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サムスン視界不良
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投稿者 あっしら 日時 2014 年 10 月 13 日 01:00:27: Mo7ApAlflbQ6s
 


サムスン視界不良

(上) 王者苦悩「ライバルは半額」
スマホに新興勢力、中国では首位から転落 7〜9月営業益6割減

 韓国サムスン電子の業績悪化がとまらない。7日発表した2014年7〜9月期の連結営業利益速報値は4.1兆ウォン(約4100億円)で、前年同期比で6割減った。利益の大半を稼いできたスマートフォン(スマホ)事業の変調が大きい。サムスンにいま、何が起きているのか。
 「今年は圧倒的にマイクロマックスだね」。インド最大商都ムンバイにある20平方メートルほどの携帯端末販売店の共同店主、ファラーズ・ウプレタワラ氏は話す。マイクロマックスはインドのスマホメーカーだ。最近は1日40台程度の販売台数の6割が同社の機種だという。昨年はサムスン製が6割を占めたが、今は2割強まで落ち込んだ。
 サムスンの代表機種「ギャラクシー グランド2」の店頭価格は約1万7千ルピー(約3万円)。マイクロマックスの対抗機種「キャンバス エランザ2」の価格は半額程度だ。マイクロマックスはサービス拠点の少なさが弱みだったが、昨年来、大幅に増やし躍進した。ムンバイ在住の20歳代の女性は「マイクロマックスなど現地勢の製品は安いし、画面や構造が簡素で使いやすい」と話す。


一年で様変わり

 「小米(シャオミ)、小米、小米! 小米あるよ」。北京市有数のIT製品市場「百脳匯」。スマートフォン売り場を歩くと販売担当者が大きな声で薦めてきた。
 かつて「三星(サムスン)の最新機種あります」がうたい文句だったが、この一年で様変わりだ。「悩んでいるなら小米だよ。この性能で三星の半額だ」。担当者は小米の「小米4」とサムスン「ギャラクシーS5」を並べてささやいた。サムスンは販促品としてワイヤレス高性能スピーカーをつけるなどして対抗するが、伸びていない。

 サムスンはスマホ出荷台数シェアで世界首位。だが、新興国を中心にシェア低下が顕著だ。米調査会社IDCによると、4〜6月期の世界シェアは25.2%。前年同期比では7.1ポイントの低下だがインドでは同13.3ポイント、中国は同8.4ポイントそれぞれ低下した。インドでは首位を守ったが、中国は首位から3位に転落。レノボ・グループと小米がそれぞれ1位、2位に浮上した。

 世界中で攻める側だったサムスンが、お膝元の韓国市場で挑戦を受ける。9月末、中国・華為技術(ファーウェイ)が参入したのだ。携帯端末販売店の店員は「中国製に悪いイメージを持つ顧客もいるが、最近は安くて性能がいいので受け入れられるのでは」と話す。


いつか見た光景

 サムスンは米アップルと世界のスマホ市場を二分し、莫大な利益を享受してきた。市場を創出できるのはヒト・モノ・カネがそろった大企業に限られる。だが市場が育ち部品などのサプライチェーン(供給網)が整えば参入障壁が一気に低くなるのがデジタル時代。部品を調達して組み立てるだけで製品がつくれるため、世界各地で新興メーカーが勃興する。
 これはいつか見た光景だ。アナログ技術が詰まったブラウン管からデジタル技術の液晶テレビに移行すると新興勢力が台頭し、テレビはもうからない商品となった。スマホも「早くも成熟期を迎えている」との見方が多い。サムスンのスマホ事業の不振は一時的ではなく、構造的な問題だ。
 大幅減益とはいえ、7〜9月期に4000億円を超える利益を稼ぎ、売上高営業利益率も8.7%と、なお高水準にある。中核事業の一つである半導体事業は好調で、6日には1兆6千億円を投じて新工場を作る計画を発表するなど、投資余力も大きい。経営危機に直面した一部の日本の電機メーカーに比べると、経営基盤は盤石といえる。
 問題はこの先だ。「いまやサムスンは世界の上にそびえたっています」。李健熙(イ・ゴンヒ)会長は心筋梗塞で倒れる前の昨年6月、社員に送った訓示で「永遠の超一流企業」を目指そうと呼びかけた。

 創業者である父・李秉普iイ・ビョンチョル)氏の死去で経営を引き継いで四半世紀。業績好調でも危機を訴え続けた李会長にしては珍しい自画自賛だった。それからわずか1年余り。サムスンはいま、大きな岐路にさしかかっている。
 ソウル=小倉健太郎、北京=阿部哲也、ムンバイ=堀田隆文

[日経新聞10月8日朝刊P.9]
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(下) 「スマホの次」模索続く 手本なき事業創出 難題

 韓国・仁川空港近くにある工業団地で、ひときわ目立つ巨大工場の建設が進む。サムスン電子グループのバイオ医薬品製造受託会社、サムスンバイオロジクスが2016年の本格稼働をめざす第2工場だ。「完成するとバイオ医薬品の生産能力は世界3位になる」。同社の関係者は胸を張る。

 サムスンバイオは11年、製薬開発支援の米クインタイルズ・トランスナショナルと合弁で設立した。バイオ医薬品は高い治療効果があり副作用も少ないとされ市場拡大が期待される。サムスンバイオは生産能力3万リットルの第1工場を13年に稼働させたばかりだが、同15万リットルある第2工場の稼働で、生産能力は一気に6倍に増える。総投資額は約1000億円に上る。

 バイオ医薬品の量産は半導体と共通点がある。規模と高度な工程管理技術が競争力を左右する。巨額投資に耐える体力も不可欠だ。顧客や販路は異なるが、果敢な投資で半導体メモリー世界首位に上り詰めたビジネスモデルとの親和性は高い。
 「成長分野とはいえ、日本企業ならこんな投資は決断できないだろう」。日系の金融機関関係者はサムスンの決断に舌を巻く。スイスのロシュなどと医薬品の製造受託契約を結んで生産ノウハウの提供を受け第1工場で試験生産が始まった。
 スマートフォン(スマホ)の成長がいつまでも続かないことはサムスンも織り込み済みだ。李健熙(イ・ゴンヒ)会長は10年に「10年以内にサムスンを代表する製品は大部分がなくなる」と指摘し、重点投資する新事業5分野を選定した。バイオ医薬品はその一つだ。

 ただ、最も順調とされるこの事業でさえ「収益が出るのは16年以降」(サムスンバイオ)だ。
 残る4分野は自動車用電池、発光ダイオード(LED)、医療機器、太陽電池だが、成果が上がっているとは言い難い。太陽電池は中国勢の量産で市況が悪化し、一般的な結晶型タイプの生産を打ち切った。自動車用電池はライバルのLG化学に先行を許しているのが現状だ。

 サムスンの13年の連結売上高は228兆ウォン(約23兆円)。スマホが急成長したこの3年で5割近く増えた。売上高に占めるスマホ部門の割合は約6割。部材を供給する半導体、ディスプレー部門も含めればスマホ依存度はもっと高い。スマホ失速を補い、巨大組織を維持できるだけの経営の屋台骨探しは至難の業だ。
 「創造経営」。06年、李会長が掲げたスローガンだ。エレクトロニクス産業で世界の頂点が見えたサムスンに、かつての日本企業のような「お手本」はもうない。社員にイノベーター(革新者)であれと大号令をかけた。生みの苦しみが「先頭走者」になったサムスンに重くのしかかる。
(ソウル=小倉健太郎)

[日経新聞10月9日朝刊P.9]


 

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コメント
 
01. 2014年10月13日 10:42:48 : ytIWoEzSFI
サムソンは、電機業界の一発屋だな。

一発屋
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E7%99%BA%E5%B1%8B

★普通は芸能人やスポーツ選手に使うものだが。


02. 2014年11月12日 07:22:11 : jXbiWWJBCA

サムスングループ2社、相次ぎ「大型上場」
最大受益者は病床の会長の子供たちだが・・・
2014年11月12日(Wed) 玉置 直司
 2014年11月14日、サムスングループのSI(システムインテグレーション)関連企業であるサムスンSDSが上場する。12月18日には、グループ支配構造の頂点に立つ第一毛織も上場する。

 相次ぐ大型上場でグループに何が起きるのだろうか。

サムスンSDS、ポスコに匹敵する上場企業5位前後に?


 サムスンSDSは、サムスン電機が保有する株式を売却することで上場する。公募価格は1株19万ウォン(1円=10ウォン)だが、機関投資家、個人投資家が殺到し、競争率は100倍以上になった。

 14日の初値も、公募価格を上回るとの見方が強い。サムスンSDSの株式は、未公開企業の株式などを扱う場外市場で36万ウォン以上で取引されている。

 上場後の株価が、これに近い金額になれば、時価総額はポスコ(11月7日現在で26兆3304億ウォン)に匹敵する上場企業5位前後になる公算が大きい。

 サムスンSDSは2013年の売上高が7兆468億ウォン、営業利益が5056億ウォンという優良企業だ。

 サムスンSDSは韓国最大級のSI企業で、韓国のネット関連企業に多くの人材を輩出したことでも有名だ。韓国を代表するネット関連企業であるダウムカカオやネイバーの事実上の創業者もサムスンSDS出身だ。もともと上場に対する期待も強かった。

グループの支配構造の頂点に立つ第一毛織も上場へ

 サムスンSDSに続いて、12月18日には第一毛織が上場する。同社の旧社名はサムスンエバーランド。

 第一毛織もサムスンエバーランドも日本ではほとんど知られていない社名だが、サムスングループでは最も重要な企業の1つだ。というのも、第一毛織は、サムスングループの支配構造の頂点に立つ企業なのだ。

サムスンとアップル、米国外での特許訴訟取り下げで合意
韓国サムスングループの相次ぐ大型上昇は何を意味するのか〔AFPBB News〕

 サムスングループは、オーナーがいるグループと言われる。だが、李健熙(イ・ゴンヒ=1942年生)会長などオーナー一族が、グループ企業の株式をすべて保有しているわけではもちろんない。

 オーナー会長や子供たちは、非上場の第一毛織の株式を多く保有する。第一毛織がサムスン生命保険の大株主で、サムスン生命保険がサムスン電子の大株主という支配構造なのだ。

 グループの頂点にある企業が第一毛織だが、この企業も上場することになったのだ。第一毛織の場合は、サムスンカード、サムスンSDIなどが保有する株式に加え、新株を発行して売却する。

 レジャー施設や不動産管理、ファッション衣料などを手がける第一毛織の2013年の売上高は3兆2261億ウォン、営業利益は1111億ウォン。上場後の時価総額は10兆ウォン前後に達すると見られている。

経営権・財産継承のための資金確保も目的

 一般的に企業が上場する際には、いろいろな目的がある。事業投資資金の確保、知名度の向上、人材確保――。

 この2社についても、事業投資資金の確保という狙いがないわけではない。

 ただ、韓国のメディアや証券市場は、これとは違った目的があると見ている。

 その目的とは、オーナー家の経営権、財産継承のための資金確保だ。

 2つの会社は、同じサムスングループの有力非上場企業という共通点があるが、もう1つの共通点もある。李健熙会長の子供たちが大株主であるという点だ。

 サムスンSDSの場合、会長の長男である李在鎔(イ・ジェヨン=1968年生)サムスン電子副会長が11.25%、長女である李富真(イ・ブジン=1970年生)ホテル新羅社長と次女である李敍顯(イ・ソヒョン=1973年生)第一毛織ファッション部門社長がそれぞれ3.9%ずつ株式を保有している。

 第一毛織の場合も、李在鎔副会長が25.1%、李富真社長と李敍顯社長がそれぞれ8.4%の株式を保有している。

 サムスンSDSが上場し、場外市場並みの株価になった場合、李在鎔副会長の保有株の評価額は3兆ウォン、李富真社長と李敍顯社長の保有株の評価額はそれぞれ1兆ウォンを超えることになる。

 第一毛織の上場でも同じようなことが起こるのだ。

 もちろん3人とも、保有株式を売却して巨額の現金を手に入れるということはないだろう。

 だが、巨額の資金が必要なことも確かだ。

 例えば、病床にある父親の李健熙会長が保有しているサムスングループ系列企業の株主の相続を受ける際には、莫大な税金を支払う必要がある。

 サムスン電子やサムスン生命保険など、時価総額が大きいグループ企業の株式を相続する場合の負担は大変な金額になるはずだ。

 もう1つは、オーナー家の支配を維持しながらサムスングループの支配構造を改革するためにも巨額の資金が必要なのだ。

批判浴びる「循環出資」の解消とオーナー家の支配力の維持

 サムスングループの支配構造は複雑怪奇だ。オーナー家→第一毛織→サムスン生命保険→サムスン電子というのが大まかな構造だが、これだけではない。

 「第一毛織→サムスン生命保険→サムスンカード→第一毛織」や「第一毛織→サムスン生命→サムスン電子→サムスンカード→第一毛織」といった「循環出資」も多く残っている。

 少ない出資でグループの経営権を掌握するには「循環出資」は都合が良いが、「財閥のいびつな支配構造の象徴」との批判も絶えず、規制がどんどん強化されている。

 サムスングループもこうした批判を受けて、「循環出資」の解消に向けて動き出している。特に第一毛織の上場に際して、サムスンSDIやサムスンカードの保有株式を全量売却することなどで「循環出資」を大幅に解消する。

 だが、一方で、「循環出資」を解消すれば、オーナー家の支配力が弱まりかねない。だから、有力系列企業の株式を今の会長の子供たちが買い増す必要も出てくる。

 さらに、複雑怪奇な支配構造を解消するために、グループを「事業持ち株会社」と「金融持ち株会社」に分けて経営するというアイデアもある。

 こうした持ち株会社を設立する際に、会長の子供たちが強固な経営権を維持するために株式を買い増すにしても巨額の資金が必要になる。

 2社の上場は、この経営権継承準備と言えるのだ。

サムスンにとって試練の1年

 サムスンSDS上場を4日後に控えた11月10日、韓国の主要紙に「李在鎔副会長の会長昇格見送り」という記事が載った。11日で李健熙会長が入院してから7カ月になる。病状は回復気味だというが、依然として意識はない。経営復帰は難しいとの見方も多く、一部で長男の「会長昇格説」が出ていたが、これが先送りになる公算だという。

 サムスングループにとって、2014年は試練の年になった。会長が病に倒れた時期に、グループで圧倒的な収益力を持つサムスン電子の業績が落ち込んだ。2014年7〜9月決算で営業利益が前年同期比6割減となったのだ。

 これまで業績を牽引してきたスマートフォン事業の利益が落ち込んだためだ。スマホ事業を立て直し、さらに次の収益源を育てる。一方で、オーナー家の経営権継承も進める。

 この2つはいずれも難題だ。2社の上場に対しては、「グループ企業を使った錬金術で経営権継承を狙っている」との批判もくすぶる。そんな中で失敗は許されない上場でもあるのだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42181


 



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