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2011年3月11日に東北地方の太平洋側を巨大地震が襲い、東電福島第一原発は「過酷事故」を起こしてメルトダウン、それ以降、多くの人は原発の「安全神話」をマスコミが広めて危険性を隠してきたことを知った。
地震/原発事故が起こった頃、リビアやシリアで反政府活動が相次いで活発化している。「西側」のメディアは平和的な民主化運動を独裁政権が弾圧、多くの死傷者が出ているというシナリオで報道していたが、しばらくすると事実は違うことが判明する。
その辺の事情は本ブログで繰り返し書いてきたので詳細は割愛するが、「西側」やペルシャ湾岸産油国のメディアが情報源にしていた「活動家」や「人権擁護団体」が嘘を発信していたのだ。
シリアにおける化学兵器の使用も「西側」やペルシャ湾岸産油国のメディアは政府側に責任を押しつけていたが、しばらくすると、そうした主張が科学的に成り立たないことをアメリカの学者が指摘、サウジアラビアが配下の戦闘集団(アル・カイダ)に遣らせていた可能性が高いことがわかる。
さらに、さかのぼって2003年、アメリカはイラクを先制攻撃したが、その際に宣伝された「大量破壊兵器」の話は全くの嘘だった。攻撃前からアメリカ政府の主張する情報が信頼できないことは知られていたが、「西側」のメディアは「大本営発表」を垂れ流している。
アメリカが戦争への道を暴走し始める切っ掛けは2001年9月11日の出来事、つまりニューヨークの世界貿易センターにあった超高層ビル2棟への航空機突入と国防総省の本部庁舎(ペンタゴン)に対する攻撃だった。この攻撃があった直後、アメリカ政府は実行犯としてアル・カイダの名前を繰り返し、そのリーダーとされたオサマ・ビン・ラディンを多くの人が知るようになった。
しかし、この攻撃を実際に誰が行ったのかは未だにはっきりしていない。雰囲気的に多くの人が「アル・カイダ犯行説」を信じているだけだ。アメリカ政府の内部が実行に関与した、あるいは犯行を事前に知っていた可能性をうかがわせる情報も少なくない。ビン・ラディン自身は攻撃に関与したことを否定していた。
さらに前、1999年にNATO軍がユーゴスラビアを先制攻撃しているが、そのときに攻撃を正当化するために流された情報も嘘だったことが判明している。続いて起こったコソボでの戦争も「西側」での報道は嘘だった。(詳しくは拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』を)
こうしたことを書いているときりがない。小説家の高見順は1945年8月19日付の日記に次のようなことを書いている:
「新聞は、今までの新聞の態度に対して、国民にいささかも謝罪するところがない。」
「政府の御用をつとめている。」
「度し難き厚顔無恥。」
現在の「西側」有力メディアにも当てはまること。ウクライナ情勢を伝える際にも、「西側」のメディアは重要な情報を隠している。隠された情報の中で、最も重要な事実はキエフの暫定政権においてネオ・ナチが大きな影響力を持っているということだ。ロシアとの友好的な関係が壊れ、しかもロシアとEUとの間にウクライナというファシズム国家ができたことで、EUはエネルギー源をアメリカのシェール・ガスに頼らざるをえなくなり、環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)に取り込まれてアメリカの巨大資本に支配されると予測する人もいる。
しかし、それで収まる保証はない。ネオ・ナチと緊密な関係にあるネオコン(アメリカの親イスラエル派)、あるいはモシェ・ヤーロン国防相のようなイスラエルの好戦派、つまりウラジミール・ジャボチンスキーの信奉者たちは軍事力を前面に出すように要求している。善意に解釈すれば、ロシアを力で屈服させようとしている。そうでなければ、アメリカにロシアを核攻撃させようとしている。ネオコンに屈服したEUは、きわめて危険な状況の中に置かれた。ヤーロン国防相の発言を肯定するということは、核戦争を望んでいることに意味している。
少なくとも国際問題、社会問題などに興味を持っている人なら、メディアのこうした実態を知っているだろう。にもかかわらず、メディアの報道を信じているかのような発言をする「知識人」がいる。メディアが突然反省し、ジャーナリズムに目覚めたとでも思っているのだろうか?日頃、民主主義を尊重しているかのようなことを言う「リベラル派」、あるいは「革新勢力」も、実際はファシズムが大好きなのかもしれない。
支配層のために情報操作してきたメディアを信じているかのように発言する人は、単なる体制追随派 櫻井ジャーナル
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201403200001/
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