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残業代稼ぐために社員が偽装「早出のトリック」〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140624-00000009-sasahi-bus_all
AERA 2014年6月30日号より抜粋
企業の間で、残業を抑制する動きが広がっている。人件費を削減する意図はもちろんある。ただ、最近はサービス残業や過労死といった“ブラック”な実態が、大手企業にも存在することが発覚。そんな企業は容赦のない批判にさらされるため、ワークライフバランスに取り組まざるを得ないのが実態だ。
社員証をICカード化し、オフィスへの出入り時刻を記録したり、パソコンのログイン、ログアウトの時刻で勤怠管理をしたりと、企業はあの手この手で社員の勤務時間を捕捉し、残業減らしに神経をとがらせる。
しかしそんな一方で、会社の時間管理の“包囲網”をかいくぐり、残業代稼ぎに走る猛者もいる。
ある大手メーカーの人事担当者が明かすのは、「早出のトリック」だ。この企業では夜間の残業を抑制する代わりに、早朝から定時始業時刻までの時間帯に割増賃金を払っている。夜の残業は、ついダラダラと続いてしまいがちなため、朝の限られた時間に前日の残務やその日の行動計画作成を効率的にこなしてほしい、との狙いからだ。最近、こうした「朝残業」が広がりつつある。とはいえ、眠気に負ける社員も少なくないと見え、早朝のオフィスの人影はまばら。ある社員は、そこを突いて残業代を稼いでいた。
同僚にICカード式の社員証を渡し、自分の出勤時刻の記録を“偽装”したのだ。1年以上にわたって繰り返し、50万円以上のカラ残業代を稼いでいた。発覚後、その社員は係長からヒラに降格にされたという。
ある楽器メーカーの女性社員は、フレックスタイム制を巧みに利用し、残業代を稼ぐ。フレックス制は自分の都合に合わせて、始業や終業時間をずらすことができる。この女性の勤務は、おおむね1日11時間。女性はあえて午前11時に出社し、午後11時に退社するよう調整している。
労働基準法が午後10時以降の深夜労働に対し、時間給の50%増しの残業代を払うよう定めていることを知っているからだ。女性の場合、深夜労働分はわずかに1時間だが、
「チリも積もれば山、ですよ」
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