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日中韓FTAの話は、日本の政策担当者にとってたぶん幸いなことなのだろうが、政治的対立の陰に隠れてほとんど話題に上ってこない。
日中韓FTA交渉は、日本が今後アジアのみならず世界においてどのような産業的地位を占めるのかというビジョンなしでは成功はおぼつかないと考えている。
世界屈指の技術産業大国である日本は、対中国・対韓国において優位に立っている。この条件を活かしつつ、3ヶ国間でどのような国際分業を実現していくのかという構想が必要である。
それなしに、ただただ現在の権益を守ろうとすれば、将来に禍根を残すことになる。
韓国はともかく、中国は、一つ一つ確実に、主要産業分野で日本の技術力・産業力に追いついてくるからである。
中国に対し、日本の得意分野を開発投資の標的にさせることなく、その分野の製品は日本から輸入した方が“得”と思わせる必要がある。
その代償として、日本は、汎用家電製品などの関税障壁を太っ腹でなくさなければならない。
そのための“防衛策”が消費税増税でもある。(消費税は対外的には輸入関税と同じ働きをする)
※ 農産物関税を巡る駆け引き
記事のなかから、日中韓FTAで焦点となる問題とりわけ農産品に関する解説を抜粋する。
「 中日韓にとって、農業は最も重要な難題だ。日本は農業で大きな譲歩を避ける可能性が高い。日本にとって、農業は敏感な産業で、国内産業の利益に関連してくる。中国の代表者は以前、「3カ国の敏感な産業の処理は、今後の交渉が直面する大きな課題となる」と指摘していた。日本の敏感な産業には農業、製鉄、エネルギーなどが含まれる。韓国は農業、エネルギー、衣料品・紡績などの加工業、中国は化学工業、自動車、サービス業が敏感な産業だ。相手国の敏感な産業と商品の処理は、難易度の高い技術的な問題だ。」
「 第4回会合の最大の焦点となっているのは、関税撤廃品目だ。日本は農産物保護の見地から、すべての税目に統一的な関税撤廃比率を設定するよう求めているが、中国側はこれに譲歩せず、工業製品と農産物にはそれぞれの目標値を設定すべきと主張している。日本の税関当局には9018の関税品目があり、そのうち農産物が2419品目を占めている。日本側の関税90%撤廃という提案に基づき計算した場合、確かに自由化が進められるが、900以上の関税保留品目が農産物に設定されることになる。逆に中国側の提案に従い、農産物の関税撤廃比率を80%に設定した場合、日本は480余りの農産物しか保護できなくなる。」
「日本は、日米の関税問題を巡る大きな不一致によるTPP交渉の遅れが長期化することで、中国側の立場が強硬になることを懸念している。日本側は、中国が日本に対して、長く保護されてきた農産物(水産物を含む)市場を開放するよう強く求めていると発表した。」
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中日韓FTA第4回会合 関税撤廃品目が焦点
2014年03月04日17:01
中日韓自由貿易協定(FTA)第4回会合が、3月4日から7日にかけて韓国の首都ソウルで開催される。各国の代表者は今回の会合で進展が得られることに期待を示している。経済参考報が伝えた。
中日韓は2012年11月にカンボジアで経済貿易担当大臣会合を開き、FTA交渉の開始を宣言した。その後、2013年3月、7−8月、11月に、3カ国は第1−3回会合を開いた。第1回会合では3カ国の交渉の基本的な原則と方針を定め、第2回会合では交渉範囲と商品の進出の手段について検討し、第3回会合では商品の基本的な方針について議論した。
中国商務部(省)の沈丹陽報道官はこのほど、今年の中日韓FTA交渉の計画について説明した。今年はさらに3回の会合を開催し、3カ国は貨物、サービス、投資、その他の関連議題について議論を継続することになる。報道によると、中国商務部(商務省)部長補佐の王受文氏、日本外務省外務審議官の長嶺安政氏、韓国産業通商資源部通商交渉室長の禹泰熙氏が、中日韓の代表団を率いて第4回会合に出席する。
韓国聯合ニュースの報道によると、韓国産業通商資源部は2月25日、「中日韓自由貿易協定第4回会合では、商品・サービス・投資・競争・知的財産権の作業部会、環境・政府調達・EC・食品の専門家会合が開かれる」と表明した。日本経済新聞は、第4回会合は関税を巡り議論を展開すると伝えた。
第4回会合の最大の焦点となっているのは、関税撤廃品目だ。日本は農産物保護の見地から、すべての税目に統一的な関税撤廃比率を設定するよう求めているが、中国側はこれに譲歩せず、工業製品と農産物にはそれぞれの目標値を設定すべきと主張している。日本の税関当局には9018の関税品目があり、そのうち農産物が2419品目を占めている。日本側の関税90%撤廃という提案に基づき計算した場合、確かに自由化が進められるが、900以上の関税保留品目が農産物に設定されることになる。逆に中国側の提案に従い、農産物の関税撤廃比率を80%に設定した場合、日本は480余りの農産物しか保護できなくなる。
日本は中日韓FTA交渉に参加すると同時に、米国主導のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉にも参加している。TPPの範囲は中日韓FTAを上回るため、中韓両国はTPP交渉に加わっていない。日本はTPP交渉に早急に溶け込み、より大きな戦略的利益を得ようとしている。ゆえに日本が中韓にTPPを上回る多くのメリットを与える可能性はないが、日本は中日韓FTA交渉によりTPP交渉のコマを獲得できる。
市場参入などの問題で大きな不一致が存在することから、日米両国はこのほどシンガポールで開かれた閣僚会合で成果を得られなかった。日本は、日米の関税問題を巡る大きな不一致によるTPP交渉の遅れが長期化することで、中国側の立場が強硬になることを懸念している。日本側は、中国が日本に対して、長く保護されてきた農産物(水産物を含む)市場を開放するよう強く求めていると発表した。韓国産業通商資源部の高官は、「日本は韓中自由貿易協定の進展に関心を寄せているため、今回の会合ではこれまでよりも積極的になる可能性がある」と指摘した。
中日韓にとって、農業は最も重要な難題だ。日本は農業で大きな譲歩を避ける可能性が高い。日本にとって、農業は敏感な産業で、国内産業の利益に関連してくる。中国の代表者は以前、「3カ国の敏感な産業の処理は、今後の交渉が直面する大きな課題となる」と指摘していた。日本の敏感な産業には農業、製鉄、エネルギーなどが含まれる。韓国は農業、エネルギー、衣料品・紡績などの加工業、中国は化学工業、自動車、サービス業が敏感な産業だ。相手国の敏感な産業と商品の処理は、難易度の高い技術的な問題だ。
中日韓自由貿易区の設立により、15億の人口と15兆ドルのGDPを擁する市場が形成される。3カ国の経済・貿易関係は、すでに日増しに緊密になっている。3カ国の2012年のGDPは計14兆3000億ドルに達し、世界の20%、アジアの70%を占めた。3カ国の輸出入額は、世界の35%を占める5兆4000億ドルに達した。しかし3カ国の貿易収支には、深刻な不均衡と貿易の壁が存在する。各国の貿易赤字に対する注目度も、3カ国の交渉の進展を左右する。
中日韓は他に、政治面でも相互信頼関係を強化する必要がある。日韓両国は中日韓自由貿易区に対して、複雑な心境を見せている。これらの要素は、交渉の進展に影響を及ぼすだろう。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年3月4日
http://j.people.com.cn/94476/8554149.html
- 韓国の船舶受注量 2カ月連続で世界首位=中国の倍以上:日本は内国船主向けと特殊船舶で2千万トン/年レベル維持を あっしら 2014/3/05 16:28:41
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