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略奪ヘルパーに食い物にされる老人たち 強制入院させ、自宅乗っ取り全財産横領
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141221-00010001-bjournal-soci
Business Journal 12月21日(日)6時0分配信
大介護時代の今、全国各地のハローワークでは、労働人口の受け皿として介護ヘルパー資格の取得を後押しするべく、無償の講習を行うなど補助事業を大々的に展開している。気がつけば昨日まで普通の主婦だった女性が、今日は介護ヘルパーを名乗っているような状況だ。
急速に拡大する市場に落とし穴はつきものだが、介護市場における被害者は従事するヘルパーばかりとは限らない。膨張するヘルパー人口ゆえに、なかには手癖の悪いヘルパーも数多く紛れ込んできているという。
今回紹介するのは、振り込め詐欺よりも巧妙な「略奪ヘルパー」に食い物にされた、ある老婦人の悲劇である。
東京文京区・西片の閑静な住宅街で“事件”は起きた。古い家に老婦人Aさんが一人暮らしをしていたが、もともと互いの生活に干渉しない屋敷町ゆえに異変が起きても長い間気づく者はいなかった。
長らくAさんの姿は見かけないが、朝昼晩と頻繁に出入りする中年の女性がいたため、隣家の女性Bさんが「最近、Aさん見かけませんね」と声をかけると、「私はヘルパーです。Aさんは入院しています」と答えた。気になったBさんが教えてもらった病院を訪ねると、拘束帯でベッドに縛られ、動けなくされたAさんの姿があった。
AさんはBさんに「助けて。こんなにされちゃって動けないのよ」と懇願した。Bさんは病院に掛け合ったが、「認知症なので徘徊されないように固定している」と説明され、血縁関係もないBさんにはなすすべもなく、いったん引き下がった。
●腰の重い役所
それにしても、Aさんが入院しているにもかかわらず、ヘルパーと称する女性だけが屋敷に入り浸る様子に違和感を持ち、Bさんは区役所に相談したが、やはり親類縁者でないとの理由で役所は「動けない」と門前払いを受けた。
Bさんは引き続き屋敷の様子を観察していると、ヘルパーは入院しているAさんを見舞いに通う気配もなく、主不在の屋敷に毎日出入りを繰り返す。あまりの不審さにBさんは再び役所に掛け合い、民生委員が訪問することになった。
「民生委員も家の中にまで踏み込む権限はなく、出てきたヘルパーに玄関で追い返されてしまったのですが、家の中をのぞくと家財道具などはほとんど見当たらず、食べ尽くしたデパートの惣菜パックが山積みされゴミ屋敷と化していたようでした。当のヘルパーは介護保険事業を行う民間企業などから派遣されているのではなく、個人で頼む“お手伝いさん”のような立場で『Aさん本人と契約をしている』と言い張っていました」(Bさん)
不穏な動きを察知した民生委員と役所によって、地方に住むAさんの親類縁者が探し出され自宅に乗り込んだ。
「家財道具はすっかり処分され、さらに父親が医学部の教授をしていたAさんはかなりの資産家だったのですが、貯金残高がほとんどなくなっていたそうです。減っていた額は数百万どころか数千万単位です。貯金をどうしたのかヘルパーを問いただしたところ、『Aさんに頼まれて処分した』との一点張りです。Aさんに確認したのですが、1年近く病室に縛り付けられていた影響で認知症が進み、意思確認ができなくなっていました」(同)
昨今、富裕層の間では、公的の介護サービスではなく、介護保険適用外のヘルパーを頼むことが増えているという。しかし、このような悪いヘルパーに当たれば、病院に入れられて、挙げ句は認知症を理由に母屋を乗っ取られ、全財産も奪われかねない。
結局、Aさんは退院して家に戻ってきたが、完全に判断能力がなくなった状態で、まもなく親戚に看取られ、八王子の病院で静かな最期を迎えたという。
ちなみに先のヘルパーは、同様の手口で高齢者の財産を横領したとして、横浜などで裁判を起こされている。
猫もしゃくしもヘルパーになるような時代だからこそ、自宅に上げる以上は十分警戒してかからなければいけない。
編集部
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