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19日付『Washington Post』は、元米中央情報局(CIA)スタッフのエドワード・スノーデン(Edward J. Snowden)氏がリークした機密情報などから分かったこととして、米国家安全保障局(NSA)が特定の国を標的にして、その国で交わされた通話内容を記録・保存し、必要に応じて、記録した音声を再生することができる情報監視システムを作り上げていたと報じた。
このシステムは、「MYSTIC」という音声傍受プログラムによって、標的とした国で交わされた通話内容をすべて記録することができる仕組みになっているという。2009年の段階では、まだ一カ国のみを標的として運用されていたが、2011年に「RETRO」というツールが導入されて、記録した音声データを保存しつつ、必要に応じて、そのデータを取り出して再生することができるようになった。保存されたデータは、30日前までさかのぼることが可能で、データの規模は、数十億件に上ると見られている。
匿名を条件にして語った米政府関係者の話によると、「RETRO」は、分析上、初めて登場した名前や電話番号について調べる際、非常に価値のある情報を提供してくれるという。実際、「MYSTIC」に関わっている幹部級の政府関係者は、保存されたデータから事前に標的とすべき人物を特定することなく通話内容を再現することができるので、そのプログラムをタイムマシンになぞらえている。また、NSA以外の情報機関も「MYSTIC」にアクセスすることが認められていたほか、2013年10月までに6カ国を標的としてシステムを運用する予定であったようだ。
ただし、具体的にどの国が標的になっていたのかについては公表されていない。これは、米政府当局の要請に基づき、このシステムがすでに運用されている国や今後、運用対象となりうる国を特定できるような情報について掲載しないと、『Washington Post』が判断したことによるものである。
今回の報道について、ホワイトハウスのカイトリン・ヘイデン(Caitlin Hayden)報道官は、問題となっている特定の情報活動についてコメントすることは避けたいとしながらも、一般論として、安全を脅かす脅威が大規模で複雑な現代の通信システムの中に身を隠しているとし、そうした脅威を明らかにするには、一定の状況下で通信情報を大量に収集せざるを得ないとの見解を示している。
また、NSAのヴァニー・ヴァインズ(Vanee Vines)報道官は、昨年6月以降、アメリカの情報活動で用いられている技術や手法に関する報道が相次いでいる状況について、「アメリカとのその同盟国の安全を大きく損ない、保護されるべき人々を危険にさらすものだ」として、不快感をあらわにしている。
【関連文書】
NSA symbolizes data-collection program with wizard
Washington Post, March 19, 2014.
Description of data collection by NSA under MYSTIC
Washington Post, March 19, 2014.
Adding a country to MYSTIC efforts mentioned
Washington Post, March 19, 2014.
【関連記事】
"NSA surveillance program reaches ‘into the past’ to retrieve, replay phone calls"
Washington Post, March 19, 2014.
"U.S. NSA records all calls in targeted foreign nation -report"
Reuters, March 19, 2014.
"Report: NSA can replay, retrieve foreign calls"
USA Today, March 18, 2014.
「NSA、対象国の全通話内容を1か月間分保管可能 米紙」
『AFP BBNews』(2014年3月19日)
「外国での通話内容全て記録=数十億件、再生も可能−米紙」
『時事ドットコム』(2014年3月19日)
米NSA、他国の通話内容をすべて記録する監視システムを構築 Intelligence News and Reports
http://blog.livedoor.jp/intel_news_reports/archives/37064841.html
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