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日銀の短期国債買い入れ、マイナス金利でも不調
17日の日銀による短期国債の買い入れで、日銀が示した購入枠に民間金融機関の応札額が届かない「札割れ」が生じた。短期国債市場では資金の出し手が金利分を負担するマイナス金利に陥っている。国債の出し手である民間金融機関にとっては有利な状況にもかかわらず札割れが生じた。
17日の国債買い入れ入札は3兆円の購入枠に対して2.6兆円分の応札しかなかった。国債売買とは異なる日銀の資金供給策では札割れが頻発しているが、異次元緩和の柱である国債の買い入れで初めて札割れが起きた。
日銀の国債の大量購入で、短期国債の流通量が減っていたことが主因だ。世界的な金融市場の動揺で、安全資産として短期国債の需要も強まっていた。今後はより長い期間の国債でマイナス金利が生じる可能性がある。札割れ後、新発2年物国債利回りは前日比0.030%低い0.005%と過去最低まで急低下した。
[日経新聞10月18日朝刊P.5]
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短期国債のマイナス利回り 金利押し下げ TIBORや2年債で低下
国庫短期証券(短期国債)のマイナス利回りが金利を全体的に押し下げている。銀行の貸出金利の基準となる東京銀行間取引金利(TIBOR)は5カ月半ぶりに低下した14日に続き15日も下がった。新発2年物国債の利回りも1年7カ月ぶりの水準に低下するなど、短期国債における異例のマイナス利回りが、すでに低水準だった他の金利も押し下げ始めた。
10月も短期国債のマイナス利回りが続いている。14日には日銀による短期国債の買い入れで6回連続となるマイナス金利が一部の銘柄で生じた。15日には新発6カ月物短期国債がマイナス0.005%の利回りで売買が成立した。
財務省が15日実施した1年物短期国債の入札は最高落札利回りが0.0020%と1年物としては9年4カ月ぶりの低水準。日銀による大量の買い入れで市場に流通する短期国債が減っているため、入札で確保しようとする動きが目立つ。
短期国債のマイナス金利の長期化は、他の金利も押し下げ始めた。企業への貸出金利の基準となるTIBORのうち、指標性の高いユーロ円TIBOR3カ月物は0.20600%。前日比0.00200%低く、8年5カ月ぶりの低水準になった。ユーロ円TIBORは2日続けて1カ月〜12カ月物で低下するなど、幅広い期間の金利が押し下げられている。
TIBORの低下について東短リサーチの加藤出氏は「10月には短期国債の利回りが上昇するとみていた金融機関が、10月に入っても上がらない現状を受けて提示金利を引き下げた」とみる。TIBORの低下は企業の資金調達コスト低下につながる可能性もある。
短期国債の利回り低下は、より長い年限の国債にも波及している。新発2年物国債の利回りは15日、前日比0.010%低い0.035%と、2013年3月28日以来1年7カ月ぶりの低水準になった。
バークレイズ証券の福永顕人氏は「短期国債のマイナス利回りを受け、短期国債の代わりに2年債などを買う動きが広がっている」と指摘する。
市場では短期国債と同様に、2年物国債もマイナス利回りになる可能性も意識され始めている。
[日経新聞10月16日朝刊P.17]
- 金利1%上昇で7.6兆円の評価損 銀行・信金、日銀が試算:有力企業の借入需要が限定的で日銀が−金利で国債を買うのに?? あっしら 2014/10/20 05:19:57
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