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(回答先: サムスン視界不良 投稿者 あっしら 日時 2014 年 10 月 13 日 01:00:27)
中国スマホ韓国に挑む
立ちはだかるサムスン 低価格、割引規制追い風に
世界のスマートフォン(スマホ)市場で急速に存在感を高めている中国勢が、最大手サムスン電子の牙城である韓国に進出した。中国市場では地の利もあってサムスンのシェアを一気に侵食することに成功したが、「敵地」の韓国でも通用するかどうか。韓国政府が10月に導入したスマホ販売規制策は、中国メーカーが得意とする中・低価格機種の販売に有利といわれており、関係者の関心は高い。
「中国スマホの空襲が始まった」――。2013年のスマホ世界出荷台数で3位だった中国・華為技術(ファーウェイ)が14年9月下旬に韓国市場への参入を発表すると、韓国メディアの論調は警戒一色に染まった。サムスンは速報ベースでは7〜9月期まで4四半期連続で減益に追い込まれた。最大の要因が、華為技術をはじめ、中・低価格機を武器とする新興メーカーの躍進だった。
ライバル機より4割安く
華為技術が韓国進出を発表した翌日に売り出したスマホ「X3」の標準小売価格は52万8000ウォン(約5万3000円)で、サムスンの最先端機種「ギャラクシーノート4」より4割以上安い。
「中国のアップル」と呼ばれる北京小米科技(シャオミ)も韓国の通信会社と交渉中といわれ、年内にも韓国市場に参入する見通しだ。同社のスマホは高級感がありながら低価格という「コストパフォーマンス」のよさが中国の若者に受けてきた。
韓国のスマホ市場はこれまで、サムスンの独壇場だった。米調査会社IDCによると13年の韓国市場におけるスマホ出荷台数の64%がサムスン。同社を含め1〜3位に韓国メーカーが並び、計94%を占める。韓国の消費者は国内メーカーの製品を優先するといわれるが、それだけでなく、サムスンはいち早く高機能機を投入して幅広い支持を集めた。一方、スマホを世に出した米アップルは13年の韓国市場で、6%のシェアにとどまった。
スマホ販売に関する韓国での制度変更は中国メーカーへの追い風になりそうだ。韓国政府は10月1日、端末を販売する通信各社の過度な値引き競争を抑制する狙いで「端末機流通構造改善法」という法律を施行した。スマホ端末の割引幅を最高34万5000ウォンに制限すると同時に、長期通信契約を消費者と結ぶ場合などは中古品を含む低価格機も割引対象とするよう通信会社に義務付けた。メーカーの希望小売価格は高いが割引幅も大きかった韓国メーカーの高機能機には不利な仕組みで、従来は割引率が低めだった中・低価格機のメーカーには朗報といえる。
韓国の消費者の国内メーカーびいきはいつまでも続くのかわからない。韓国の乗用車市場でも、かつて現代・起亜自動車グループだけで7割のシェアを握るなど韓国メーカーが圧倒していたが、ここ数年で輸入車の存在感が着実に高まった。13年の韓国乗用車市場における輸入車のシェアは12%となり、5年前の2倍に達した。
揺らぐ国内ブランド優位
韓国で輸入車の人気が高まる背景には、欧州勢が得意とするディーゼル車のニーズが高まっているという事情がある。さらに、韓国が様々な国や地域と締結した自由貿易協定(FTA)の発効や韓国通貨ウォン高で国内価格が下落した。韓国の消費者の嗜好は多様化している。乗用車市場で起きた現象がそのままスマホにも当てはまると限らないが、韓国メーカーが「国内ブランドだから」という理由だけで高いシェアを維持できるとは言い切れなくなっていることは間違いない。
韓国市場では、基本ソフト(OS)の違いもスマホ販売でアップルが伸びない要因になった可能性がある。韓国メーカーの大半は米グーグルの「アンドロイド」を搭載しているが、アップルは独自仕様を採用している。これはOSにアンドロイドを使う端末からの買い替えをためらわせる一因になる。一方、中国メーカーのスマホのOSは大半が韓国メーカーと同じアンドロイドなので、アップルより有利だ。
中国メーカーに有利な材料は並ぶが、実際に韓国市場を開拓できるかどうかは不透明な部分が多い。迎え撃つサムスンは、高機能でも価格が手ごろな機種の投入を増やしていく方針で、韓国の消費者のニーズを逃さない可能性も十分にある。仮に乗用車市場と同じく中国ブランドなど輸入品のシェア拡大をスマホでも許せば、業績拡大ペースの減速が鮮明なサムスンにとって、経営上の頭痛の種がまた一つ増えることになる。
(ソウル支局 小倉健太郎)
[日経新聞10月12日朝刊P.12]
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