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(回答先: 不公平な日本の消費税(きっこのブログ) 投稿者 笑坊 日時 2014 年 2 月 27 日 21:24:28)
「軽減税率」問題で関係をもったので、今回もついでに触れさせていただく。
「不公平な日本の消費税」というタイトルだが、ブーイングの対象になっている問題はどこでも転がっているよくある話だし、日本の消費税のほうが、「軽減税率」がないぶん、逆に“公平”なのである。
きっこさんは、価格が税金だけで成り立っているわけではないことや、消費税が商品に課されている税ではないといった基本を理解していないように見受けられる。
「消費税の引き上げぶんを正しく加算するのなら、缶コーラや缶コーヒーは「123.428571円」で売らなきゃならないことになる」と書いているが、騙されやすい人の愚痴としては有効でも、消費税に関する法規定にそんな規制はない。
税負担も原価負担も事業者にとってはコストということでは同じであり、コストが下がったからといってわざわざ利益を減らす値下げに踏み切る必要はないし、消費税がアップしたからといって政府が値上げを保証してくれるわけでもない。
今回の発信で面白いのは、「軽減税率」を考える上で参考になるテーマを取り上げていることだ。
【引用】
「何しろ、今回の消費税の増税は、本来は消費税の課せられない「非課税」のものまで値上げしてしまうほどだからだ。「日本コカコーラ」が値上げを発表した2日前の25日、損害保険大手の「損保ジャパン」、「日本興亜損害保険」、「あいおいニッセイ同和損害保険」の3社が、4月1日からの消費税増税に対応するために、主力商品である自動車保険の保険料を値上げする方針を固めたと発表した。あたしは「えっ?」って思った。だって、自動車保険などの保険料って「非課税」のハズだからだ。
だけど、謎はすぐに解けた。各保険会社の説明によると、保険料そのものは「非課税」だけど、保険の代理店への手数料だの、事故を起こした自動車の修理費だのにはすべて消費税が課せられてて、それらがすべて8%へと引き上げられるから、保険会社の支払い額もそれに合せて引き上げられることになる。だから、そのぶん保険料を値上げして、契約者に負担してもらう‥‥ってワケだ。ちなみに、これも「日本コカコーラ」と同じく、「他社も同じような対応を余儀なくされるだろう」って書かれてた。」
【コメント】
騙されやすいひとは、たいていころっと騙されるものだと微笑んでしまう。
「保険料そのものは「非課税」だけど、保険の代理店への手数料だの、事故を起こした自動車の修理費だのにはすべて消費税が課せられてて、それらがすべて8%へと引き上げられるから、保険会社の支払い額もそれに合せて引き上げられることになる。だから、そのぶん保険料を値上げして、契約者に負担してもらう」という説明を簡単に受け容れてしまうようでは心許ない。
保険料“収入”は非課税だから、課税なら修理費などの経費に転嫁されていると税務署が認めてくれる消費税額を控除することはできない。このような意味で、保険会社の説明はとりあえず成立する。
しかし、修理費も、他の商品やサービスと同じように、消費税だけで成り立っているわけではない。
消費税の税率アップは確かな事実と言えても、消費税アップ後に修理費だのの消費税転嫁分を合わせた総額が上がるかどうかは未定なのである。
逆の事態を考えるとわかるやすいかもしれない。
ここ15年以上物価(消費税込み)は下落傾向にあった。ネット販売を中心に価格競争で保険料の下落はあったが、修理費だのが安くなったから保険料を下げたという話は聞かない。
保険会社が負担する修理費などが税込総額で増加すると決まっているわけでないことに加え、保険会社は負担する修理費などが税込総額で減少する経済状況にあっても保険料を下げなかったのだから、今回の保険料値上げがどのようなワケで行われるのか不明である。(ただたんに、消費税増税を好機として保険料を上げたいのかもしれない)
保険会社が修理費などの経費に関する明細を公開しない限り、消費税増税に伴う保険料引き上げに関する説明が妥当なものかどうかはわからない。
なぜこのような話を書いているかと言えば、ある商品への「軽減税率」の適用が、ある商品の価格引き下げにつながるというきっこさんの思い込みと共通するものがあると思うからである。
保険会社の曖昧な説明を受け容れたきっこさんは、「軽減税率」の適用を受けたのに新聞購読料が下がらないという文句に、「一般消費税がアップして新聞をつくるために必要な原材料の価格が上がったので購読料の引き下げはムリなんです。でも、消費税が上がっても購読料を引き上げずに済んでいるのは、軽減税率が適用されたおかげなんですよ」といったデタラメな説明も受け容れてしまうだろう。
そして、結語が、またもや「軽減税率」賛美なのにはゲンナリさせられる。
【引用】
「他の多くの先進国のように「軽減税率」を導入するか、イギリスのように食べ物や飲み物、医薬品や書籍、電車やバスの運賃などの生活必需品を「非課税」にすれば、こんな不公平な徴収方法をしなくても良くなると思う今日この頃なのだ」
【コメント】
まず、「非課税」と「ゼロ%の軽減税率」とは異なるものである。英国の話は、「ゼロ%の軽減税率」であり「非課税」ではない。
それはともかく、「軽減税率」や「非課税」は、きっこさんがブーイングを発している“不公平”を解消するものではないどころか、不公平をより増幅してしまう制度なのである。
※ 参照投稿
「「きっこのブログ」批判:低所得者対策というウソをまとった「軽減税率」制度は特定企業への究極の“バラマキ”政策」
http://www.asyura2.com/14/hasan85/msg/844.html
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