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(回答先: 藤巻健史 「日銀が国債を買えばいい」 ねずみ講と同じ?〈週刊朝日〉 投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 3 月 24 日 11:50:12)
“伝説のディーラー”だったのかもしれないが、藤巻健史参議院議員は経済の現実をまったく理解していないようだ。
麻生財務大臣:「これだけ大量に国債を発行しているのに、長期金利が低位安定している。この理由を説明できた経済学者は一人もいない。日本国債には借用があるのだから、今後とも国債発行に関しては心配していない」
藤巻参議院議員:「経済学者には難しくても、元ディーラーの私なら簡単に説明できる。日本銀行が大量に国債を買っているからだ」
麻生財務大臣の長期金利が低位安定している理由を説明できた経済学者は一人もいないという答弁は、お得意の漫談でありガセであろう。
日本経済が98年から続く長期のデフレに嵌ってしまった理由をきちんと説明できた経済学者はいないかもしれないが、長期金利が低い理由を説明するのはそれほど難しいことではない。
低金利であるワケは、政府部門はあとの問題として切り分け、民間部門における資金の需要と供給の関係で簡単に説明できるからである。
日本(円)の長期金利が低い状況を説明する藤巻参議院議員のコア部分は、日本銀行が大量に国債を買っているからというものだが、失礼ながらディーラーレベルの発想であり、経済論理を踏まえたものとは言えない。
なぜなら、日本銀行が国債を大量に買って支払った代金は、そのほとんどが“使われる”ことなく、日銀当座預金として積み上がっているからである。
この事実は、日本円に対する需要(借り手)が小さく、銀行は資産として現金を保有していてもなかなか貸し出しなど運用に使うことができないことを意味している。
このことから、日本銀行が大量に国債を買っているからという藤巻参議院議員の説明は、低金利が続く説明にはなっていないのである。
藤巻参議院議員の説明は、低金利傾向をより強めている理由にはなるが、低金利水準にある理由を解き明かしたものとは言えない。
経緯をたどれば、銀行は、貸し出し残高が減少する傾向が続いたからこそ、日本円を唯一安定的に運用できる資産として国債を買いまくったのである。
そして、銀行の貸し出しが不調になった原因は、1997年までは最大の借り手であった企業部門が1998年からは真っ逆さまの最大の貸し手になったことにある。
97年までは家計の貯蓄を企業に貸し出すことで、日本経済の資金循環が行われていた。それが、97年4月の消費税増税を契機に陥ったデフレにより、企業は設備投資をよりいっそう控える一方で利益の内部留保を進めるようになった。
日本の政府債務残高が急速に増大したのは、このような資金循環状況のなか、GDPの落ち込みを防ぎ、銀行の経営悪化を防ぐため、“不必要なレベル”まで赤字国債を発行し続けてきたからに他ならない。
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