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(回答先: 《世界を斬る》原油安がロシア経済を直撃 プーチン氏の政治的立場危うく 日高義樹(ZAKZAK) 投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 12 月 10 日 21:54:05)
アボット豪首相 苦境 緊縮財政に国民反発 診療費など看板政策撤回
【シドニー=高橋香織】オーストラリアのアボット首相が苦境に立っている。資源価格の下落を背景に歳入が予想以上に落ち込み、「10年以内」としてきた財政黒字化の目標の見直しも迫られそうだ。緊縮財政が国民の反発にあい、9日には看板政策としてきた診療費の制度案を取り下げた。支持率は過去最低水準に沈んでいる。
アボット氏は9日に記者会見し、これまで患者負担がゼロだった一部の公立病院で診療のたびに7豪ドル(約700円)を患者が払う制度の導入案を撤回した。今年5月の予算案に盛り込んだが、患者団体などが強く反対したため修正した。
アボット氏は新たな案として国が医師に払う報酬のうち5豪ドルを減らし、医師が同額の負担を患者に転嫁することを認めるとした。ただ16歳以下の子どもや年金生活者らは転嫁の対象外とし、従来通り負担なしで診察を受けられる。「無料の行政サービスはない」とし、国民に相応の負担を求めようとしたアボット氏の政策は大きく後退する。
アボット氏は7日、公約だった有給育児休業制度を見直すと表明したばかり。休業中に実際の給与額と同額を支払うとする内容が「高給取りを優遇しすぎだ」との批判を浴び、託児所の充実へと軌道修正を迫られた。
2013年9月に就いて1年余りがたつアボット政権の支持率は低迷する。8日付で現地紙フィナンシャル・レビューがまとめた世論調査で、与党の支持率は前回よりも1ポイント低い48%と野党・労働党の52%を下回った。首相自身の支持率も2ポイント低い39%と、野党党首の47%と差が開いた。
要因の一つが資源価格の下落だ。14年7月〜15年6月の会計年度に政府は基礎的現金収支ベースで298億豪ドルの財政赤字を見込むが、主要輸出品の鉄鉱石や石炭相場の低迷による税収減などで「さらに50億豪ドル悪化する」(調査会社デロイト・アクセス・エコノミクス)との予測もある。財政再建の道筋は険しい。
自動車産業が生産から撤退するビクトリア州で先月末にあった州選挙では雇用不安から現職の州首相が敗退し、労働党と交代した。潜水艦を巡り日本からの導入に傾くアボット政権と地元造船業界との溝も深まる。7〜9月期の実質成長率は2.7%と4〜6月期の3.1%から減速した。
日中韓との自由貿易協定(FTA)交渉を合意に導き、11月には20カ国・地域(G20)首脳会議の議長を務めるなど外交での成果を訴える半面、内政を中心とした失点で首相は正念場にある。
[日経新聞12月10日朝刊P.7]
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