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デフレ脱却後にすべきこと:5年先の期待成長率が1%近傍で低迷のため設備投資性向は50%近くまで低下
http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/269.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 6 月 03 日 02:07:19: Mo7ApAlflbQ6s
 


[核心]デフレ脱却後にすべきこと
企業を走らす仕掛けが鍵 編集委員 滝田洋一

 安倍晋三政権は、昨年打ち出した「日本再興戦略」の第2弾を月内に発表する。焦点は企業。攻めの経営をどう後押しするかが試されている。
 政府の戦略づくりを先取りする形で、5月23日に自民党の日本経済再生本部が成長戦略を発表した。「日本再生ビジョン」と題する戦略の筆を執ったのは塩崎恭久政調会長代理である。
 公的年金の運用に携わる年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の改革を明言している。現在の運用の大半は日本国債はじめ債券。その比率を減らし、株式のウエートを高める。
 株式市場にとって朗報だが、株価維持策(PKO)を疑う向きもある。公的年金を管理する厚生労働省には警戒感が強い。株式運用に失敗し穴を開けたら、指弾されるからだ。
 そこで再生ビジョンは、GPIFの体制を抜本改革し、資産運用のプロによる運用委員会を立ち上げることをうたった。公的年金の運用改革に関する有識者会議(座長・伊藤隆敏東大教授=当時)が昨年11月にまとめた改革提言を踏まえた。

 安倍首相は本気である。1月のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)で、法人税減税と並んで、GPIF改革を明言している。株式など成長資産へのシフトは官邸の方針だ。
 日本企業の収益性と生産性の低さを克服する。そのためには金融・株式市場を活用するのが、今年の成長戦略の隠し味のようだ。
 専門職の労働時間規制を外すなど、働く現場の生産性を高める。法人税の課税ベースを拡大しつつ、税率を引き下げ、稼ぐ企業を後押しする。国家戦略特区を活用し、岩盤規制に穴を開ける。

 もうひとつ、肝心な課題がある。企業が稼いだカネを、次の成長に役立てるために使わせる仕掛けだ。企業に優しい太陽政策だけでなく、背中を押す北風政策も焦点になっている。例えばコーポレートガバナンス(企業統治)改革である。
 再生ビジョンが挙げるのは、社外の声を反映する独立社外取締役の導入推進であり、株式持ち合いや物言わぬ株主の解消、銀行による株主保有制限の強化である。GPIF改革もこの文脈に位置付けられている。年金運用の受託者であるGPIFが、企業経営者との建設的対話を通じて企業収益を向上させるとともに、資金運用の実績を改善させようというのである。
 株主の声を反映する戦略としては、機関投資家が受託者としての責任(スチュワードシップ)を果たし、企業収益向上の声を高めることを求めている。再生ビジョンは機関投資家については、株主総会での投票方針や投票結果を開示すべきだと指摘している。

 第1次安倍政権で官房長官を務めた塩崎氏はとんがった改革派。政府・自民党全体でみると、そこまではいかない。そんな見方が多いが、本当だろうか。
 麻生太郎財務相が「法人税を減税しても企業の内部留保に充てられては何の意味もない」と述べ、「コーポレートガバナンスが必要」と強調していることに注目したい。麻生氏は金融相も兼任するが、その金融庁がいま活発に動いている。
 安倍政権の下で官邸への影響力を増した経済産業省は、経済産業政策局長の肝いりで「日本の『稼ぐ力』創出研究会」を立ち上げた。座長は伊藤元重東大教授。研究会メンバーである伊藤邦雄一橋大教授を座長に「企業と投資家の望ましい関係構築」の研究会も走らせている。問題意識は明らかだ。
 米英では資本の再配分や企業の参入・退出で産業の新陳代謝が促進され、全体の生産性が高まった。これに対し我が国では企業ごとに生産性を高める努力をしているものの、産業全体の新陳代謝の機能は弱い。
 新陳代謝の鍵は「コーポレートガバナンスと産業金融の一体改革」である。企業と投資家の間で「緊張と協調」の関係を促す。企業を中長期的に成長させる資金供給の仕組みを再構築する。経産省幹部は「今年の成長戦略の柱は稼ぐ力の復活にある」と断じる。
 企業のガバナンスはこれまでリベラルな学者や弁護士のおはこだった。米系ファンドなど物言う株主にはウンザリという経営者も多いだろう。ところが保守の理念を掲げる安倍政権が一丸となって、このテーマに取り組んでいるのだ。構図は政労使の3者協議を立ち上げ、企業に賃上げを促したのとよく似ている。

 まず行き過ぎた円高と株安を是正し、企業収益を回復させる。そのうえで、給与増を促すことによって個人消費を元気づける。アベノミクスはここまできた。4月の消費税引き上げ後の個人消費も、スーパーの飲食料品の売り上げなどをみると持ち直しつつある。

 景気の好循環が企業の設備投資に及べばよいが、その道は平たんではない。5年先の期待成長率が1%前後まで下がるなか、企業のキャッシュフロー(現金収支)に対する設備投資の比率は50%近くまで低下している、と大和総研はいう。
 成長の天井を突破しないと次に進めない。企業が経営資源を有効に活用することで経済の前向きな循環に弾みをつける必要がある。
 安倍首相はそうしたメカニズムを十分に承知していよう。政府の成長戦略の成否は、経営者や投資家にその全体像を得心させられるかにかかってくる。

[日経新聞6月2日朝刊P.4]

 

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コメント
 
01. 2014年6月03日 09:23:16 : nJF6kGWndY

日本はオーガニックグロース主体で、経営者の既得権保護が強くM&Aが進みにくい

それが成長を阻害していることは間違いないが、一方で、賃金格差の低さは、国民の幸福度を、あまり下げないと言う点では貢献している


http://diamond.jp/articles/print/53965 【第175回】 2014年6月3日 小川 たまか [編集・ライター/プレスラボ取締役]
日本人の幸福感の平均値は6.2点 なぜ女性は男性より幸せなのか
しない? 幸せのかたちは人それぞれ。だから、幸せを点数にして計るなんてナンセンス……とはいえ、できれば何でも目に見えるかたちにしてしまいたいと思うのが現代人の常だ。先日、カルチュア・コンビニエンス・クラブが行った「幸せに関するアンケート調査」によって、幸せを点数化したときの、年齢や性別差による違いが明らかになった。あなたはこの結果に納得する? 
アンケートは、Tカードを利用している全国10〜70代までの男女1525人を対象にインターネットで行ったもの。調査期間は5月16日〜20日。 
幸福感の男女差が最も大きいのは50代
「幸せ」と「収入」を関連付ける男性
調査によると、幸福感の平均値は10点満点で6.2点という結果に。ただし、男女別で見ると男性が5.92点、女性が6.42点で、女性の方が幸福感が強いことが明らかになった。10代〜60代以上まで、どの年代においても幸福感を感じているのは男性より女性の方が多かった。最も男女差が大きかったのは50代で、男性が5.77点、女性が6.62点。60代になると男性の幸福感がぐっと上がり、男性6.94点、女性7.05点で、男女差が最も少なくなる。 

なぜ男女間で幸福感の差が生まれているのだろうか。性別・年代別に聞いた「幸せのために必要なこと」の上位3項目を見ると、男性の場合は20〜50代まで1位はすべて「収入」。60代以上のみ、1位が「健康」で、2位が「収入」となった。女性の場合、「収入」が1位だったのは20代のみ。30代の1位は「精神的なゆとり」で、40代〜60代以上は「健康」。30代〜60代以上は「収入」が3位だった。また、男性は30代〜50代の3位が「配偶者・パートナー」だったが、女性の場合はどの年代においても3位までに「配偶者・パートナー」はランクインしなかった。 
この結果についてはいろいろな考え方ができるだろうが、ひとつ考えられるのは、出産や育児によって一時的にであっても仕事から離れることがある女性の場合、自分の努力がそのまま「収入」につながりづらいという一面がある。それに対し、男性の場合は良くも悪くも収入=努力の結果と捉えられてしまいがちだ。本人が「自分の幸せに収入は関係ない」と思いたくとも、世間がそう見てくれないため結果的に収入にこだわってしまうこともありそうだ。 
収入は数字という目に見えるかたちで表れるため、収入の多さが幸せにつながるという基準は心理的な負担が大きいだろう。男性の心理的な負担を減らすためにも、30代以上の女性たちが収入よりも「精神的なゆとり」や「健康」の方が幸せにつながると感じていることは、もっと周知されるべきではないか。 
20代、40代は幸福感が低い?
老後は幸福感が高くなる傾向
次に、年齢別の幸福感も見てみよう。男女ともに、年代による幸福感の増減は全く同じ。20代が低く、いったん30代で高くなり、40代でまた下降、50代、60代にかけて幸福感は上昇する。まさに人生山あり谷あり、といった感の折れ線グラフになっており、最終的に折れ線が右肩上がりになっていることに少しホッとする感もある。 

老後の幸福感が最も高いというのは喜ぶべきことではあるが、若年層からは「自分たちが60代になったときに今の60代よりも年金の額は少ない。自分たちの時代に、そんなに幸福感が高いのか」という声が聞こえてきそうだ。 
ところで、先日ネット上でやや話題になっていたのが 「lifetime」というサイト。自分の生年月日やライフイベントなどを入力すると、人生を1日にたとえた場合、今自分は「何時にいるのか」や、これまでの人生の象徴的なシーンを振り返ることができる。今年34歳の筆者は、自分ではすでに人生の後半に差し掛かった気分でいたが、まだ「9時35分」と、ちょうど始業ぐらいの時間帯だったことに驚き、少し元気が出た。捉え方次第で、考え方次第で自分の気持ちは変わるもの。当たり前のことだが、自分の人生をどう捉えるかは自分次第ということを忘れないようにしたい。
小川たまか) (プレスラボ


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