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なぜ、日本経済の予測に、福島第一原発の収束、処理コストは織り込まれないのか?
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2014/11/06 誰も通らない裏道
昨晩、出版社の書籍部門の編集長二人と話す機会があった(それぞれ別の会社)。
そこで、かねて疑問だったことを訊ねてみた。
私は現在、仕事柄いろいろな版元の電子書籍データを読む。
ジャンルは多岐にわたるが、その中には経済関係の本も多い。これらの本は日本経済の行方について楽観的なものもあれば悲観的なものもあり、「なるほどな」と思うこともままあるのだが、ただ一つ私の心の中にある最大の疑問についてきちんと解答なり見通しなりを書いてくれた本には、(ここまで読んだ範囲内では)出会っていない。
その疑問とは、福島第一原発の破局事故が日本経済に与える影響についてである。
小出裕章先生は、事故後の早い段階で「すでに東京電力が何回倒産しても、たとえ日本という国家が破産しても贖いきれないほどの被害がすでに出ている」と指摘されている。
いや、その指摘自体が間違っていると言う意見もあるかもしれない。
しかし、小出先生は「破局事故は絶対に起こらない」と断言していた原子力ムラの連中に対して、「破局事故の可能性」を常に指摘してきた学者なわけで、しかもそれは非常に残念な形で証明されてしまった。
であれば、少なくとも正しかった側の人の意見を傾聴するのは真っ当な感覚だと思う(小泉純一郎や細川護煕はそうした部類に入る)。
そしてもし小出先生の指摘が正しければ、ちょっとやそっと株価が上がろうが、アベノミクスとやらがたまさか成功しようが(私にはとてもそうは思えないが)、そんなものは吹っ飛んでしまうことになる。
私は経済については素人であるが、福島第一原発の収束、処理についていえば、少なくとも自分が生きているうちにすべて終わることはないと断言できる。
溶け落ちた燃料はおそらく回収できないだろうし、最終的にはこれまた小出先生がおっしゃるように石棺を作らなければならないが、その前に1号機から3号機までの使用済燃料を4号機と同じように取り出さなければならない。が、こちらは原子炉がメルトスルーしているわけだから、その作業の困難さは4号機とは比較にならない。
といって、このままの状況を放置するわけにはいかない(といっても、現状は放置にほぼ近い状況だが)。そんなことをすれば国際的な大問題になる。
と、まあいろいろ考えると、この事態は当然、日本経済の先行きに大きな影響を与えると思うのだが、なにゆえに誰もそれについて考察しないのか?
その疑問を二人の編集長にぶつけてみたわけだが、期せずして出てきた答えは同じで、「そういう本当のことを書いてしまうと、元も子もないから」というものであった。
これは半ば予想した通りの答えではあったが、であればいまある経済予測などはすべて中途半端、かつ部分的な事象の解説でしかないことになる。
そして、とてつもない困難を見て見ぬふりをすればするほど、そのツケは将来世代にさらに重くのしかかる。
もっとも、三つの原子炉の破局事故というのは、そうそういつまでも見て見ぬふりをすることはできないとも思う。
チェルノブイリの場合、破局事故を起こしたのは一つの原子炉で、かつ石棺はとにもかくにも事故から7カ月後に完成している。にもかかわらず、当時のソ連邦はチェルノブイリの事故から5年後には崩壊してしまった。
もちろんその原因はチェルノブイリのみにあるわけではないが、小出先生は私の質問に対して「ソ連の崩壊には複合的な要因があるけれども、チェルノブイリもその一つであることは間違いない」と答えてくれた。
実際のところ、福島第一原発の破局処理にかかるコストはどれくらいなのか? もし大したことはないというなら、それはそれとしてどのぐらいのカネがかかるのか?
これだけの事故が起きたのだから、少なくともその数字を出す責任が国や電力会社にはあるし、それを彼らがしないのであれば、メディアがさまざまな角度から取材した上で叩き台としての数字でもいいから提示するべきではないだろうか。
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