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(回答先: 機械受注の大幅落ち込み 過去の消費増税より悪影響は大きい(ZAKZAK) 投稿者 かさっこ地蔵 日時 2014 年 7 月 16 日 14:50:10)
1〜3月期は設備投資が増大した。中心はパソコンなどの情報機器投資で、4月からの消費税増税を避ける駆け込み需要である。
本来なら、「仕入に係わる消費税額」は「売上に係わる消費税額」から控除できるので、いつ買っても同じハズだが、ことはそう単純な話ではないので、できるだけ安く買うようにする。仕入で転嫁された消費税増税分を売上で転嫁できるかどうかはわからないから当然の判断である。
消費税制度を新たな利益源としているグローバル企業は別だが、消費税の税率は、一般企業の債務履行に大きな影響を与える。
簡単に説明すると、利払いや元本の返済といった債務の履行は、人件費と同じように、消費税の課税ベースである付加価値を原資としているからである。
利払いと元本返済の合計が100万円だとする。(わかりやすくするためざっくりとした説明にしているので、詳細のいい加減さには目をつぶっていただきたい)
消費税税率0%(消費税がない)であれば、付加価値を人件費の他に100万円稼げば、最終利益の計上はムリでも、債務の履行はできる。
消費税税率が5%だと、同じ額の債務履行のために稼がなければならない付加価値は105万円になる。かたちとしては、100万円の債務履行費と5万円の消費税額である。
消費税税率が8%になると、債務履行のために稼がなければならない余分の付加価値は108万円になる。経理上の内訳は、100万円の債務履行費と8万円の消費税額である。
逆方向で説明すると、債務履行のために、消費税税率5%のときと同じ105万円稼いだとしても、105万円×8%の8.4万円を消費税として納付しなければならないので、債務履行に使える残額は96.6万円ということになる。
この場合、オーナーの手持ち資金があったり別の借り入れができたりすれば別だが、それらがムリなら、債務不履行に陥る。(利払いさえすれば、銀行は経営状況を見て猶予するが)
このような仕組みが、97年の消費税増税でその秋に「金融危機」が勃発した直接的原因である。(不良債権処理の遅れで銀行の経営基盤が劣化していたことが下敷き)
債務履行以上に大きな影響を与えるのが人件費である。
人件費も、利払いや元本返済と同じように、(通常なら)稼いだ付加価値を原資とする。
消費税率のアップは、債務履行の困難度を増大させるのと同じように、人件費支払いの困難度を増大させるのである。
消費税がないときの人件費が1千万円の企業だとする。
消費税が10%になったとき、同じ1千万円の人件費を支払うためには、百万円余分に付加価値を稼がなければならない。
(ネットの人件費1千万円と10%の消費税分百万円合わせて1千百万円の付加価値が必要という話)
付加価値を現実化するのは売上である。
消費税増税に伴い、可処分所得が同じであっても、実質の総需要は減少する。(政府はそれを財政支出で補おうとするが、お金の行き先が家計になる割合は低いので思うように補えない)
何より、消費税増税で増える納付税額の数十%が、グローバル企業向けに「輸出免税」を理由にした消費税軽減及び還付金という国家詐欺に使われるのだから、国民経済的循環がガタガタになるのは当然である。
消費税増税が社会保障制度の持続性や財政健全化に役立つと少しでも信じている国民が多数派である限り、日本は、沈没に向かってよろよろと航海を続けることになる。
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