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原油安がプーチン政権を直撃している(ロイター)
原油安がロシア経済を直撃 プーチン氏の政治的立場危うく
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20141210/dms1412100830004-n1.htm
2014.12.10 世界を斬る 日高義樹
歴史的な出来事になりつつある原油安が、石油大国ロシアを直撃し、プーチン大統領の政治的立場を急速に弱めている。ハドソン研究所の石油問題専門家は次のように述べている。
「シェールオイルとシェールガスが世界のエネルギー市場に大変動をもたらした。石油と天然ガスの安値は、短期的な現象ではない。その影響がすでに世界各地で現れている。特に石油大国ロシアは、収入が激減してルーブルが急速に下落している」
ロシア経済を支えてきたエネルギー資源の安値に、政治的立場を脅かされ始めたプーチン氏は2日、露ジャーナリストとの対談でこう言った。
「原油安は、ロシアを滅ぼそうとする米国とアラブ共同の陰謀だ。米国やヨーロッパ諸国による経済封鎖には負けないが、原油安という陰謀は手ごわい」
ロシアでは通貨ルーブルがすでに40%以上も低落しただけでなく、外国資本が急速に国外に逃げ出している。すでに1100億ドル(13兆2000億円)の海外資本が流失したとみられているが、統計上ロシアは原油や天然ガスを売って2000億ドル近い外貨を手にしている。これまでの稼ぎでGDPの10%の国内備蓄を誇っている。
しかし、ロシアには原油と天然ガス以外に輸出するものがない。海外投資はドル建てで行わなければならないが、国内に入ってくるのは日増しに安くなるルーブルだ。通貨の低落でインフレがひどくなり、生活が苦しくなり始めるとともに、プーチン氏に対する国民の不満が高まっている。
プーチン氏は2000年、「国民の生活を豊かにする」という約束を掲げて大統領に就任して以来、国民の強い支持を背景にロシアでの政治的、軍事的権力を一手に握り、文字通り好き勝手な行動をとり続けてきた。ついにはウクライナ侵略まで強行し、国際社会を敵に回して経済制裁を受ける羽目になった。
米国のCIAや国家安全保障局が集めている情報によると、プーチン氏は依然、ある程度の支持を国民から集めている。
しかし、原油や天然ガスの安値が長期にわたって続く見通しであること。そして米国やヨーロッパの経済的な締め付けが容易にやわらがないことを認識しているクレムリン内部では、プーチン氏に対する造反の気配が強くなっている。
「原油安は米国とアラブの陰謀だ」というプーチン氏の発言は、彼の政治的な立場が弱くなったことを象徴している。
プーチン氏は中国やトルコに接近し、原油や天然ガスを割安で売る一方、大規模な供給網の建設計画を縮小しつつある。「南回りルート」と呼ばれるブルガリア経由の石油と天然ガスのパイプ建設計画も費用を捻出できなくなり、中止されることになった。
プーチン氏が君臨する石油王国ロシアは、原油安という歴史的な現象によって終焉を迎えようとしている。
■日高義樹(ひだか・よしき) 1935年、名古屋市生まれ。東京大学英文科卒。59年NHKに入局し、ワシントン支局長、理事待遇アメリカ総局長を歴任。退職後、ハーバード大学客員教授・同大諮問委員を経て、現在はハドソン研究所首席研究員、全米商工会議所会長顧問。
- アボット豪首相 苦境 緊縮財政に国民反発 診療費など看板政策撤回:資源商品市況の悪化が財政苦境の主要因 あっしら 2014/12/11 04:14:00
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