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(回答先: ビットコインは「インチキ」か 日銀出身の経済学者が解説(Book Cafe 矢来町ぐるり) 投稿者 かさっこ地蔵 日時 2014 年 3 月 10 日 13:36:42)
【引用】
「岩村教授は、「ビットコインは金貨と同じ実物貨幣である」と考えている。どういうことか?
「貨幣には、金貨のような実物貨幣と、紙幣のような信用貨幣の2種類ある。ビットコインの価値は、発行主体の信用に依存しているわけではなく、ネット上の数式問題を解く〈発掘〉コストから生じていると考えられるので、金貨と同じ実物貨幣に分類できる」
「つまりビットコインを発見するための計算処理費用が、ビットコインの限界費用価格、つまり市場価格だと考えることができる」 」
【コメント】
岩村教授の説明は、ビットコインは労働価値の裏付けがあるから、貨幣としてもインチキではないと要約できるだろう。
実物貨幣である金も、金鉱脈を発見し採掘し精錬する費用が価値の根源的裏付けであり、それによって市場価格も規定されている。
(平均コスト未満では新しい金の供給は低コスト金鉱からに限られることで市場価格が維持される。金貨幣の交換価値も、他の財やサービスのコスト=労働価値とのバランスで決まる)
だからといって、ビットコインが「金貨と同じ実物貨幣に分類できる」というのは錯誤である。
岩村教授の論が正当なら、「労働証書」や「お使い券」も実物貨幣になりえるからである。
岩村教授は、「ビットコインの価値は、発行主体の信用に依存しているわけではなく」と書いているが、それは正しい。しかし、だからといって実物貨幣と言えるわけではない。
ビットコインは、グローバル化し今なお膨張を続ける“インターネット世界”(そこと接点を持つ「リアル世界」も)の取引(販売・供給)主体の一定量がその受け取りを表明していることで“貨幣的信用性”が付与されているにすぎない。
岩村教授の「ビットコインは、2100万個ぐらいで流通量が飽和点に達する仕組みだ。すでに1000万個以上のコインが〈発掘〉されており、この先〈発掘〉が進めば進むほど、そのコストが急激に上がる仕掛けになっている」。「それが、ビットコインの〈骨董品化〉を招いてしまう危険がある。つまり、ビットコインが稀少になり過ぎることにより、その価値が限界費用価格と切り離され、限られた人々の間で、あたかも骨董品のような感覚で取り引きされるようになってしまうのではないか」というのは、特定サークルで繰り返し通用する“汎用商品券”としても重要な指摘である。
ビットコインは貨幣ではないからどうでもいいが、数量が限定されている支払い手段が“値上がり”期待の対象となり退蔵されるようになれば、経済社会は停滞してしまう。
そうなれば、“汎用商品券”としても機能しなくなり、価値保存機能も一時的で、早晩泡がはじけることになる。
記者は、「かつて経済学者ハイエクが唱えた通貨間自由競争の時代が、ついに幕を開けたのかも知れない」とまとめているが、主要国で納税の手段としてそのままは使えない“モノ”が貨幣のポジション を占めることはない。
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