株高だ。双日総合研究所副所長でチーフエコノミストの吉崎達彦氏は、東証一部時価総額が名目GDPを超えるとバブルであるとの経験則から「この法則が昨年11月から適用できるのではないか」と指摘する。これまで、東証一部の時価総額がGDPを上回ったのは、1988〜90年、05〜07年の2回だけ。いよいよ3回目のバブルがやってくるとみられる。
現状の名目GDPは484兆円に対し、昨年11月末の東証一部時価総額は505兆円。12月10日には509兆円、年末も505兆円とGDPを上回っている。3年前の時価総額は251兆円だったので、短期間で倍に膨らんだことになる。
「今回の逆転現象が1回目のような大型バブルになるのか、2回目のミニバブルで終わるのか現時点では判断できないが、経験的に一度ハードルを越えれば1年以上は続くことになる」(吉崎氏)
このことから15年はバブルに突入することになり、それが年間を通して続くということが予想できる。もちろん日本経済にとってはプラスに働く。ただし、吉崎氏は「必ず崩壊する時期が来るので、先行きを考えると悩ましい」とそのリスクを指摘する。
円安で企業収益は改善し、財布の紐が固い家計消費に替わって増加する外国人観光客の消費が穴を埋めてくれる効果が期待できる。さらに実質賃金が少しでも上向いてくることで、消費が上向き経済循環が良くなる可能性もある。景気回復の実態が伴ってくれば、バブル感も多少は薄まる。いずれにせよ、1年以上先のことを心配する余裕はなく、明日のことを考えたいという人にとっては、期待が持てそうな年になりそうだ。
海部隆太郎/ジャーナリスト
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