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追加緩和策の決定はサプライズではなかったが、黒田日銀総裁がその目的や趣旨を説明した内容には驚いたというかすごい脱力感を覚えた。
詳細は別途書くつもりだが、黒田氏は、その説明内容だけで中央銀行総裁という職を辞する必要があると思っているくらいだ。
追加緩和策は、極短期はともかく、短期・中期・長期で日本経済に影響(悪及び良の両方について)を与えることはないと考えているので、お好きにどうぞとのみ評価するにとどめる。
極短期間は別として、追加緩和策が円レートや消費者物価指数の変動に貢献することはない。
銀行の資産構成を変え日銀当座預金のボリュームを増大させることで、円レートを安くしたり消費者物価指数を上昇させたりできるのなら、政策当局の苦労は少ないと言える。
マネタリズムは、マネーストック(マネーサプライ)を基準とした事象を説明するものであり、マネタリーベースの変動を基準にするものではない。
マネタリーベースは、言わば“見せ金”であり、“信用創造”の拡大を通じて実際に経済社会を流れたことを示すマネーストックの量こそがポイントである。
このまま日銀の緩和策が進んでいけば、3年後くらいには、マネタリーベースとGDPが同額になるという笑えない事態に突入する可能性さえある。
株式市場の変動には興味はないが、面白い動きが記事になっているので紹介させていただく。
転載する日経新聞の記事に、「真っ先に動いたのが、マクロ指標や金融政策を見て動くグローバルマクロ系のヘッジファンドだ。彼らの一角は緩和を予想していたのか、フライング気味に動いていたようだ。
「何だこの大量買いは」。証券各社のトレーダーたちがいぶかったのは10月31日の寄り付き直後のことだった。海外ファンドとみられる投資家が、ある米系証券を通じて1万6250円の日経平均コールオプション(買う権利)に約6800枚の買い注文を業者間市場で出した。想定元本で1千億円に相当する大口買いだ。
他の証券会社は一斉に売り向かったが、数時間後の日銀の追加緩和発表にひっくり返った。「やられた、すぐ先物を買え」。コール売りのリスクを減らすための証券会社の先物買いが、相場上昇に拍車をかけた。
ファンドの買いに売り向かったのは国内勢だ。大手証券各社では個人や投資信託に加え、地銀や生損保が保有株を売って利益を確保しているという。この3日間、東証1部の売買代金が膨れ上がった背景だ」とある。
この記事をもって陰謀論に結びつける気はない。
なぜなら、GPIFのポートフォリオ変更案が30日の時点で報じられていたので、頭の良いヘッジファンド担当者なら、日銀がGPIFのポートフォリオ変更がスムーズに実現できるよう追加緩和策に踏み切ることやそれを使って黒田総裁が“経済はキタイだ!”のレクチャーをして市場参加者のアドレナリンを活性化することは読めたとは言えるからだ。
だから、日銀ないし政府関係者の誰かが海外ファンドに“特別な配慮”をしたとは言わないでおこう。
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日銀相場に賞味期限 経験則は50日、国内勢がカギ
証券部 川崎健
2014/11/6 2:00
日銀の追加金融緩和から3営業日目となる5日の東京株式市場では日経平均株価が小幅続伸した。冷静さを取り戻す市場参加者の話題に上がり始めたのが「日銀ラリー」の賞味期限だ。50日が目安となるが、経験則通りになるかどうかは意見が分かれる。謎を解くカギは投資家の売買動向だ。3日間の動きをみると相場の持続力は国内勢にかかっている。
「顧客と少し落ち着いて議論ができる心理的な余裕が出てきました。追加緩和の賞味期限については弱気派から強気派まで意見が分かれています」。前日までに比べると相場の値動きも落ち着いてきた5日午前、米系証券の日本株営業マンは話した。
何事も議論を進めるには客観的なデータの確認から始めるべきだ。バークレイズ証券の北野一チーフストラテジストは、過去3回の「日銀サプライズ」が日本株をどのくらいの期間、上昇させたのかを調べてみたところ、共通する1つの法則を見つけた。
過去3回とは、第1が速水優総裁が金融調節の目標を金利から資金供給量に初めて変更した2001年3月19日。第2が白川方明総裁が「物価安定のめど」という表現でインフレ目標に言及した12年2月14日。第3が現任の黒田東彦総裁が大胆な金融緩和に踏み切った13年4月4日だ。
日本株の相対的な強さを測るために、東証株価指数(TOPIX)を米S&P500種株価指数で割った日米相対株価をみると、過去3回の株価押し上げ効果の賞味期限は50営業日前後で一致した。公表日を起点とする日本株の上昇が終わるのは、具体的には1回目が55営業日後、2回目が53営業日後、3回目が45営業日後だった。
「50日の法則」を当てはめると今回は15年1月中旬まで続くことになるが、北野氏は懐疑的だ。「過去3回は前例のない新機軸が含まれていたが、今回はない。効果はより短期間にとどまる」と読む。
相場のことは相場に聞けとの格言もある。この3日間の動きを探ると「強気の海外勢、弱気の国内勢」という構図が見えてくる。
真っ先に動いたのが、マクロ指標や金融政策を見て動くグローバルマクロ系のヘッジファンドだ。彼らの一角は緩和を予想していたのか、フライング気味に動いていたようだ。
「何だこの大量買いは」。証券各社のトレーダーたちがいぶかったのは10月31日の寄り付き直後のことだった。海外ファンドとみられる投資家が、ある米系証券を通じて1万6250円の日経平均コールオプション(買う権利)に約6800枚の買い注文を業者間市場で出した。想定元本で1千億円に相当する大口買いだ。
他の証券会社は一斉に売り向かったが、数時間後の日銀の追加緩和発表にひっくり返った。「やられた、すぐ先物を買え」。コール売りのリスクを減らすための証券会社の先物買いが、相場上昇に拍車をかけた。
ファンドの買いに売り向かったのは国内勢だ。大手証券各社では個人や投資信託に加え、地銀や生損保が保有株を売って利益を確保しているという。この3日間、東証1部の売買代金が膨れ上がった背景だ。
「今大量に売っている国内勢、特に個人が買いに転じること」。大手証券幹部は上昇持続の条件をこうみる。国内勢が日本株の将来を信頼できるかどうかに尽きるわけだ。
http://www.nikkei.com/markets/column/scramble.aspx?g=DGXLZO7933623005112014EN1000
- 日銀が前日に大量ETF買い、来年は「3日に1回」の衝撃:「経済はキタイだ!」「支持率は株価次第だ」の政府日銀 あっしら 2014/11/06 18:12:48
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